キムのスピードによるCB裏のカバーリング

京都の1トップの大黒将志選手にキム選手がよくマークについていて、山口智選手がうまくカバーしていたように見えました。
キム・ヒョヌン「練習でそういうふうにやっていたわけではなかったんですけど、相手が1トップということで2人でうまく守ろうとしてそういうふうになりました。大黒選手は動きが良くて守るのは大変でした。うまく守ろうと思って試合に入ったのでよかったです。」(J's GOAL

 京都戦での完封はキムの貢献が大きかったと思います。
 質問者は山口智がカバーと言っていましたけど、個人的にはキムがスピードを活かして裏のスペースをカバーしていた印象の方が強かったです。
 キムはフィジカルや高さだけでなく、スピードが大きな武器だと思います。
 単純に直線スピードが速いというだけでなく、対応の難しい裏のスペースに対しても素早く反転して対応できているところが重要なのではないでしょうか。



 京都戦で活躍したのは間違いないですが、個人的にはあれくらいできる選手だと思っていました。
 京都の攻撃が裏への狙いが非常に多く、大黒がどんどん裏に飛び出していったため、結果的にキムの良さが目立つ試合になったと。
 ブラジルW杯にも出場しているミリガン対大黒というのも迫力がありましたけど、キム対大黒というのも面白かったですね。
 一度切り替えしにやられてしまったのは反省点ですが、キムにとっても大黒のような様々な動きができる選手とマッチアップできたのは、良い経験になったのではないでしょうか。


 もともとキムは、昨年から裏へのスピードは見せていました。
 相手チームが積極的に狙ってきた右SB米倉の裏を、キムのスピードでカバーすることが非常に多かった。
 昨シーズン終盤にチーム状態が良くなってきたのも、キムのスピードによるカバーというのが大きかったと思います。



 今年は大岩が右SBに入った上に、両SHがサイドの守備に戻る守り方を現在しています。
 中村も大崩れすることはないため、サイドの守備も安定してきました。
 その結果、キムは昨年のようにサイドへのケアをするのではなく、CBの裏へのカバーに専念できるようになった。


 これが積極的にDFラインを上げられるようになった1つの要因ではないかと思いますし、DFラインが上げられるから全体をコンパクトに守ることができ、プレスもかけられるようになった。
 ここ数試合の守備の安定にも、大きく貢献しているのではないかと思います。
 その結果、現在は例年見られた大きな守備の穴もなくなりましたね。



 山口智にはビルドアップ面で指摘を受けることが多いですが、その分フィジカル面ではキムが智をカバーしている。
 まだ若く右足でのパワーあるキックはあるわけですから、少しずつ成長していってほしいと思います。
 ジェフでは斉藤大輔や結城なども初めは上手くなかったですけど、試合を通じて成長していきビルドアップに貢献できるようになったわけですからね。
 キムも十分センスはあると思いますし、まずは守備で貢献して足元の技術も高めていってほしいところだと思います。