シーズン終盤戦を前にして
今シーズンのJ2も残り8試合。
どこで区切るかにもよるのでしょうが、8試合というのはあっという間ですし、シーズンもいよいよ終盤戦に差し掛かっていると見ていいのではないでしょうか。
改めて今季を振り返ると、やはり大きかったのは監督交代。
当時、私は開幕前に「土台の作り直し」というよう話をしており、結果より長期ビジョンを考える方向だったのではないのか。
フロントは監督交代にどのようなことを期待するのか、はっきりすべきではないかという話をしていました。
シーズン中の監督交代という大きな変化に対して、関係者各々が勝手にそれを捉えるようなことをすれば、混乱が生じる可能性がある。
目標を定め状況を明確にすることは、組織の意思疎通、チームの一致団結において、欠かせない部分でしょう。
昔からジェフのフロントは、そういった部分を避けて通ることが非常に多い。
あれから数カ月たって考えても、不明瞭な部分を残したままとなっている印象があります。
残念なことですが、それはそれとして改めて状況から推測すれば、「監督交代の狙いは今季のJ1昇格」と捉えるのが妥当と考えられると思います
来年への準備というにはあまりにも早い時期で、昇格の可能性も残された状況での監督解任だったわけですから、それならば今期中に結果を残すことが第一目標と考えるべきでしょう。
それを関塚監督就任時に「長期政権」といった話を持ち込んだりするから、余計に意図がわかりにくくなったのだと思います。
まぁ、社長としてはネームバリューのある監督を招聘できたこともあって、前向きに考えていた部分があったのかもしれませんね。
ただ、特にスポーツにおいては、ネームバリューほど信用できないものもないわけで…。
監督交代はJ1昇格のため。
そんなことは言われなくても当然と思われるかもしれませんが、J1昇格は決して容易い目標ではないことは痛いほどわかっているわけで。
だからこそ、フロントはそこを明確にしなかったのかなとすら疑ってしまいますが。
しかし、以前にも言いましたが、今回の監督交代に失敗すればマイナスの方が非常に大きくなる。
費用の増加、内外への信頼問題、チーム作りの遅れ…。
様々なリスクを背負っての監督交代だったはずです。
ジェフは毎年のように監督を変えているわけで、あの状況で我慢できずに監督交代をして、その効果が明確に出なかったとなれば、特に「周囲への信頼」は大きな問題になるかもしれない。
監督本人だけではなく、もし監督を紹介した人がいたら。
監督就任時に支援してくれた多くの関係者に対して。
そして、監督を支持する人たちに対して。
様々な人に泥を塗ることになるわけです。
それに対してジェフというクラブは、サポなども含めてあまりにも無頓着すぎるように感じる部分がある。
何度も監督を交代してきたクラブだからこそ、様々なリスクがあることを理解していなければいけないはずなのに。
「プロスポーツだから…」という話も聞きますが、プロだからこそ計画性のある運営をして信頼を得ることが重要で、スポーツだからこそ人とのつながりをもっと大事にしなければいけないはずだと私は思うのですが。
失敗すればマイナス面だけが残るわけですから、「監督を変えても根本的な問題は何も変わらなかった」では許されないはずです。
だからこそ、今季中のJ1昇格は本来やり遂げなければならない目標となるはずです。
しかし、関塚監督が就任してから4勝2敗7分。
引き分けが多いので負けていない印象もあるかもしれませんが、鈴木監督は7勝6敗6分で勝点はほとんど伸びていません。
けれども、幸いにも混戦でライバルチームも落ちてきたこともあって、順位は9位ですがプレーオフ県内の6位との勝点差もまだ「3」。
昇格の可能性はまだ残されています。
ただ、混戦の中にいると、順位を上げるのは簡単ではない。
1つ勝っても他チームが勝てば順位は上がりにくいし、逆に1試合で一気に順位が落ちる可能性もある。
勝点差以上に、難しい状況に立たされていると考えるべきかもしれません。
ライバルチームの動きも慌ただしく、大分は元名古屋のダニエルを補強。
早速結果を残し、これで一本チームに軸が出来るかもしれない。
磐田や札幌はここにきて監督を交代。
それぞれ結果を残しています。
他チームを見ても先月は良かったのに翌月は一気に調子を落としていたり、逆にここにきて勢いを伸ばしてきたチームがあったりと何とも慌ただしい状況になっています。
シーズン終盤までこういった展開が続くかもしれませんし、最終的には短期勝負になるのかもしれません。
その時に勢いを持って戦えるかどうか。
残り数試合、あるいはプレーオフに向けて、調子を上げていけるかどうかというのも、重要になってくる可能性もあるのでしょう。
そんな中、今週末ジェフは福岡と対戦。
福岡は8月は好調だったのに先月は調子を落としたチーム。
現在の福岡は非常に攻撃的ではまると怖いですけど、脆さが残る。
ここ数試合はその脆さの部分が出ている印象です。
外国人監督ということもあって、長身選手が多く長いボールを積極的に使うサッカー。
その分スピード面には課題がある印象なのですが、積極的に前に出てくるチームですので裏が狙われやすい印象です。
ジェフとしてはホーム・フクアリでの対戦ですし、岐阜戦前半のように裏が空くチームには非常に強いところがありますので、ぜひ勝ちたい相手ということになるのではないでしょうか。
福岡は現在11位でジェフとの勝点差は「2」。
ライバルチームの1つでもあるわけですから、しっかりと結果を残さなければいけない相手ということになります。
ここからは1戦1戦が勝負。
選手としても監督が交代したことによって、「何度目かの言い訳」を付けてもらえたのですから、意地を見せなければなりません。
残り8試合+プレーオフがあるかどうかはわかりませんが、ここにすべてを出し切ってほしいですね。
なお、西部謙司氏による『解けずに5年目の「ジェフ・パズル」。関塚隆はこの難問を解く鍵を持っているのか?』というジェフの現状を書かれたコラムがJ論に掲載されていますので、ご紹介しておきます。
個人的にはほぼ同意見ですね。、
当ブログを読んでいただいている方にはお分かりいただけるのではないかと思います。