関塚監督「出来の悪い試合で結果を残せた」

関塚隆監督「長いシーズンいろいろな試合がありますが、出来の悪い試合で結果を残せたことは大きい。選手のひたむきなプレーが勝利を呼んだと思います。次は内容ある勝利を目指したいと思います。」（J's GOAL）

　あの試合を、特別に出来の悪い試合だったと見るのか。
　そうではなく、それまでの流れの中での"ありえる試合"だったと見るのか。
　個人的には後者だと思うわけですが、選手、監督がどうそれを捉えるかですね。
　もちろん関塚監督が実際にどう思っているかは、このコメントだけではわからないと思いますが。

　なぜ「出来の悪い試合」になってしまったのかというと、さまざまな要因がからんでくるのはもちろんですが、やはり一番は遅攻で攻撃の形を作れなかったこと。
　根本的な部分はそこだと私は思います。
　そして、遅攻で形が作れないのは、ここまでの試合でも見られた部分だったはずです。

　対戦相手の群馬は、極端なジェフ対策をしてきた印象はありませんでした。

青木孝太「古巣の千葉戦で、試合前にはＪリーグ２００試合出場のセレモニーをやってもらったので感謝を示す意味でも絶対に勝ちたかった。いつもは右サイドだが、今日はチーム戦術で左サイドでのスタートとなった。秋さん（秋葉監督）から左サイドにスペースが出来るのでドリブルで運ぶように言われていたが、前半はそういうプレーができていたと思う。」（J's GOAL）

　強いて言うのなら孝太を左サイドに回して、ジェフの右サイド裏を狙ってきたことくらい。
　先日も話した通り、ジェフの右SBは引き気味に絞って守りがちなので、その外が開いてくる。
　そこを孝太に何度もやられてしまったわけですが、これは大分戦の為田にもやられたパターンであり、群馬戦で初めてその穴を付かれたというわけでもないはずです。

　あとは守備で簡単には飛び込まず、スペースケアをしながら守られたと。
　森本はトラップで交わされるのを警戒されると簡単にはシュートまで持ち込めませんでしたし、良い体勢でのシュートはほとんどなかった。
　ただ、大分戦でも谷澤と森本の一発で勝てた試合であって、チャンスがあまり作れなかったのは同様のことが言えたはずだと思います。

　群馬は決して極端に引いてきたわけではないと思いますし、スタミナが切れるまではバランス良く守っていたと思いますが、それ以上の何かがあったわけでもなかった印象です。
　むしろ現状のジェフの場合は、ジェフの方が引いて守ることが多かったりもするわけで、そこに関してはおあいこですね。

　成績ほどの内容ではない気がしますが、チームに勢いがあるのは事実でしょうから、プレーオフまでは行けるかもしれない。
　けれども、そのプレーオフも勢いで勝ち抜けるかどうか。
　それこそ徹底的に対策を取ってくるかもしれないし、当然ジェフの弱点を突いてくるでしょう。

　現状だと攻撃は個人での打開力に頼りがちで他の手立てがない印象が強いですから、そこがやはり心配なところですね。
　単純にクロスを上げても森本と町田ではチャンスになりにくいですし、セットプレーに関してもケンペス、大岩、兵働が抜けて攻撃力が落ちていますし、もう少し確実な形を作りたいところではないかと思うのですが、現チームでそういった選手たちを使うと守備の穴を埋めきれないのでしょうし、悩ましいところです。
　あとはやはり一発の選手たちの調子をプレーオフまでにいかに上げる・保つといったところが、重要となってくるのでしょうか。