走れ!走れ!'2014
ブラジルW杯日本代表対コートジボワール代表戦。
予想以上に、選手たちの動きがすごく重かったですね。
ブラジルの重力は、他の2倍くらいあるのかと思ってしまうくらいに(笑)
初戦の緊張、コンディション、雨によるピッチの状態、気候、22時キックオフ…。
様々な影響が考えられると思うのですが、4年前よりも重苦しい内容だったと思います。
選手1人1人の出足が鈍く、パスの鋭さもなく、ミスが多い。
海外組も多く大舞台には慣れていて、しっかりと合宿もこなしてここまで来たチームだったと思っていただけに、ここまで動きが重くなるとは思っていませんでした。
直前の強化試合の方が、動きは確実に良かったですね。
ただ、コートジボワールも実力なのか、動きが緊張などもあったのか、選手の動きはあまり良くなかった。
両者堅い状態での試合だったように思います。
そこを先に引き裂いたのが本田…の前に、長友だったと思います。
長友はチーム状態が悪くても、飛び道具的に個人技でゴリゴリと打開できる。
戦術の格になるタイプではないと思うけれども、逆にチーム全体の状況に左右されず攻守に活躍できる。
その長友が左サイドでボールを持ち込んでCKを奪ったところから、深い位置でスローインとなり、その流れで長友が本田にパス。
そして、あのゴールが生まれました。
あのシーンの本田に関しては軸がブレそうな体勢だったのに、あの軌道でシュートを放てたところがさすがでしたね。
得点後は一時的に流れが良かったのですが、そこで追加点を奪えないとその後チームは失速。
前半は特に日本代表のボランチの後ろにボールが入り、そこからコートジボワールにチャンスを作られていました。
低い位置でのパスミスが多かったこと、大迫と本田が後方からのパスの出所を抑えられなかったこと、そして蛍と長谷部の連携の問題…。
多くの問題があったように思います。
本田は一発はありますけど、やはりリトリート時の守備は大きな課題がありますね。
蛍と長谷部は前には強いのですけど、相手に持ち込まれるとどちらが前に出てどちらがスペースを消すのか、アタックとカバーの関係が作れていないように感じました。
長谷部の試合勘ももう1つといった感じでしたが、あまり汲んでいないコンビで連携面も詰め切れていなかったのではないでしょうか。
もっと早くから蛍をチームに呼んでいれば…。
後半一度勢いを取り戻した感のあった日本代表ですが、後半10分あたりからは完全に失速。
MFラインの選手たちの足が止まってしまって、守備にまったく行けない状態に。
そして、後半19分に本田がボールを奪われたところから、日本の左サイドに展開されてフリーでクロスを上げられ失点。
それだけならまだ良かったものの、その2分後に同じように左サイドからクロスを上げられて、立て続けにやられてしまいます。
その後はコートジボワールにも疲れが見え、全体のラインが下がっていきましたが、日本代表も勢いを取り戻せずチャンスを作れない展開に。
本田の1トップ、吉田の攻撃参加など今までになかった動きを、ここにきてやろうとするバタバタした部分も見られてしまいました。
狙いとしてはわからなくもないのですけど、今までになかった指示だっただけに、今後に関して精神的に影響を与えなければいいのですが…。
結局1-2で日本代表の敗戦。
試合全般に関して言えば、全体的に動きが重く、運動量が足りずパスサッカーが出来なかったという部分が、一番の敗因ではないでしょうか。
コートジボワールも決して良くなかっただけに、勝てる相手だったと思います。
先日、本田が目立たない方が、チームとしての内容はいいという話をしましたが、今日は悪い方のパターンが出てしまった印象で。
ようするにパスをつなげない分、本田の一発に頼る展開になってしまって、自分たちのサッカーができない。
この展開になれば大迫も当然目立たないし、香川もなかなか活きてこない。
前半だけ見ると、まるで4年前のような展開だったと思います。
もちろんそれでも勝てればいいのでしょうけど、今のチームは少なくともここ数試合を見ればそういったコンセプトで戦おうとはしていなかったわけで、当然無理が出てしまう。
完全に本田の一発を活かす形をとるのであれば、また別の作り方があったはずですからね。
結局のところ、自分たちの目指すサッカーができなかった日本代表。
ギリシャ戦以降では、まず自分たちのサッカーを取り戻すことが求められるでしょう。
そのためには、ともかくコンディションを回復して、パスサッカーを目指すことが何よりも大事だと思います。
運動量を増して、流動性を増やして、パスをつないでいく。
失点においても1失点目はパスがつなげず奪われたところから中央に選手が偏って、サイドに展開されてやられてしまいましたし、2失点目も中盤がスカスカになってDFラインが下がったところからセカンドボールを拾えなくなり、サイドからクロスを上げられてしまいました。
ゴール前でやられたという以上に出所を抑えられなかった印象が強いですし、2列目の運動量が大きな問題だったと思います。
まずは「もっと走る」ところから、やり直さなくては。
自分たちのサッカーで負けたわけではないですから、自分たちのサッカーをもう一度確認して、残り2試合悔いのないように戦ってほしいですね。