FWの軸が不在なまま攻撃の形が作れず

 先週末行われた日本代表対セルビア代表戦。
 基本的に内容の乏しい試合だったのですが、一番気になったのが柿谷と本田の良さが消されてしまったことでした。
 柿谷はウルグアイ戦でもそうでしたが、強固なCB二人にうまく連携を撮られてしまうと、裏を取る動きが出来ずに機能しなくなってしまう。
 裏を取れないとなった時に、ポストプレーや周りを活かす動きが出来ないため、それだけで試合から消えてしまいますね。


 本田も柿谷同様にセルビアボランチ相手に止められてしまい、あまりいいところがなかったですね。
 ボールは触れるけれども、横にボールを運ぶだけで、縦への仕掛けが出来なかった。
 基本的に自分ですべてをやりたい選手だから、縦を消されると周りとの関係でうまくチャンスを作るということが、あまり得意ではないということですね。


 それでも前半はまだよかったと思うのが、その2人に対して香川が中央によることで、サポートする形になっていたこと。
 香川自身の出来は良くなかったかもしれませんが、トップ下が本田と香川の2人になるような展開になって、香川のマークが空くシーンがあったと思います。
 ですから、香川をうまく使えればチャンスになったと思うし、実際に香川が中盤から持ち込んで縦にパスを出して自らが受け直して、ゴールに抜け出すシーンも作れました。
 あれがこの試合での日本代表において、一番のビックチャンスだったはずです。



 ただし、後半はそのやり方をやめて、今までのように香川が開いて受けることが多くなってしまい、何をしたいかわからない時間帯が長くなってしまいました。
 本田はW杯本番でもマークが厳しくなる可能性が想定されますから、香川が近寄ってサポートする形というのは可能性を感じたのですけど、だからこそその可能性を自ら消してしまったというのはすごく残念でした。
 今までの流れからすると香川が中央によっていったのは本人の意思で、監督の指示でサイドに移ったんですかね…。


 試合終盤にはSBからのクロスが多くなりましたけど、それでもハーフナーをなかなか使わなかったといのもよくわからなかったかなと。
 相手のCBが大きく岡崎のスピードを活かそうということだったのでしょうけど、ここでハーフナーを試さないのなら呼ぶ意味があるのかなと。
 加えて、ハーフナーはオプションでしかなく柿谷もやれることとやれないことがはっきりしているのにもかかわらず、今までの軸である前田や近いタイプの大迫を招集していないというのも個人的にはよくわからないところで。
 海外組を試したいにしても、この試合の前から柿谷が軸になりきれない可能性は十分あったと思うし、FWの軸探しは非常に大事なところだと思うのですが。


 アジアで戦えてきた形が世界レベルではやれないとわかってきたところで、監督自身焦っているんでしょうか。
 だから、今になって得点力の期待できる柿谷に攻撃を託そうと…?
 試合後の監督インタビューでも自信がなさそうに見えてしまいましたし、それが選手に伝染しているところがあるような印象も受けてしまいました。
 コンディションなどは本番直前にやるしかないところだとは思うので、チームの戦術と狙いなどに関してが今は気になりますね。