「先手を取って」得点を奪い、関塚監督にバトンをつなげられるか

 関塚監督就任内定は発表となりましたが、8日から正式就任ということですので、今週末の大分戦までは斎藤代行監督が指揮を取ることになります。
 しかし、次期監督が決まったことで、斎藤代行監督の意味というものも明確にはなってきますね。


 斎藤代行監督は「先手を取る」という意識を、新たに選手に植え付けようとしているようです。
 これは単純に裏を取るというだけでなく、相手より一歩速く動こうという意図でやっているのではないでしょうか。
 個人的には関塚監督は川崎からカウンターの意識が強い監督であり、それと「先手を取る」という意識付けは完全にイコールではないと思います。
 とはいえ、先日も話した通り監督が変わった松本戦では、前への意識が強まったことにより選手の距離感が広がって、細かなパスワークよりも長めのボールで縦へという動きは増えていたように思います。
 それによって、斎藤代行監督が鈴木監督と関塚監督の間を取るような形になる可能性はあるのかもしれません。



 川崎時代はロングカウンター重視といった印象が強い関塚監督ですが、現在のサッカーではなかなかロングカウンターというのは機能しないような印象をうけます。
 これはW杯を見ても感じるところで、長い距離を走ってのカウンターは勢いを感じる部分もあるけれど、結局潰されることが多い印象。
 結局パスをつなぐサッカーか、ショートカウンターということになるのかなと思います。


 まぁ、J2でもロングカウンターよりも前の方で引っ掛けて(あるいは相手のミスを誘って)のショートカウンターの方が多いし、それが主流ということになるようにも思います。
 五輪時代の関塚監督はショートカウンターを狙いつつも、大津や永井が長い距離を走っていたことも多い印象ですが、果たして。
 それだけのスピードとロングスプリントが出来る選手がいればいいのでしょうけど、今のジェフにはそういったタイプの選手はいないようにも思いますし。



 話は戻って大分戦。
 「先手を取る」ことや「前を取る」ことに関しては、前節途中出場した森本や田中に期待が高まるように思います。
 北九州戦後にも少し話しましたが、ケンペスは前への動き出しがなく、その場でボールを待つことが多い。
 ボールを呼び込む動きが少ないために、クロッサーやパサーが出し所に困ることが多くなるし、相手守備網をかき回すことも出来ない。
 そこがケンペスの大きな課題であり、チーム全体の攻撃が詰まったように見える大きな要因の1つだと思います。


 その点ではやはり森本に可能性を感じたのですが、何度も言うとおり点が取れないというのが大きな課題で。
 昨年ほどボールを持って下を向いてしまい、スピードが落ちるといった動きはなくなった印象もありますが、それでもゴール前においての何かしらの強さが足りない印象で。
 海外だと日本人のアジリティの部分は強みになるのかもしれませんが、日本だとそうはいかないということでしょうか。
 関塚監督になってサッカーが変われば森本の起用などもあるかもしれませんが、最終的な悩みは同じところにぶつかる可能性もあるかもしれませんね。
 まぁ、W杯を見ても攻撃における最後の部分は、個々の能力で決まる印象も強いですし。



 大分は前節群馬と対戦。
 群馬の青木孝太が先制ゴールをあげ、大分の伊藤大介がPKで同点ゴールを決めるも、後半に入ってから再び大分が失点し、1-2で敗れています。
 元ジェフの2人が活躍した試合でした。


 大分は現在8位ですが、ここ3試合は苦戦。
 栃木に0-4で敗戦、愛媛に2-2で引き分け、群馬に1-2で敗戦…と、特に守備面において苦労している印象です。
 実際、4バックが迷いながら守っているところも感じ、局面で自信を持って強く行けていないところがあるのかなと思います。


 一方攻撃においてはポストプレーからの展開を狙いつつ、サイドでトライアングルを作りパスをつないでいくシンプルな展開だと思います。
 ジェフは斉藤代行監督になって、SHが前に出ていくプレーが増えた印象でした。
 先に失点したからというだけでなく、キックオフの時点でかなり前目に出ていく印象があって、サイドの裏への守備には不安を感じさせました。
 今季の鈴木監督はSHを後方サイド寄りにポジショニングした4×4のボックスにして守備を修正した経緯があるだけに、大分戦ではサイドの守備がどのようになるかも1つの見どころではないでしょうか。



 とはいえ、まずは攻撃面。
 ジェフはここ2試合、攻めてはいるのだけれど得点を奪いきれず、2連敗。
 今週末の試合では、しっかりと点をとって結果を残し、関塚監督にバトンをつなぎたいところだと思います。