突然の鈴木淳監督解任劇

 何も言えないというか、何を書けばいいやら…といった感じです。
 あまりにも唐突で、実感もわきませんが、とりあえず現状整理だけでも。



 まずは、なぜこの時期なのか。
 冷静に考えると、たしかに今年の成績は芳しくなかった。
 現時点(19節終了時点)で7勝6敗6分、勝点は27、順位は12位。
 物足りない数字とは言えるでしょう。


 とはいえ、5月は負けなし。
 シーズン序盤の苦しみを脱し、ここから勝点を伸ばしていこうという状況だったはずです。
 また今年は中盤チームが混戦だからこそ、この順位とも言えると思います。
 実際、昨年も19節終了時点で7勝4敗8分、勝点は29で、自動昇格圏内との勝点差は9。
 現時点では自動昇格圏との勝点差は10ですから、大きく昨年から差が開いているわけではありません。


 もちろん「監督2年目で昇格できなかった昨年と大きく変わらない」という評価も出来るわけですが、逆に言うとまだ昇格の可能性も十分残されている。
 充分な可能性がある中で監督を解任させることの重大性を、クラブはしっかりと把握できているのか。
 ましてや、連敗などを喫したわけではなく、前節こそ僅差で敗れたものの前々節は勝利しており、ホームでは4連勝中という状況でした。
 試合内容を見ても決してひどいものではなかったはずで、試合内容という点においては少なくともチームが崩壊していたようには私には見えませんでした。



 これが湘南に大敗し、富山、讃岐に引き分けていた時期ならわかります。
 実際、私もあの時は解任されてもやむなしか…とすら思ってしまいましたし、限界も感じた部分があります。
 限界といっても監督の問題ではなく、選手のレベルの差、チームではなくクラブとしての継続性の差などを感じたわけですが、それでも精神的なショックは大きいものでしたし、選手に逃げ場を与えるためにも監督に責任を取ってもらうという手立てをとる可能性はあるのかなと。
 もちろん、そんな選手に甘えを与えるようなやり方私は賛同はできませんが、あくまでも可能性として想定できない状況ではないかと感じる部分がありました。


 けれども、今はそうではなかったはずで。
 むしろあのどん底の状態からチームを立ち直らせたことの方が、個人的には驚きすら感じましたし、鈴木監督の手腕を1つ見せたといっても過言ではなかったと思います。
 延命措置とも思われた4-4-2はむしろ攻守のバランスを整え、中村という武器を明確にした。
 そして、キム、大塚、井出といった若手も台頭させることに成功した。
 その選手たちが勢いに乗ってくれれば…というところだったはずなのですが。




 もう1つ、疑問というか、心配なのは選手たちへのショックです。
 チームの雰囲気が悪い状況だったなら、監督交代によるカンフル剤もありえるでしょう。
 実際、全く勝てなかったクゼ監督の時などはそういった効果もあったと思いますが、そう毎回成功するわけではない。


 むしろ前々節京都戦に3-0で勝利した後「雰囲気が良い」とキムは話していましたし、選手たちは下を向いていたわけではなかった。
 本来火曜日のブログで使おうと思っていた井出のコメントを見ても、監督やチームのやり方への問題ではなく、自分の課題を自覚した上で頑張ろうと感じる前向きなものでした。

井出遥也「最後まで行けているシーンはあったので、最後のパス、質のところを自分としてはもっと上げていかないといけない。この1週間で突き詰めて、しとめるところでしとめないとカウンターのチームにはやられてしまう。あそこまで押し込んで決めきるというところが課題だと思います。攻撃の自分たちがしっかりやっていきたいと思います」(J's GOAL

 最後のところまで行けているのに、得点が奪えないのは監督ではなく選手の問題が大きいだろうと。
 けれども、井出もそれをわかっていて頑張ろうとしているのだから、頼もしいし応援したい…という話をしようとしていたところでした。


 しかし、そのタイミングでの監督交代。
 このような前向きな選手の気持ちを、潰してしまうことにならないか。
 「監督をころころ変えるジェフ」という汚名は、サポーターなどだけではなく選手たちも把握しているはずで。
 チーム云々だけでなく、クラブへの信頼問題にもつながるかもしれない。



 そして、最後に、そもそも今年の目標はなんだったのか?という話に。
 確かに昇格が望ましいのは、クラブ関係者の誰しもが思うところ。
 しかし、サポコミでは例年のように社長・TDともに昇格を約束することなく、チームの作り直しについて話していました。


 1年での昇格をめざし、即戦力のベテランばかり補強すも、1年での昇格に失敗。
 翌年以降ベテランはどうしても衰えが来るも、また1年での昇格を目指して新たなベテランを補強し…という負のスパイラル。
 それを変える意志をサポコミでは薄らと感じたのですが(実際ベテランの補強には反対である旨を斉藤TDは話していた)、あの話はどうなってしまったのか。
 今回のリリースには「現状の成績では不十分」と社長のコメントが出ているわけですが…。



 こうなってくるともう、今後も何もわからなくなってきますね。
 結局昇格のために次の監督を探すのか。
 それとも、継続性・作り直しを掲げて日本人監督を探すのか。


 額面通りうけとれば成績不十分。
 確かに今期これまで良い成績とはいえなかったでしょうけど、ここで欧州の監督などを招聘すれば、それこそ継続性もチームの作り直しも無に返る可能性がある。
 これまでの若手選手たちかクラブの監督交代に振り回されたように、大塚、キム、井出、大岩などが出場機会を失う可能性もあるかもしれないわけですしね。
 もちろんうまくいく部分もあるかもしれませんが、監督交代でチーム作りがリセットされる部分は当然出てくるでしょう。



 …今回、リリースでは社長のコメントしか出ていません。
 ということは、社長主導の交代だったのか。
 あるいは親会社からのプレッシャーがあったのか。


 毎年のように薄らと聞こえてくる親会社からのプレッシャー。
 今季は監督2年目だったうえ、成績も若干下降、加えて観客動員の減少やサポーターによる開幕戦居残りなどもありました。
 サポーターからあまり評判が良くなかったことは、親会社の耳にも伝わっているでしょうし、そこの影響も多少あったかもしれない。


 しかし、クラブにはできれば鈴木監督を守っていただきたかった。
 また親会社がもしそのよう話をしたのであれば、もっとお金を出していただきたかった…(笑)
 確かにJ2では予算規模のあるクラブとはいえ、例えばFC東京G大阪などに比べれば予算があるわけではないわけで。
 逆にもしJ2を圧倒するような予算が出せないのであれば、黙っていてほしかったところです。
 実際今季の補強も決して満足なものが出来たわけではないのですし、それが現在の成績にも大きな影響を与えているはずです。


 まぁ、実際に今回親会社からのプレッシャーがあったかどうかまでは、わからないのですけど。
(とはいえ、オシム監督に「勝ってください」といったり、関塚監督との交渉に悪影響を与えてきたように、様々な前科があるのは事実といっていいしょう。)
 けれども、それくらいしか、考えようのない状況だったように私は思います。



 なんとなく、アマル監督後の崩壊すらも思い出してしまいます。
 あの時も前任の監督に人気があって、サポーターの批判を追い風にして、監督を変えたくて仕方がないクラブが解任したような流れでした。
 けれども、実際には選手たちの中でアマル監督支持派は多く、多くの主力選手が流出し、そして数年後にジェフは2部降格となりました。
 しかし、今回はシーズン中。
 選手はチームを退団できるわけもなく、クラブに振り回されたまま、戦い続けるしかないということなのでしょうか…?


 まぁ、実際にはわからないことばかりで憶測も多く含みます。
 ぜひともこうなった経緯を明らかにしてほしいところですが、それもこれまでのクラブの過去を考えると望むだけ無駄ということなのでしょう。



 ここから奇跡的にうまくいく可能性はあるかもしれない。
 斎藤TDは三菱養和での監督としての評価も高い方ですし、次期監督に大物監督を呼べた上で、それがピタリとはまる可能性もあるかもしれない。
 けれども、それは賭け事のようなものであり、毎年のように当たらないくじを買うのは、個人的にはもうこりごり。
 だから、サポコミの「作り直し」の話には大きな期待を抱いていたのですが…。


 とはいえ、クラブの今回の件には納得できない部分が多々ありますが、それでもチームは何とか応援しなければ。
 今はその気持ちを維持するのがやっとといった感じです。



 殴り書き、失礼しました。
 今思う気持ちをぶつける感じで、全く読み直しておりません。
 次回は水曜日更新でしょうか。
 鈴木監督への総括も書いておきたいのですが、個人的はまだ「お疲れ様でした」とも言えないような心境です。