怪我人多数の札幌 相手の勢いを止められるか
連休への影響が懸念される台風19号の行方も心配ですが、ジェフは11日(土)にアウェー札幌戦、15日(水)に大阪でC大阪戦、19日(日)に大分戦と天皇杯を挟んで連戦となります。
リーグ戦も終盤の大事な時期ですし、賢く戦っていく必要がありそうですね。
札幌は8月下旬に財前監督を解任。
事前に決まっていた6月の小野伸二加入でさらに上位を目指す今季の計画だったのではないかと思うのですが、夏場に入ってからチームの成績は低迷。
7月末からの4連敗後に行われた8月25日の栃木戦でも引き分け、順位も6位から13位にまで低迷。
その栃木戦後に監督解任ということで、成績不振という明確な理由があったと思われます。
しかし、後任が元愛媛のバルバリッチ監督となったのは少々意外でした。
今までのサッカーとは大きく異なる印象の監督で、シーズン途中の交代にしてはリスクもあったと思います。
とはいえ、前著の通り札幌の場合は成績が低迷しての交代でしたので、むしろ大きな変化や刺激を狙った監督招聘だったのかもしれません。
あのままでは昇格というのはかなり難しかったのでしょうし、ある意味で博打的な意味合いもあったのでしょうか。
バルバリッチ監督は札幌での初陣となった岐阜戦で引き分け、群馬戦では0-3の大敗となっていましたが、そこから岡山戦、松本戦と上位チーム相手に2連勝。
そして、前節水戸戦ではスコアレスドローと、まずまずの成績を残しています。
バルバリッチ監督前の名塚代行監督も2戦2勝だったため、順位も現在10位と上がってきています。
7位ジェフとの勝点差も「3」で、プレーオフを争うライバルチームの1つと言えますね。
バルバリッチ監督になってからは3-5-1のシステムで、前線の選手に鋭い縦パスをぶつけてポストプレーを組み込み、シャドーやウイングバックの選手を縦に鋭く走らせる攻撃が基本となっている印象です。
守備ではCBがマンマーク気味に粘り強く対応しているのが印象的で、この辺りはバルバリッチ監督のイメージの中ではちょっと意外な印象もありました。
ただ、シャドーやウイングバックなどサイドの選手を、うまく仕掛けさせる形を作れているところは、バルバリッチ監督のカラーが出ているところなのかもしれません。
基本的には中央にあててサイドを早く、守備でも人に厳しくつくということで、シンプルなサッカーがチームの状況を改善したと言えるのかもしれません。
しかし、札幌は現在怪我人が多数出ています。
日刊の記事によると、上原慎、パウロン、薗田、河合、内村、前田と数多くの主力選手が負傷中。
内村、前田は練習に復帰したようですが、バルバリッチ監督によると「何分かは出来る」レベルのようです。
小野も怪我をしていますし、台所事情はかなり厳しそうです。
一方のジェフは、前節福岡戦で3-0と大勝。
ここからまずはプレーオフ圏内に向けて波に乗っていきたいところです。
ただ、「本当に何試合ぶりかのホームでの勝利」と話しているように、関塚監督自身もここ数試合手応えのない試合が続いていたのではないでしょうか。
実際の成績ではホームで2試合ぶりの勝利ということで、決してホームでの勝利が遠ざかっていたわけではありませんでした。
それだけ感覚的に勝てていない、良くないチーム状況が続いていたということなのかもしれません。
福岡戦も5分間で3点を取っての勝利ということで、その間は相手の気持ちが折れていた印象があります。
攻撃回数が数多く作れたのも相手の状態が大きかったように思いますし、その5分間以外では攻撃のクオリティの問題も感じました。
もちろんそれでも3点取っての大勝は数字上大きかったわけですけど、油断せずに今後の試合に臨みたいところではないでしょうか。
基本的には関塚監督になってからリアクション志向が強いサッカーになっているため、相手が弱点を見せてくれればチャンスは作れる。
けれども、引いて守ってくる相手が多いJ2での試合の中で、いかにアクションサッカーをせざるを得ない時に勝つ形を作れるかどうかが、J2に落ちてからのジェフに強く求められるところではないかと個人的には思っています。
札幌に関しては多くの怪我人が出ている状況ですから、それによってどう変わるのか。
これだけ主力にけが人が出ればさすがに大きな戦力ダウンになると思いますので、そこをうまくジェフが付けるかどうか。
ただ、逆に割り切った戦い方をしてくるかもしれませんし、読みにくい部分も出てくるかもしれません。
バルバリッチ監督が就任して当初は多少躓いたものの、その後結果を残し始めている札幌。
このまま成績を伸ばしていけばプレーオフ圏内に突入する可能性も見えてきますし、ジェフとしては明日の試合で札幌の勢いを止めたいところだと思います。
そういった意味で、シーズン終盤における大事な試合の1つということがいえるのではいでしょうか。