年内最後の試合に向けて遠藤、今野などが復帰

 11月14日に豊田でホンジュラス代表戦、18日には長居でオーストラリア代表戦を控える日本代表メンバーが先日発表になりました。
 メンバーはJFA公式サイトなどで確認できます。
 オーストラリア代表には、元ジェフのマーク・ミリガンも順当に選出されています。
 日本代表もオーストラリア代表も、アジアカップ前最後の試合ということになりますね。


 日本代表のメンバーは、今回も意外な選出がありました。
 賛否両論あるようですけど、個人的には意外性のあるメンバー選考によって様々な意見が出て、代表チームとはどういったものかを考える機会が出来るというのは良いことではないかと思います。
 もちろん意外過ぎる選出はどうかと思いますし、チームにおけるぶれない軸は必要だと思いますが。


 また、2連続で日本での監督実績のない指導者を招聘したわけですが、ザッケローニ監督は当初からユース年代で実績のある選手をメインにリストアップしていました。
 日本選手のデータが少ないということで、JFA主導で選手の候補を考え、そのまま監督が採用したのではないでしょうか。
 それもあって最後までサッカーにもザッケローニ色が出てこず、ザッケローニ監督としては背伸びしたサッカーをすることになって失敗した印象もあります。
 今回はその経験も踏まえて、アギーレ監督に自由にやらせているのかな?とも思わなくもありません。



 メンバーを見て一番の驚きは、やはり遠藤の復帰ですね。
 流石に年齢を考えると遠藤はないかなぁとは思っていたのですが、G大阪でのプレーを見ていると状態も戻ってきた印象はあります。
 また個人的には柴崎のインサイドハーフが前回の招集で当たったので、やはり純粋なゲームメーカータイプが1人中盤に必要だろうなぁとは感じました。
 しかし、考えていくと、意外とそういったタイプの候補は少ない。
 そこで遠藤だったということではないかと思います。


 一方、今野に関しては、招聘されてもおかしくないと思っていました。
 これまでの試合を見ても、中盤において守備で計算できる選手は欲しいところ。
 またアジアカップという大会に出場することを考えると、親善試合とは違って複数のポジションができる選手が必要だろうと。
 こちらもなかなか候補はいそうでいない状況だと思いますし、若手候補の米本、山口蛍あたりが怪我がちであることも大きいのではないかと思います。



 またFWでは宇佐美ばかりが報道されていますが、豊田に関しても鳥栖で結果を残していますし、招集される可能性もあるだろうと思っていました。
 ブラジル戦、ジャマイカ戦を思い返すと1トップで岡崎を起用し、積極的な動き出しによって、攻撃の流動性が増していきました。
 それに加えてポストプレーでのターゲットとしてのタスクも引き続き求めていくのでしょうから、動き出しとポストが出来る選手というとハーフナーや柿谷では少し違う。
 豊田は候補の1人になるのではないかと思っていました。


 巻にプレースタイルの似た皆川をいきなり招集して驚かせましたが、今考えるとそれも納得できるように思います。
 ただ、当初は高さやポストがメインタスクだったのが、岡崎の1トップがはまったことで前への動き出しの重要性が高まっていった可能性もあるのかなと思います。
 ゲームメーカータイプにしても本来は必要性をあまり閑雅ていなかったけれど柴崎の成功で重要性が増したのかもしれませんし、この辺りは徐々に日本のサッカーにアギーレ監督がアジャストしている可能性もあるのかなと思います。



 一方で招集されなかった選手としては、細貝が驚きでしたね。
 振り返ってみると、ブラジル代表戦でもスタメンでなかったということを考えると、ジャマイカ代表戦でのプレーに物足りない部分があったのでしょうか。
 ただ、そもそも長谷部を怪我で選べなかったという状況があったことを考えると、長谷部が当初からアンカーの第一候補だったのではないかとは思います。
 初戦のアンカーは森重だったことを考えても、細貝は第2、第3候補だったのかなと思わなくもありませんし、そこまで評価は高くないのかもしれません。
 今回は長谷部と今野を試すこともあって細貝を招集しなかったのか、それともこの2人でアジアカップまで乗り切るのか。


 個人的には松原が再び招集された事の方が意外で、田口も現状だとどこで使うべきか難しいかなと思っていました。
 SBに関しては候補は多数いますので、将来性を加味してということなのでしょうか。
 内田の復帰は怪我は心配ですけど、純粋に心強いと思います。
 田口に関してはアンカー、インサイドハーフはともに流動的な状況で、それでも残ったということは、それほど高く期待されているということでしょうか。


 特にインサイドハーフは遠藤という大御所が復帰しましたが、森岡、田中順也が外れていますので、人数的に厳しいところがあるように思います。
 田中も出場機会はあったもののアピールという意味では物足りずクラブでも出場できていないようですし、森岡もアジアカップを戦うという意味ではまだ経験不足な印象があります。
 2人が外れたことは驚きではなかったですけど、その割には他にテストする選手が増えた印象はないですね。
 香川をここで固定するなら、ウイングでも使える清武あたりが候補になるのかなとも思っていたのですが。
 そのウイングに関しても本田、武藤、小林、状況によっては岡崎と候補はいて乾が代表に復帰しましたが、もう少し選手をテストするのかと思っていました。
 確かに乾なら途中出場からも試合をかき回せそうですし、今野と同様に実戦を考慮しての招聘なのかもしれませんね。



 ベテランは増えましたけど、個人的には面白いメンバー選考ではないかなとは思っています。
 確かにもう少し若手に出てきてほしい気持ちもありますが、時間が限られている中でアジアカップまでの準備も考えなければいけなかったという現実問題もあるはずです。
 その中でW杯からメンバーを確実に一度シャッフルさせて、様々な可能性を見出してきたのは事実ではないでしょうか。


 短期間で若い武藤や柴崎が代表レベルでのブレイクの兆しを見せ、中堅の森重がチームの中心になりつつある。
 そのあたりは1つの成果と言えるでしょう。
 問題はそこからいかにチームを精査していき、勝てるチームにしていくかどうか…ですけど、いきなり世代交代と結果の両方を求めるのは無理があるでしょう。
 個人的には無難なチーム作りをするくらいなら、これくらいやってくれた方が興味深く見ることが出来るのではないかなと感じています。