変わりきれず、J1昇格失敗

 プレーオフ決勝。
 残念ながらジェフは山形に敗れ、今年もJ1昇格はなりませんでした。
 試合の詳細に関してはあまり触れたくもないし、このタイミングで話しても仕方ないように思うので、明日以降に回したいと思います。
 まぁ、今日にも辛いオフのニュースが出てくるかもしれませんので、明日取り上げるかどうかも分かりませんが…。
 今日は雑感というか、これまでのまとめを。



 熊谷市長も「あんなサッカーでJ1に昇格したら他のクラブに失礼」とつぶやいていたように、低調な内容だったと思います。
 しかし、内容に関しては、これまでの数試合と変わらなかったでしょう。
 90分間のうち5分、10分しか良い時間帯が作れず、そこでしか点を取れない状態が続いていたわけで、そんなことでは安定した試合運びが望めないのも当然のこと。
 実際、10月こそ良い成績ではあったものの、そこをピークにチームは下降気味で相手に助けられる試合が多かったと思いますし、最終成績も上2つが転げ落ちて来たから3位になっただけで、過去5年間大きく変わっていないと思います。
 昨日の試合では前半に失点してしまったことで失点直後の猛攻を仕掛けられない展開にはなりましたが、先に失点してしまったこと、そして失点しなければ自発的に猛攻を仕掛けられないという時点で厳しい状態といえるでしょう。
 過去2年のプレーオフの経験を活かし、過去との違いを見せて昇格したかった試合でしたが、結局変わったことを見せられずに終わってしまいました。



 プレーオフ決勝に先立ち、オシム元監督がコメントを寄せてくれました。
 当然激励の意味合いもあるコメントではあったと思うわけですが、「毎試合楽しい試合をする心地よいチームがいいのか、お金をかけてスター選手を集めても勝てないチームがいいのか。私は前者の方が好きだ」という文章を読んで、今のジェフは果たしてどちらなのかなと思ってしまいました。
 サポーター受けばかり良い元ジェフの選手たちや、名前の売れているベテラン選手を中心に補強し、毎年のように昇格候補にはあがるものの結果が残せない状態になっているわけで。
 「いったいどういったクラブを目指すのか」ともおっしゃっているわけですが、毎年のように監督を変えるようなクラブ状況において、明確な方向性など見えてくるわけもなく。


 J2に降格してからのジェフは地に足の着いた強化が出来ず、即戦力ばかりを期待して、力技で短期間での昇格への近道を目指してきた印象でした。
 しかし、やはりそれだけでは力は付いていかず、ここ1,2年はフロントもようやくベース作りに転換していったように感じていました。
 にもかかわらず、結局今年もシーズン途中に監督交代し、また強引な形で昇格を目指した。
 確かにスター選手ならぬスター監督を招聘し一時的に勢いは付いたけれども、本質的な変化は起こらなかったように思います。
 そういったクラブを、しっかりとサッカーの神様も見ていたのではないでしょうか。
 結局、勢いだけではだめで、本当の意味で強くなっていかなければいけないのだと思います。
 twitterなどをみてもプレーオフ決勝1週間前くらいから、すでに浮き足立っていたように見えましたし、勢いは付いたものの冷静にサッカーを見られているのかは疑問でした。



 ジェフのフロントは降格直後、J1に昇格するだけではだめで、J1で戦えるクラブを作らなければならないと話していたはずです。
 その後のやり方はともかくとしても、その考えは大いに納得できたものでした。
 それが長いJ2暮らしもあって、いつしか昇格することだけが目標となってしまっていた。


 しかし、毎年のように昇格しては1年でJ2に降格するクラブが出ており、ここ数年は昇格クラブがダントツの最下位で落ちてくる流れとなっています。
 そんなことでは、例えJ1に上がったとしてもクラブと関係者にとって幸せな状況とは言えないでしょう。
 だからこそ、地に足を付けて、本当の意味で強いチームを作っていかなければいけないのだと思いますし、やはり一時の勢いなどで昇格してはだめだということになると思います。



 最後は雰囲気が良かったとか、終盤のチーム状況は良かったというようなきれいごとばかりを言ってはいられないでしょう。
 ジェフは昇格するためにリスクを伴ってでも、シーズン途中に監督を交代した。
 今季の監督交代だけでなく、これまでに多くの人々や予算、サポーター、スポンサーを失いながら、過去5年間昇格することが出なかったわけで。
 「これでだめなら…」なんて言葉はもう聞き飽きましたけど、今年もそれだけの覚悟を伴って昇格を目指したものの失敗した。


 そうなれば当然この冬は厳しいものになるでしょうし、オシム元監督も言うような「大きな変化」を期待するために、さらなる大きな犠牲を伴わなければいけえないかもしれない。
 選手構成なども大胆に変える必要性が出てくるのではないでしょうか。
 そういったことをしざるを得なくなった敗戦。
 それだけ大きな大きな一戦に敗れたという事実を、しっかりと関係者1人1人が受け入れなければいないのだと思います。



 あえて言うとすると、もっと真摯にサッカーに向き合うべきではないでしょうか。
 ジェフというブランドではなく、サッカーそのものに。
 それがクラブに必要な変革の第一歩ではないかと思いますし、本当に強いチームを作るためにはそれなりの覚悟が必要だと思います。


 しっかりと危機感を持って、強いチームを築き上げられるかどうか。
 結局、近道を使っての昇格に失敗したことによりチームは完全に振出しに戻ったわけで、また一からやり直さなければいけない。
 厳しい言い方をすれば、過去5年間大きく変われなかったということは、この5年間は無意味だったとすら考えられるわけで。
 多くの犠牲をはらってここまで来たことを考えれば、それは非常に重いものだと思います。



 しかし、その事実を受け止めてこそ、ようやくジェフというクラブは次への一歩を歩み出せるのではないでしょうか。
 まずはその一歩を踏み出せるのか否か。
 ジェフはそこで長らく足踏みをしてきたわけで、その段階からの意識改革が必要になってくるように思います。


 ひとまずは、お疲れ様でした。
 来季こそジェフというクラブが変われることを祈って…。