ジェフ対京都戦 元J1チーム同士の対決

 前回京都と対戦した6月14日の前日にも、似通っている部分があるという話をした京都。
 その直後に京都が監督を交代したわけですが、ほどなくしてジェフも監督交代。
 ますます同じような境遇にあるチームといった印象になりました。
 ちょうど現時点での成績もジェフが勝点43で7位、京都が勝点41で8位と並んでいる状況です。


 そんな京都とジェフが今週末に対戦します。
 京都も川勝監督になって、またサッカーが変わった印象があります。
 基本的には4-5-1なのでしょうがウイングが開いた4-3-3にも見えるシステムで、中盤のテクニカルな選手がパスをつなぎながら、サイドのタッチライン際を攻略する攻撃のパターン。
 サイドで細かくつないでいってSBを押し出したり、斜め前へのロングボールでウイングに展開したり。
 斜め前方への大きな展開というのは、川勝監督が東京V時代にも好んでやっていた印象で、川勝監督の色が出ている部分ではないかと思います。
 そして、サイドからセンターの大黒に、クロスを仕掛けると。
 特に石櫃から大黒のラインは、対戦相手にとって厄介な存在となっているのではないでしょうか。


 ポゼッション思考な面は大きく変わりませんが、大木監督の頃のようにショートパスにこだわる感じではなく、比較的シンプルになった印象です。
 守備に関しては前への意識も強く、ボランチが縦関係になって中盤の「4」をつくって、高い位置でプレスをかける傾向もあるのかなと。
 ただし、DFラインもMFラインも裏への対応に課題が見られる面は変わらず、そこがなかなか成績を安定させられていない要因なのではないかといった印象をうけます。



 ジェフは関塚監督になってからも、相手チームが警戒してくることもあって、ボールを持つ時間が長い試合の方が多いと思います。
 前節のように先に先制した試合などでは別ですが、普段の試合では相手にボールを持たされる時間も多く、結果的にポゼッション率は低くない印象です。
 前回の京都戦でもジェフがボールを支配していましたが、現状は以前ほどのパスワークを作れておらず、今回の試合ではそうはならないかもしれません。


 京都は攻守に前への意識が強い、ポゼッション型のチームと言えるでしょう。
 以前はジェフもそうだったはずですが、今はカウンター色が強いチームになりました。
 一方で京都は監督交代なども経過して、大木監督時代のパスワークを土台とした攻撃的なサッカーになっている印象で。
 結果的にテクニックとポゼッションを前に押し出した、J2では数少ないチームになっていると言えるのかもしれません。



 そうなってくると、ジェフとしてはこれまでの試合とはまた違う状況になるのかもしれません。
 相手にボールを持たれる可能性も想定されますから、まずはしっかり守備から入ることが重要になってくるのではないでしょうか。
 前節でもみられたように、マンマーク主体で守っているため相手が1トップ2シャドーの場合、DFラインの4枚が中央に寄せられ、ウイングバックへの対応に穴が出来ていたジェフ。
 しかし、京都も3トップ気味にも見えるとはいえ、基本的にウイングは大きく開く傾向にあるので、中央にDFラインを引きつけられることはないかもしれません。
 けれども、中央ではななく、今度は大外にSBなどが釣り出される可能性もある。
 その時に、中のバランスをうまく保てるかどうかが、気になるところではないでしょうか。
 また、前節のように2トップで行く場合は、相手CBとボランチをどう抑えるかもはっきりとさせたいところです。


 一方で攻撃においては、関塚監督になって裏を取る意識が非常に強くなっています。
 京都は前に出てくるチームですので、その点においてはチャンスが出てくるかもしれません。
 関塚監督就任当初は裏狙いの攻撃が機能していましたが、相手チームに警戒されてからはなかなか裏のスペースを取れなくなったこともあって、成績も下降傾向にあります。
 けれども、京都戦では裏のスペースはあるかもしれませんから、今回はジェフがそこをうまく使えるかどうかが重要になってくるのかもしれません。
 また、サイドにおいてどちらが主導権を握れるかも注目だと思います。



 昨日紹介した記事でも、元J1チームとして両者の名前が出ていました。
 それぞれ実績あるベテラン選手も少なくないですし、今季はこれまでお互いバタバタしていますが、ぜひ試合の方ではプライドも見せてほしいところ。
 結果ももちろん重要ですが、質の高い試合を演じてほしいですね。