出場停止明けの谷澤、キムが活躍
夏場の連戦らしい試合といった感じでしょうか。
かなり重いというか、停滞気味な展開になってしまいました。
この日は気温はそこまでではないにしても蒸し暑く、湿度の高い中での試合でした。
特に前半の山形の出来は酷かったですね。
ジェフも決して全体的には良い出来ではなかったと思うのですけど、しっかりと勝ち星を拾った試合となりました。
■CKからキムがヘディングでゴール
ジェフは出場停止明けの谷澤、キムがスタメンに復帰。
大塚、竹内がベンチに戻り、ナムが新たにベンチ入り。
田代、佐藤祥、町田がベンチ入りメンバーから外れました。
ジェフはやはり谷澤が左に入って、山中が中央でプレーしていました。
山形は中盤でプレッシャーをかけて、ハーフカウンターを狙う展開。
しかし、山形の選手たちは動きが重く、ラインも低くなりがちで、中央が空きがちになっていた印象でした。
プレスからのカウンターを狙うサッカーで、選手たちが動けないというのはかなり厳しいですね。
前半13分、ジェフ右サイドからのCKからキムがヘディングでゴール。
ファーでキムが合わせた展開でしたが、キムのマークが甘くほぼフリーでシュートが放てました。
このチャンスをキムがしっかりものにした先制ゴール。
これまでにもキムを狙ったセットプレーは多かったですけど、久々に決まりましたね。
その後、試合は停滞状態。
山形がボールを保持する時間帯が長くなりますが、前に持ち込む際の勢いがなく、攻撃を加速できない。
攻守において一歩目が非常に遅く、前半から大きな疲労感を感じるような出来でした。
やはりこの連戦とアウェーゲームというのは、大きな影響があるということでしょうか。
しかし、ジェフも1点取ったこともあってか、攻撃に怖さがなくなります。
サイドでパスをつなぐもミスをすることが多く、両チームともに攻撃の形を作れない時間帯が続きます。
前半28分。
左サイドでパスをつないでいき、森本が中村とのワンツーで抜け出して、そのままシュート。
ポスト直撃の惜しいシーンとなりました。
これが久しぶりの大きな動きとなったのではないでしょうか。
しかし、前半32分、今度は山形の攻撃。
ポストプレーからの展開で、比嘉が右サイドを抜け出しセンタリング。
こぼれたところを松本が拾って、ミドルシュート。
それ以降は逆にジェフの中盤の守備に穴ができ始めて、山形がゴール前までボールを持ち込む回数も増えていきました。
■山形の攻撃をしのいで追加点
前半途中からの山形の攻撃をしのぐと、後半立ち上がりはジェフペース。
先制点をあげてから勢いの落ち着いていたジェフですが、後半に入ってもう1点取りに行こうという意志があったのでしょうか。
対する山形はジェフの勢いに押されたのか、意図的なのか、MFラインのポジショニングが低くなり、ボールを奪いに行かなくなりました。
前半あまりにも動けなかったので、無理をせずにジェフにボールを持たせてカウンターを狙おうという意図だったのかもしれません。
この結果、ジェフはボランチからくさびのパスがどんどん入るようになりますが、そこから崩す形が作れずにいました。
後半12分、山形は中島に変えてロメロ・フランクを投入。
直後にはそのロメロが中盤でボールを奪い、カウンター。
ディエゴがタメたところからパスをつなぎ、最後は宮坂がミドルシュート。
後半18分にはロメロが反転してボールを持ち込み、中央の秋葉にパス。
秋葉のシュートは岡本がセーブしますが、決定的な場面でした。
山形がロメロのキープ力で、攻撃の形を作るようになっていきます。
ロメロを投入した時間帯から、試合は山形ペースに。
ジェフは守ってカウンターを狙う展開が、増えていきます。
後半23分、ジェフは健太郎に変えて勇人を投入。
ロメロにやられていた中盤の守備を、改善しようということでしょうか。
続いて後半27分には山中に変えて大塚を起用。
後半30分、カウンターからその大塚が森本にスルーパス。
森本は相手DFラインを抜け出しますが、切り替えしてシュートを放ちゴールならず。
しかし、それ以外の場面では、ジェフが押し込まれる時間帯が続きます。
山形は前半にはなかった山形らしいサイドから積極的にセンタリングを上げていく展開が見られるようになっていきましたが、そのセンタリングの質がもう1つといった感じでした。
ジェフはセンタリングの質に助けられた感もありましたが、サイド攻撃に関してはやらせて中央を固めて跳ね返そうという意図であったのかもしれません。
ジェフが何とかゴール前で山形の攻撃をしのぐ展開が続くと、後半ロスタイム。
谷澤が中盤でボールを奪うと、そのままゴール前まで持ち込みシュート。
シュートがポストに跳ね返ったたところを、大塚が拾ってゴール。
最後は選手が怪我で一人動けなくなっていた山形。
それもあって気持ちが切れてしまいましたかね。
これがトドメとなり、ジェフの勝利と言うことになりました。
■コンディション面で相手を上回るジェフ
山形からすれば前半は本当にひどい出来だったので、後半よく立て直したとも言えるのでしょうか。
前半途中まではジェフの守備も粘り強く戦えていたと思うのですが、前半終盤には中盤に穴もありスペースも出来ていたと思いますし。
山形は「その穴を選手が取れない」というのならまだしも、フリーの選手が出来てもパスが出せない、見えていない状況だった印象ですしたので、身体的にだけでなく頭もまわっていないような状況だったように思います。
さすがにあの出来は前半セーブしたというレベルではなかったと思いますし、単純に良くない出来だったと言えるのではないでしょうか。
そのチーム相手に1点しか取れていなかったので、嫌な流れになる可能性も感じたのですが、何とか凌いだ試合でした。
後半巻き返したとはいえ山形も攻撃に勢いがなく、そこに助けられた面も大きかったと思います。
ロメロとディエゴの個人技以外は、アイディアもキレもなかったですしね。
ジェフが取りこぼさなかったのは、コンディションの面の差が非常に大きかったと思います。
谷澤が試合前に「ウチは夏場のほうがいいのかもしれない」といっており、実際ジェフの選手たちはかなり動けている状況だと思いますし、去年もこの時期には結果を残していました。
谷澤、キムといった出場停止明けの選手が活躍できたというのも、偶然ではないのではないかと思います。
1試合分休めたために、周りの選手よりもコンディションが良く動けていた印象で。
谷澤は仕掛けの面で大きく貢献し、最後のゴールでも貢献。
キムはCKからのゴールだけでなく、守備でもしっかりと跳ね返していました。
後半悪い流れの時には自らボールを持ち込んで時間を作るなど、賢いプレーも見せてくれましたね。
森本のワンツーでの抜け出し場面など良い攻撃もあったもののその回数は少なく、試合全体で言えばジェフもあまり良い出来ではなかったと思います。
パスワークにおいても悩む時間帯が多くなっている分、悩んでいる間にプレスバックからボールを奪われるシーンがすごく増えている印象で。
もちろん相手中盤の守備が甘い時はそれなりに回せますけど、そうではない時に厳しくなるというのは前節にも見られたところです。
それに加えて、守備では相手に押し込まれ、ゴール前で跳ね返すシーンが非常に増えている。
これをどう見るかが、評価の分かれ道ではないかと思います。
前にボールを奪いに行かない分、一発で裏を取られるリスクは少ないかもしれない。
けれども、ゴール前で跳ね返す守備だと相手のプレーの出来に左右される部分が大きくなるでしょうし、事故的な失点が発生する恐れも増える。
個人的にはあまりよい態勢での守備ではないと思うのですが、これまでのサッカーを見ても関塚監督は基本的にあれで跳ね返そうという狙いなのかもしれません。
連戦ですから、内容に関してあまり指摘するよりも、結果を残したことが大事と見ることもできるのかもしれません。
とはいえ、連戦ではありますけど、ジェフの選手たちの動きはそこまで悪くなかったと思いますから、そこは大きな問題とは言えないようにも思います。
逆に言えばコンディション面が現在のジェフにおける一番の勝因ではないかと思いますから、このままどれだけ維持できるかが非常に重要になってくるかもしれません。