小倉氏、里内氏がコーチ就任 江尻氏はU-18監督

小倉勉氏のコーチ就任のお知らせ(ジェフ公式サイト)
里内猛氏のフィジカルコーチ就任のお知らせ(ジェフ公式サイト)


 以前報道があった通り、小倉コーチ、里内フィジカルコーチのジェフトップチームへの就任が発表になりました。
 小倉コーチは日本サッカー協会のスタッフを兼任しながらも長らくジェフで働いていましたし、里内コーチもジーコ監督との繋がりで日本代表のフィジカルコーチを務めた後にジェフレディースの監督を指揮していました。
 特に小倉コーチは報道にあるような五輪スタッフとしてのイメージよりも、元ジェフのスタッフが帰ってきたという印象が強いですし「おかえりなさい」といった思いです。



 しかし、ここ数年は両コーチ共に、所属チームでうまくいっていない印象があります。
 小倉コーチはロンドン五輪直後に、大宮のコーチに就任。
 2013年にはTDを兼任するも、シーズン序盤は絶好調だったベルデニック監督を解任し、自身が監督に就任した一連の流れが大きな騒動となりました。
 その年で大宮を解任となり、昨年は甲府のコーチに就任するも、こちらも1年で退任となっています。


 里内コーチも小倉コーチより少し遅れて、2013年から大宮のフィジカルコーチに就任しましたが1年で退任。
 2014年には仙台のフィジカルコーチを務めましたが、こちらも1年で契約満了となっています。
 小倉コーチの甲府も、里内コーチの仙台も監督交代がありましたので、その影響も受けての退任という面もあるでしょう。
 しかし、監督が代わってもクラブが強く引き留めたいという思いがあれば、短期間で退任ということにはならなかったのではないかなとも思わなくもありません。
 そんな状況でのジェフからのオファーですから、両コーチ共に前向きに考えられたのではないでしょうか。



 考えてみれば、関塚監督も2013年5月に磐田監督に就任したもののチームは降格となっていますので、ロンドン五輪のコーチ陣の多くは五輪後に悔しい経験をしていることになります。
 ジェフでの再会は、お三方にとってのある種のリベンジマッチということになるのでしょうか。
 ジェフとしては若いコーチ陣を放出してわざわざ獲得したことになるわけですし、ぜひともそれだけのものを見せてほしいところだと思います。


 小倉コーチも里内コーチも昨年の若いコーチ陣に比べれば、サラリーは決して安くないのでしょう。
 関塚監督にも同様のことが言えるのではないかと思うのですが、その分U-18の副島監督が退任となったということなのでしょうか。
 もともとユースのコーチ陣は豊富だった状況で、13年にC大阪鳥栖、神戸などで監督を務めた経験豊富な副島監督が就任。
 驚きの招聘でジェフのU-18強化への強い思いも感じたのですが、2年でジェフU-18監督を退任することになってしまいました。
 なお、副島監督はタイ1部のアユタヤFC監督就任が決まり、クラブのFacebookなどで発表となっています。



 また、ジェフは先日、菅原大介コーチの加入も発表しています
 こちらも「おかえりなさい」ということになりますね。
 菅原コーチもトップチームのコーチに就任ということで、この流れでいく江尻コーチがU-18監督に就任するのかなと噂にになっていたわけですが…。


ジェフユナイテッド千葉U-18監督に江尻篤彦コーチ就任のお知らせ(ジェフ公式サイト)


 やはり江尻氏がU-18監督に就任となりました。
 もともと小倉コーチがトップチームに就任するのであれば、監督直下のコーチという立ち位置ではなくなるわけで、江尻コーチの立場が難しくなるだろうなとは思っていましたし、予想はできる展開だったように思います。


 確かに本気で江尻コーチを将来のジェフ監督として考えているのであれば、どこかで監督の経験を積ませるべきだろうとは思っていました。
 しかし、副島監督と比べると明らかに実績では厳しいわけで、指導者育成の面では良くてもユースチームにとってはどうなのかという疑問もなくはありません。
 結果的にジェフU-18としては2年間でまた監督が代わってしまうことにもなるわけですし、その点でも疑問は残ります。


 またもともと個人的には江尻氏は監督としてよりも、より選手に近いコーチに選任させた方が活きるタイプの指導者ではないかと思う部分があります。
 その指導力がU-18チームの監督としてなら、うまくはまるかどうか。
 ともかく、クラブにとっては非常に大事な役職だと思いますし、一から頑張ってほしいですね。
 


 トップチームに関しては昨年は武藤覚コーチが就任したものの少人数でなんとかやってきたといった印象もありましたし、ようやくこれでまともな体制になったといったというレベルではないでしょうか。
 実績のある選手が多く年俸が嵩んでコーチ陣に予算をまわせないのかなという印象もありましたし、予算配分のバランスも改善されつつあるのでしょうか。
 両コーチ共にここ数年は苦労されているわけですが、小倉コーチは祖母井さんやオシム監督からの信頼も厚い方だったはずですし、里内コーチも当時2部だったジェフレディースの躍進に貢献した方で退任翌年にチームは2部優勝を果たしています。
 とはいえ、サッカーをやるのはあくまでも選手。
 その選手たちをしっかりと育てていってほしいですね。