得点を奪いきれずスコアレスドロー
台風の影響も懸念された週末。
実際にJ1の広島対鳥栖戦やJFLの試合などは開催中止となりましたが、ジェフ対横浜FC戦は無事フクアリで行われました。
開催中止となると、後のスケジュールが過密になりますし、問題なく実施できてよかったですね。
■序盤は横浜FC、序盤以降はジェフペース
ジェフはやはり森本とケンペスの2トップに戻してきました。
3ボランチはあくまで湘南対策であり、基本ベースはこの日の形なのでしょう。
ベンチには、森本と入れ替わる形で山中が。
竹内に代わって佐藤祥が入りました。
立ち上がりは横浜FCペース。
シンプルなプレスとショートパスから、リズムを作っていきます。
ジェフはなかなかそのパスワークを、抑えきれませんでした。
前半2分には横浜FCが左サイドを縦に抜け出してクロス。
横浜FCの選手が中央に4人もいる中での危ないシーンでした。
その一分後にも左サイドから中央にパスを回されて、ポストプレーの落としからミドルシュートとジェフが攻めたてられます。
その後も横浜FCが攻め込む時間が続きますが、前半8分。
中村が引く位置から裏へのパス。
これをケンペスがキープして森本がシュートを放ちますが、GKにセーブされます。
前半18分には、横浜FCのセットプレー。
中央で反転されて、狭い位置からシュートを打たれるも枠外。
前半21分。
井出が右サイドでボールを持つと、大岩がオーバーラップしてクロス。
森本のヘディングシュートが流れたボールを、今度はケンペスが狙いますが、どちらも決まらず。
前半27分には中村からの長いアーリークロスをケンペスが頭で狙います。
試合序盤は攻め込まれていたジェフですが、横浜の勢いが落ち着き徐々にジェフペースになっていきます。
ジェフは最終ラインでパスを回して、サイドから攻撃を作っていく展開。
4-4-2のフォーメーションで、左サイドではFWや谷澤が中村をサポートする形で。
右サイドでは井出が外から中に入って行く形で、大岩の前を空けていました。
等間隔でピッチ全体を守る意識の強い横浜FCは、大外のマークをフリーにしがちで、サイドの守備に課題が見られました。
けれども、前半30分には横浜FCの攻撃。
野崎がバイタルエリアを横で持ち込み、ほぼフリーでミドルシュート。
GK正面でしたが危ないシーンでした。
前半41分には横浜FCが左サイドでパスをつないで行って、ペナルティエリア内でミドルシュート。
ジェフの右サイドを狙われていたところがあるんでしょうか。
■選手交代もうまくいかず
横浜FCの戦い方は、のらりくらりといった感じ。
中盤でのアプローチも遅れることが多いし、積極的なプレスなども少ない。
けれども、タイミングを見計らってジェフの選手がシュートを打つ、パスを出すといった瞬間を狙って奪いにきたり、得点チャンスと見ればドリブルで仕掛けたりと、切り替えがはっきりしている印象。
ベテラン選手が多いからと言うのもあるのかもしれませんが、よく言えば落ち着きを感じるサッカーなのかもしれません。
その結果、前半途中からはジェフがボールを持って押し込んでいたものの、決定機まではなかなか作れませんでした。
しかし、後半に入ってからは、その大事な局面での球際の強さが見られなくなってしまいました。
相手にボールを持たせるだけでなく、そのままズルズルと後方に下がってしまった。
運動量も落ちて何とかカウンターで一矢報いようという展開ですが、完全にジェフペースだったと思います。
この日も湿度は高かったですし、体力的に厳しかったのかもしれません。
それでも後半22分には、横浜FCの攻撃。
横浜FCが中盤からヘディングで大きくクリアしたボールを頭でつながれると、思い切ったミドルシュートはポスト直撃。
中央で拾われますが、何とか智がカバーリング。
後半24分、谷澤が左サイドでボールを奪われると、グランだーのクロス。
シンプルにポストプレーで叩かれて、ミドルシュート。
決定的な流れだったと思います。
その直後にはジェフ右サイドからのCK。
兵働の蹴ったキックをケンペスがヘディングで合わせますが、GK南がセーブ。
ジェフとしては押し込む時間帯が続きましたが、後半32分。
井出を負傷で交代し、大塚を投入しました。
大塚は攻撃時、2トップの後ろに控えるトップ下のような位置取り。
谷澤を右ボランチのようなポジションにして、4-3-3にしました。
守備時は大塚が左、谷澤が右に位置して、4-4-2に戻る変則的な形だったでしょうか。
しかし、これによって攻撃時は中央に選手がより過ぎ、今までリズムを作っていたサイド攻撃が出来ない形に。
加えて大塚のタスクが曖昧な上、大きな展開やミドルシュートを狙うボランチの前にトップ下を置いたことで、ボランチからの攻撃も作れなくなってしまいました。
守備もサイドの守備で遅れがちに。
ジェフの攻撃もうまくいかず、相手もそこまでの勢いを感じず試合は停滞状態に。
ジェフは残り5分と言ったところで、大岩をCBにおいて3バックにしていきました。
そして、ロスタイムには大岩に変えて山中を投入。
中村を左CBに起用しました。
しかし、これによって状況が大きく変わることはなかったと思います。
後半43分、横浜FCは右サイドからのクロスをヘディングで合わせるも決まらず。
後半45分には横浜FCがFKからドウグラスがヘディングシュートも枠外。
ロスタイムには谷澤が自分で持ち込み、シュートを放つもバー直撃で得点ならず。
スコアレスドローで試合終了となりました。
■得点を奪いきれず
前半序盤からと後半途中に井出が交代するまでは、概ねジェフペースだったように思います
前半序盤までは相手のくさびのパスがどんどんと入れられて、そこから流れを相手に掴まれてしまいました。
現時点でのジェフの守備は基本バランス重視で待ちのスタイル。
無理にボールを奪いにはいかずに、ポジションを大事にして縦にボールが出たところで潰しに行く。
しかし、縦にボールが出たところを潰すといっても、本当に待っているだけでは1歩も2歩も出足が遅れてしまう。
先日も話した通り、FW2人は相手ボランチエリアを、SHは引きながら前に出ていくなどして、相手のパスワークを追いやり、ボランチなど後方の選手はパスコースを消すポジショニングが非常に大事なってくる。
そこから縦パスが出た時に、対面の選手が潰しに行けて、なおかつ近くに選手がいるポジショニングをしなければいけない。
ようするに、ピッチ全体で選手たちが近い距離を保つ必要があると。
けれども、このポジショニングがうまくできない場合。
あるいは、うまくポジショニングする前にパスを出されてしまう場合などには、パスコースを複数作られて、ジェフの選手が予測できず、多くの縦パスが入れられてしまう。
それがこの試合序盤の時間帯であり、これは湘南戦でも見られた光景でした。
湘南は特にパスワークのレベルが高かったですから、簡単に縦パスを通するとこまで作られてしまいましたね。
あの試合ではウェリントンが不調で、ポストプレーをミスし続けてくれたので助かりましたが…。
また、井出が交代してからは、フォーメーションの変更によって流れが悪くなった印象です。
シンプルなサイドアタックではありましたが、SBにSHやFW等が絡んで大外を取る展開。
横浜FCはスライドが遅く、大外への対応できていなかった。
けれども、4-3-3にして中央が厚くなったことによって、そのサイド攻撃が失われてしまった。
相手が4-1-4-1にしたことによって、中が手薄になったと見たのか。
あるいはサイド攻撃だけでは得点が生まれないと焦れてしまったのかはわかりませんが、大塚をトップ下の位置におくも中央攻撃はこれまでもカウンター以外うまくいっておらず、具体的に大塚を使う形が見えずに終わりました。
結局、中も外もうまくいかなかなかったために、攻撃が停滞状態に陥ってしまったと。
3バックにしたのはその状況を改善するためと、変則的なシステムによる守備での弊害をなくすことが狙いだったのではないでしょうか。
3バックにすることでウイングバックを前に押し出し、中と外のバランスを改善しようと。
しかし、目立った効果は感じませんでしたし、時間も短かったのであれだけでは何とも言えませんね。
関塚監督は結構動きたがる監督なんですかね…。
試合全体に関しては疑問点もあったものの、何度かあったチャンスを決めきれなかったことが大きかったのではないでしょうか。
先日もセットプレーからの得点が多いことを不安視する話をしましたが、この試合でもシュート本数ほどのチャンスは感じませんでした。
もちろん谷澤のシュートなど惜しいシーンもありましたが、チャンスの数で言えば相手とそこまで変わらなかったのではないでしょうか。
しかし、横浜FCも思ったより動けておらずサイドへの守備など課題にも感じましたし、ジェフとしては勝ちたい試合内容だったのではないかと思います。
もちろん負けなかったことは1つの収穫ではあるわけですけど、システム変更なども含めてどこかバタバタとした試合になってしまったかなといった印象でした。