最終戦でハミルトンのチャンピオン決定

 先週末、今シーズン最終戦となるF1アブダビGPが開催されました。
 同じメルセデスルイス・ハミルトンニコ・ロズベルグがチャンピオンを争う状況でしたが、ハミルトンがこのレースを制し今年のチャンピオンに輝きました。


 最終戦では予選から両ドライバー、いつもとは違ったしぐさを見せており、プレッシャーを感じているように見えました。
 F1人気に陰りが見え下位チームの予算の問題なども出た今シーズンですが、このチャンピオンシップの重さ、F1を制することの価値の大きさというものがF1というレースを支えているんでしょうね。
 そのプレッシャーからか、ハミルトンはラストアタックでタイムを伸ばせず、ロズベルグポールポジションとなりました。


 しかし、決勝ではロズベルグがスタートでミス。
 ハミルトンがスタートでトップに立ちます。
 今年のロズベルグは予選では速さを見せたものの、レースでのミスが目立ったシーズンでした。
 逆にハミルトンはレースで安定したパフォーマンスを見せることが出来た。
 フジテレビの解説陣にも言われていましたが、開幕前は移籍してきたハミルトンが予選の一発では部があるのではないかと思われていたのですが、むしろ今年のハミルトンはレースでの安定感が際立った印象です。
 それが今年のチャンピオン獲得につながったと言えるのでしょう。


 ロズベルグは残念ながらマシントラブルもあって、13位でフィニッシュ。
 最後はチームにマシンをピットに入れるよう指示をされましたが、最後まで走りたいという本人の希望を受ける形でリタイアとはなりませんでした。
 残念なラストでしたが、十分今シーズンを盛り上げてくれたと思います。



 象徴的だったのが、2位、3位にウィリアムズの2台が付けたこと。
 ここまでメルセデスの1-2が多かった今シーズンでしたが、ロズベルグがトラブルを起こしても2-3にはメルセデスエンジンのウィリアムズがのぼったことになります。
 シーズンが進むにつれてメルセデスの独走傾向は若干弱まったとはいえ、やはりエンジンはメルセデスが圧勝していたということになります。


 今季からERSを導入し大きくレギュレーションが変わったわけですが、そこにしっかりとメルセデスは対応してきたことになります。
 コストカットもあってエンジン開発を大きく制限されている状況ですが、制限を一部解除するかどうかといった話も出ています。
 また来期はホンダも復帰するわけで、どこまでメルセデスに他チームが食いついていけるかが注目となります。


 また、最終戦で復活を遂げたケータハム小林可夢偉は週末を通じて終始、チームメイトの新人ウィル・スティーブンスの上位に立ち、一時は13位まで浮上していました。
 しかし、42週目でマシントラブルでリタイア。
 最後まで辛いレースとなってしまいました。



 レースはこれで終了しましたが、すでに来季に向けてのテストがアブダビで行われています。
 来たるべきシーズンに向けてのマシン開発、ドライバーも含めた態勢の準備など、様々な観点で来シーズンへの準備はすでにスタートしていることになります。
 今季大成功を収めたメルセデスも、昨年の早い段階から今季にターゲットを合わせて準備してきたわけで。
 メルセデスとしては、そのマージンを活かし続けられるか。
 他チームはそこに迫れるか。
 来季は今シーズン以上の混戦を期待したいところですね。
 ひとまずは、今シーズンお疲れ様でした。