宇都宮氏のコラムが再アップされるも微妙な変化が

 先週当ブログでもご紹介した、宇都宮徹壱氏の書かれたスポナビのジェフに関するコラムが、昨日再アップとなりました。
 幻のコラムと書いてしまって申し訳ございません…。
 もう少し待てば良かったですね。
 ただ、コラムが一度消されたことも気にはなりましたが、それ以上に今後のジェフのクラブ作りを見ていく上ですごく重要な文章だと思ったので、ぜひとも書き留めておきたいという気持ちが強かったのですよね。



 しかし、再アップされたコラムの文章は、大きく文内容は変わっていないものの一部が変更になっております。
 まず元のタイトルは『悲願のJ1復帰とオシム時代への原点回帰』だったのですが、『千葉が密かに目指すオシム時代への回帰』に。
 2ページ目1つ目のサブタイトルが『クラブが密かに目指す「オシム時代への回帰」』から、『悲願のJ1復帰を実現するために』になっています。


 文章の方も少し変わっている部分があります。
 フクアリで敗れた京都戦後に起こった出来事として、「サポーターの代表者が責任者との面会を求め、鈴木監督と斉藤和夫TDがクラブハウスで対応に当たった。話し合いは翌朝の4時まで続いたという」と書かれていたところが、「サポーターの代表者が責任者との面会を求めたという」と短くなっています。
 実際にどうだったのかは把握していないのですが、始めて読んだ時から「話し合いが朝4時まで続いた」という驚きはありました(笑)
 良くあるゴタゴタがあったにしても、朝4時までという部分に関してはにわかには信じがたい部分がありましたし。
 訂正があったということは、実際にはそうではなかったということなのかもしれませんね。



 そして、もう1つ。
 島田社長のコメントとして「ウチが一番、よりどころにしたいのは、オシムさんの時代から培われてきた運動量」と書かれていた部分が「ウチが一番、よりどころにしたいのは、ナビスコ連覇時代にはあった運動量」と変更されています。
 こちらの方が内容としては気になるところですね。


 前回取り上げた時にも書いた通り、島田社長は11年就任当初のシーズン報告会で、「オシム監督時代の人とボールが動くサッカーを目指す」と話していたにもかかわらず、翌月のサポコミではオシム監督の名前を一切あげなかったことがありました。
 そのサポコミでは当時の神戸TDも「人とボールが動くサッカーはオシム監督時代に作られた言葉かもしれないが、現代サッカーでは主流である」というような言い方で、そのあたりをかわそうとした印象を感じました。
 2人の意見の相違だけなら現在は斉藤TDになって改善されているとも思えるのですけど、両者が明言を避けたという事実が当時から気になっていました。


 それに加えて、今回のコラムの修正。
 島田社長は"オシム"という言葉を使わなかったことにされており、メインタイトルにも"密かに"が加わるなど、11-12オフの時のように"オシム"路線が若干トーンダウンしたようにも感じなくもありません。
 実際に社長がどう話したのかは当人たちしかわからないですけど、このような修正が行われたということはクラブ側の要望があったと考えて間違ないのではないかと。
 小さな修正ですけれど、その小さな修正をわざわざ施させて、一度アップされたコラムも削除させたのですから、そこには何らかの意図があるのではないかと疑ってしまいますね。



 島田社長が"オシム"と言わなかったことにして、今回のコラムの影響力を下げようとしたということなんでしょうか。
 しかし、例えば鈴木監督がそういった部分を気にするタイプかと考えるとそんなことはないでしょうし、斉藤TDもむしろその方向を促進する考えであって。
 スポンサーや親会社への影響を考えたのか、あるいはサポーターがこれを読むことで余計なプレッシャーを受けることから逃れたのか。
 ただ、オシムサッカーにおいても一定の部分を参考にしていくんだということを明確に打ち出してくれれば、サポだって納得できるのではないかと思うのですけどね。
 それでも反対意見はあるかもしれないけれど、どの方向性にしたって反対する人は必ず出てくるものでしょうし。


 11-12オフのことも含めて、正直ずいぶんと細かいところを気にするというか、歯切れの悪い印象があります。
 個人的には明確なチームビジョンを掲げることが、単発でのJ1昇格ばかりで腰を据えたチーム作りが出来ていないジェフにおいて大事な部分だと思っていますので、今回の件はちょっと残念です。
 オシム監督時代のサッカーではなくてもいいですけど、こういったことが起こると「オシムサッカーへの憧れはあるけど実際には難しいです」といわれているような気がして。
 斉藤TDの話も読めば社長もその方向であると読み解くことができるわけですけど、社長のコメントを変えたことによって社長としてというか、クラブとしてその方向で行くことに責任は取れないと言っているような印象も受けてしまいます。


 まぁ、コラムは後篇もあるわけでそちらも期待したいですけど、社長のコメントという大事な部分に修正が入った事実は変わりませんからね。
 今回の修正によってジェフの方向性は曖昧なままというか、1つの方向性を進んでいくことに対して逃げ腰な姿勢なのかな?と感じてしまう部分がありました。


 追記。
 情報いただいて気づいたのですが、最後の一文も「思えばこれが、千葉にとって空前絶後の黄金期であった」が「思えばこれが、千葉にとって空前の黄金期であった」に変わっています。
 言われてみれば確かにちょっと気になる表現ですね。