兵働「このままズルズル行ったらほんとに(J1に)上がれないので」

 本日は天皇杯3回戦ジェフ対柏戦が行われますが、今日までは熊本戦のお話。
 なお、柏戦は今日中にチェックできない可能性がありますので、明日の更新はお休みとさせていただきます。


 上記はジェフ公式サイトでのコメント
 私もこのままズルズルといってしまう心配はあるように感じますが、選手も状況が悪くなってきているという認識はあるようなので、そこは逆に1つ安心できるところではないかなとも思います。
 実際、選手たちのコメントを見ても監督交代当初は対戦相手にも恵まれて結果が出ていたこともあって前向きになってはいましたが、徐々に伸び悩んできて現実を認識しつつあるように感じます。
 シンプルなサッカーを実施する関塚監督だからこそ、最初は解放感もあって良い雰囲気になるけれども、そこからチームを成長させられるかが重要なのでしょう。
 磐田でも最初は良かったといろいろなところで言われていましたし、ここからが大事になってきますね。



 兵働は「攻撃の工夫をしないと」という話もしています。
 現在はシンプルにボランチから長いボールをFWにめがけて蹴る、あるいはクロスからチャンスを作るといった攻撃がベースとなる狙いになっているように思います。
 しかし、ボランチからのボールもクロスからの展開も基本的には、中長距離のボールによるチャンスメイク。
 遠距離攻撃画面でなかなか接近戦を仕掛けられないといった印象で、その結果相手に読まれやすい攻撃になっている印象です。


 「攻撃の工夫」をしていくためにはサイド攻撃だけでは限界があるでしょうし、もっと中を崩す、相手のバイタルエリアを狙うといった攻撃を作りたいところではありますが、ポストからの形などが見えてこない。
 そこでどうしてもトップ下が欲しくなるため、熊本戦ではスタメンで1トップ+トップ下、途中からは変則的な2トップ+トップ下というフォーメーションを試したのかもしれません。
 けれども、トップ下の選手だけに頼って中央攻撃を作るというのも難しいはずで。
 2ボランチを採用しているチームが多く、あのエリアはどうしても圧力の厳しいところなわけですから、複数人が絡む攻撃を作りたいところです。
 それがポストからの展開だったり、相手の間を狙う動きだったりというところなはずで、それが出来てくるかどうか…というのが、このチームにおける今後の注目点になるのかもしれません。


 ここまでの流れからすると、「攻撃の工夫」においては谷澤のコンディションというのがすごく重要になってくるところではありますが、もともと好不調の波が激しい谷澤ですからなかなかチームの軸として考えるには厳しいところもあるでしょう。
 そういった部分を考えると、どうにかして中央で連動性を持った攻撃の形を作りたいところではないかと思うわけですが…。



 もう1つ心配なのが、ビルドアップでしょう。
 これも兵働に頼っていた面が大きく、兵働のコンディションが下降気味に見えるここ2試合は、うまくパスを回せていない印象がります。
 意図があってのパスミスならば仕方ないとは思うのですが、熊本戦を思い返してもパスの出し所に迷った末に、相手にパス先を読まれて奪われるというシーンが多かった。
 相手に読まれてボールを奪われるということは、相手にとって攻撃の次の一手を開始しやすい状況になりますから、そのままハーフカウンターに持ち込まれることが多い。
 実際、低い位置でボールを奪われて、そこからピンチになることが多かったと思います。


 また、兵働などのコンディション問題だけでなく、早くも相手の研究が進んでいるとも言えるのでしょう。
 遅攻状態だと以前のようにCBから前線へ楔のパスを出す展開はなくなり、基本的にボランチに預けて任せることが多くなりました。
 それによって、相手チームとしてはともかくCBからボランチへのパスコースを消せばいいというシンプルな約束事で、ビルドアップのスタートを遮断できると。
 これで中央からの展開はなくなり、あとはサイドのスペースを空けず、サイド攻撃をタッチライン際に追いやる守備をすることで、攻撃の目をなくせばいい…というのが、少なくとも熊本がやってきたジェフ対策なのかなと思います。
 加えて、シンプルに長いボールを相手の裏に出すボールが有効に使えていればいいのでしょうが、それも相手に警戒され始めて簡単に裏が取れなくなったというのもすごく大きな部分だと思います。



 兵働は「攻撃の工夫」という話をしていますが、この「攻撃」というのはアタッキングサードだけの問題ではなく、ビルドアップも含めて改善しなければいけないということを考えているのかもしれません。
 そうなってくると状況はより複雑にも感じてしまいますが、熊本戦でもまだツキはあるように思いますし、流れが変わらないうちに打開策を見出したいところではないでしょうか。


 まずは本日の柏戦ですが、疲労感のあるベテラン組は休ませるべきではないかなと私は思います。
 特に谷澤、兵働、智あたりは、変えの効かない状況になっていますしね。
 谷澤と兵働は元柏ですし出場したい気持ちも強いかもしれませんが、今は賢く戦っていく必要性があると思います。