熊谷市長「最後の最後で頑張れなかった」

 先週末の京都戦。
 千葉市熊谷市長がジェフを応援するため、わざわざ京都まで駆け付けていました。
 その後、Twitterでこのような感想を述べています。

最後のスローインでなぜ誰も詰められなかったのか。最後の最後で頑張れなかったですね。
反省すべきは反省し、次につなげましょう。皆さん、お疲れさまでした

 非常に的確なコメントだと思います。
 おっしゃられている通り、最後のスローインに後しっかりと誰かが相手に詰めていれば、後半ロスタイムの失点もなかったかもしれないし、同点にもならなかったかもしれない。
 逆に例え最後やられたのは同じだとしても、あそこで簡単にフリーにさせていなければまだ納得できたかもしれませんし、非常に悔いの残るシーンだったと思います。
 ライトなサッカーファンだとゴール前の出来事だけ見てしまうところがありますが、熊谷市長はしっかりクロスを上げているところに注目しているところが素晴らしいですね。
 まぁ、このあたりは誰か一緒に試合を見ていて、話を聞いていた可能性もあるのかもしれませんが。



 そして、何よりも「頑張れなかった」とはっきりと言っているところが、凄いところですね。
 なかなか試合後に選手に対して、「頑張れなかった」と言い切るのは勇気が要ることです。
 少なくとも選手たちは大なり小なり走って、ボールを蹴って、体力を使っているわけですから、それを否定したとも捉えかねなくなります。
 公の場でこのようなコメントを出すということは、賢い方ほどそれなりのリスクもありえると考えるのではないでしょうか。


 しかし、熊谷市長はそれをわかった上で、こういったつぶやきをしたのではないかと思います。
 日本人だと「頑張りは認める、けれどまだ(結果や能力が)足りない」という話になりがちです。
 けれども、これはプロのスポーツなわけですから、相手もこちらもそれなりに「頑張る」ことは当たり前のこと。
 そこから更にもう一歩足を出せるかどうか、あと少しのところを走れるかどうかが、プロにおいての「頑張り」と言えるのかもしれません。
 だから、「最後の最後で頑張れなかった」と。


 そう捉えた上で、京都戦の最後のシーンを考えると、明らかにジェフは頑張りきれなかった。
 後半ロスタイムの目安4分が過ぎたところでのスローインという集中力のキレやすいシュチュエーションで、完全に相手をフリーにしてしまった。
 頑張って誰かがあそこについていければ、ボールも簡単には出されなかったし、失点しなかったかもしれない。
 そこを頑張りきれるかどうかがプロであり、勝負の分かれ道でもある…と。
 的確な指摘だと思います。



 これまでもジェフに関して残念な試合などがあれば、隠さず素直に感想を述べていた熊谷市長。
 これが逆に当たり障りのないコメントばかりなら「興味がないのだろうな」と思えてしまうし、結果ばかりを追及するような厳しいコメントが続けば「あまりジェフのことを快く思っていないのかな」とも感じてしまうところだと思います。
 けれども、しっかりとスポーツとしてジェフの試合を見てくれている上に、さらに気になるところは指摘する。
 しかも、決して感情論ではなく、バランスを考えて冷静にコメントされている印象ですから、さすがですね。
 メディアの使い方が非常にうまい方です。


 もちろん政治家ですから、どこまでが本音どうかまではわかりません。
 裏ではもっと色々な事情があるのかもしれないし、ジェフに対しても思うところもあるかもしれません。
 それでもそう簡単にジェフを放り投げるようなことをするのは、市長の立場からしても得策ではないと思っているのだろうと感じます。
 そういった意味では安心できる部分がありますし、実際に 実際に絆会を設立しスポンサーを紹介してくれたという話もあります。


 できれば千葉市と連携してもっと街を盛り上げていきたいところではないかとも思うのですが、それは今のジェフの現状を考えるとなかなか難しいのかもしれません。
 熊谷市長が在任中に強いチームを作って結果を残して、さらに協力し合えるようになりたいところですね。