鳥栖DF金井獲得 天野は横浜復帰 山村は鹿島残留へ

金井貢史選手の加入について(ジェフ公式サイト)


 あくまでも自分の感覚の話で具体的な数字は分かりませんが、今オフのJリーグ移籍市場はかなり活発に動いている印象で、その分ジェフが年末から獲得の動きがないのは気になるところです。
 山中の柏復帰というニュースはありましたが、補強の方は噂にも出てきていませんでしたから、金井の獲得発表は「ようやく」といった印象ですね。
 新体制発表会かその直前には何らかの動きがあるだろうと思っていたので、そこまで大きな焦りはなかったですけど、ひとまず補強の話が聞けて良かったと思います。



 鳥栖から加入となった金井は、横浜FMユース出身でユース代表にも選出されていた期待の選手でした。
 横浜FMでトップ昇格を果たすと、プロ1年目の2008年にはリーグ戦で5試合、2009年には9試合出場と徐々に出場機会を増やしていきましたが、2010年10月に道路交通法違反で2010年の残りシーズンは謹慎処分。
 それでも翌年には21試合まで出場機会を伸ばしますが、2012年には16試合出場と出場機会が減少してしまいます。
 ドゥトラ小林祐三といった、両SBのレギュラー選手による壁の高さに苦しんだということになるのでしょうか。


 2013年には鳥栖にレンタル移籍し、15試合に出場。
 そのまま鳥栖に完全移籍となりますが、安田、丹羽からはポジションを奪えず、昨年は7試合の出場にとどまっていました。
 安田は今オフに神戸への移籍が決まりましたが、鳥栖はそれを埋めるような形で清水から吉田豊を獲得。
 そういった鳥栖の動きもあって、出場機会を求めてジェフに移籍したということなのかもしれません。



 個人的な印象としては、横浜FM時代の両SBをこなせるスピードあるSBというイメージが強く残っています。
 ジェフとしては山口慶の引退した右SBとしての補強に加えて、左SBの層を厚くする狙いもあるのでしょうか。
 結局天皇杯でも佐藤祥が使われはしましたが、左SBもこなせる山中も柏復帰となりましたし、中村になにかあった時に大きな不安の残るポジションとなっています。
 佐藤祥は残すにしても、今後どのように育てていくつもりなのか気になるところですが…。


 しかし、金井も右SBとしては山口慶というよりは、どちらかといえばやはり天野のようなタイプに近い選手ではないかといった記憶があります。
 個人的には守備力よりも攻撃センスのある選手といった印象で、右SBはカバーリングを中心とした守備能力の高さを求められるところがあるので、その点ではどうなのか…と思っていたのですが、調べてみると鳥栖ではボランチなどもこなしていたようで、ユース時代にはCBもこなしていたようです。
 ボランチやCBとしてプレーできるからといってカバーリングが計算できるとは言えませんが、守備力も期待できるのであれば良い補強と言えるのかもしれません。



 とはいっても、本来はサイドの選手で2013年の鳥栖でもSBではなくSHとして多く試合に出ていたようですし、本来は守備面で大きな期待をできるタイプの選手ではないのかもしれません。
 そもそもとしてカバーリング能力の高さという点においては山口慶ほどのSBを獲得するというのはかなり難しいのではないかと思いますし、やはりまず第一に今年のチームに求めたいのは守備バランスの改善ということになるのではないかと思います。
 その中で金井などが活躍できる状況を作りたいところですね。


 まだ24歳と若い選手ですし、若返りを図るジェフにとっては今後伸び代を含めて期待したいところです。
 ボランチなどでの可能性もなくはないかもしれませんが、基本的には本職の少ない右SBで北爪や大岩と争うことになるのではないでしょうか。
 天野、田代と横浜FM育ちの選手がジェフで苦労しているのがちょっと気になるところではありますが、それを払拭できるように頑張ってほしいと思います。


 それにしても横浜FM出身選手の獲得が続きますし、何かつながりが出来たということなのでしょうか。
 あるいは横浜FMのトップチームではなく、ユースの方と何らかの関係があるのか…。



 その天野の横浜FM復帰も、昨日発表となりました。
天野貴史選手の期限付き移籍満了について(ジェフ公式サイト)


 ジェフでの天野に関しては、先日詳しくお話しました
 横浜FM復帰は少々意外ではありましたが、横浜FMも監督が代わってチームを変えていこうといった段階にあるのでしょうから、いろいろな可能性を試したいということでしょうか。
 横浜FMは同時に京都にレンタルしていた比嘉復帰も発表していますし、まずは新監督に色んな選手を見せたいということなのかもしれませんね。


 非常に明るい性格ですし、キャラクターという意味でもジェフとしてはうまく取り込めればいいなと感じる選手だったと思います。
 ジェフでは残念な結果となってしまいましたが、古巣での活躍を期待しております。



 なお、ジェフ獲得の報道のあった山村は、スポニチによると迷った末に、鹿島残留を決めたとのこと。
 山村としては広島からファン・ソッコが移籍してきたとはいえ、アジア杯に昌子、植田といったレギュラーCB二人が選出されたことで、チャンスがあると見た可能性もあるのかもしれませんね。
 残念ですが、仕方のないことでもあると思います。


 山口智、竹内が退団となったジェフは、キム、田代、大岩、栗山あたりが現時点でのCB候補となります。
 大岩は昨年のCDでのプレーを見ても安定感がなかったですし、栗山も大きなけがを負ってリハビリ中なはずです。
 乾や金井も出来なくはないと言ってもさすがにこのままでは不安で、単純に人数の面でも厳しい状況となってしまいます。



 山村獲得に動いていたのは事実でしょうから、当然ジェフの強化部もCBは補強の必要性を考えているはず。
 ただ、山村がどのタイミングで残留を決めたのかどうかはわかりませんが、目ぼしい選手は去就が決まりつつある時期ですので、難しい状況になっている可能性もあるのかなと思わなくもありません。
 もちろん内々では新CB獲得が決まっている可能性もあるかもしれませんので、現時点では何とも言えない部分がありますが。


 どちらにせよ、良いCBの補強を期待したいところではないでしょうか。
 個人的には何度も言うようですが、高身長で跳ね返すタイプよりもカバーリングの出来てライン統率の出来るタイプのCBの方がいいのではないかと思うのですが。
 FC東京の丸山あたりは今年どうなるんですかね。