天皇杯FC東京戦、次につながる試合を

 今週末は天皇杯3回戦がフクアリで行われます。
 ジェフの対戦相手はFC東京
 2年前J2優勝を果たしたFC東京と、まさか今年中に対戦することになろうとは。


 ジェフはJ2に降格してから天皇杯でしかJ1のチームと公式戦で対戦する機会はないわけですけど、やっぱり怖さもある反面楽しみでもありますね。
 ちょうど昨日『サカつく』の新作が発売されましたけど、『サカつく』でチームを作り上げていってJ1のチームと対戦する時の嬉しさみたいな気持ちと同じような感じで(笑)
 有名チーム相手にどこまでやれるのか、それともあっさりやられてしまうのか…。
 それだけどっぷりとJ2生活にはまってしまっている悔しさもありますけど、実際問題として現状でJ1レベルでどれだけやれるのかという指標にもなるわけですしね。


 ただ、昨年は天皇杯準々決勝で鹿島と対戦した時はもう12月末で、天皇杯に集中しやすい状況だったというのがあったと思います。
 今回はまだJ1昇格争いの中にいるわけで、週末の試合とはいえやりにくいところも当然あるでしょう。
 メンバーに関しても、変えてくる可能性もあるかもしれませんね。



 個人的な意見で言えば、町田と大塚の同時起用を見てみたい気持ちがあります。
 タイプは大きく違いますけど、どちらも狭いエリアでボールを受けられる正確な技術とポジショニングが出来て、視野が広く高質なラストパスを出せて、スタミナにも不安のない選手。
 「ラストパスを出せる選手を並べればいい」というわけでもないですが、2人とも現戦術との調和性の高いモダンな能力を持つ選手だと思います。


 現在の2列目の選手が間を狙う戦術は近年のパスサーカーにおいてはポピュラーなものといえるでしょうし、間を取ってパスを出す動きというのは若い日本人選手の多くが得意とするプレーでもあると思うので、そう考えていくと日本における若年層への育成の方向性は正しい…というか、やはり日本サッカー全体が規律の面では優れている部分があるのかなぁとも思います。
 逆に言うと、そこから飛び抜けた選手が出てきにくいという部分もあるのかもしれませんが。


 ただ、2人の課題に関して考えると町田はサイズやフィジカルの部分、大塚は運動量やスピードの部分ということになると思うので、全く逆とも言えるのかもしれません。
 しかし、だからこそ二人の連携を高めていって、お互いがカバーしあえる状況を作れるのが理想的なのかなとも思います。
 どちらもトップ下でFWに近いところでプレーしたほうが良さが出るのでしょうけど、スピードなどを考えると町田がSHで中にも動き回る方が良いのでしょうか。
 これまで大塚はサイドで起用されても、上手く攻撃面で良さを出し切れない状況でしたし。
 ただ、町田もサイズの部分を考えると、サイドだと戻ってからの守備で不安が出てしまうかもしれないですが。


 ともかく、二人のパスセンスなどを見ると、ジェフの将来も捨てたものではないなと思うことが出来ますので、うまく2人が連携して攻撃を作り上げられるようになれば、今後数年はその形で戦えるかもしない。
 ナムや井出などもいますし、若い選手たちで良いコンビネーションを作りつつ、ライバルとしても刺激し合ってほしいと思います。



 また、この試合では、神戸戦で退場となったケンペスが出場停止ということになりました。
 1試合に二度の警告を受けてレッドカードとなったため、直近の天皇杯で出場停止を消化することになったということなのでしょう。


 そうなってくると、FC東京戦は1トップに森本の起用が予想されます。
 何度も話していますが、やはりケンペスの前線での重み、フィジカルの強さが森本ではもう少し足らない部分があるということもあって、現時点では森本がうまく1トップにフィットしきれていない印象があります。
 ケンペスが高い位置で相手と競ることによって、相手DFラインを押し下げ、パスワークのスペースを作ると。
 それが森本にはまだできていないので、ちょっと噛み合っていないところがあるのかなという印象です。


 しかし、森本にはその分足元での技術があるし、裏を抜けてからシュートまでの一連の動きが素晴らしい。 
 そこをうまく活かすためにも、周りの選手がケンペスと違う意識を持ってプレーしてあげなければいけないのではないかなと思います。
 もちろん森本自身も、ジェフでのプレーにアジャストしていかなければいけない部分はありますが。


 森本を活かすためにも、いかに1トップに頼らずボランチや中盤などの選手で、高い位置までパスワークを作れるかどうかが大事になってくるのかなと思います。
 そのためにはケンペスに頼っていた部分もあるタメの部分を、中盤でも少しずつ作れるようにならなければいけないのかもしれません。
 それが出来てくればケンペスがプレーしている状況などでも、攻撃の幅が広がってくるでしょうし。



 まぁ、FC東京相手ということになれば、J2での試合とは違って相手も前に出てくるでしょうから、カウンターの機会も増えてくるのではないかと思います。
 そうなれば森本の良さが、自ずと出しやすい状況になってくる可能性もあるかもしれません。


 森本本来の能力を考えれば、今後の昇格争いを考えてもぜひともブレイクしてほしいところですし、そのためには連携なども大事だとは思いますが、何らかのキッカケがあったほうが良いのかもしれない。
 公式戦で1つでも結果を出せれば森本の使い方というのもハッキリとしてくるでしょうし、森本自身も周りに要求しやすくなってくるのではないかと思います。
 ストライカーということもありますし、「勢いに乗る」という部分も大事なのでしょうしね。



 相手は現在J1でも7位と上位チームですから、決して楽な試合になるとは思えません。
 FC東京もメンバーを変えてくる可能性はあるでしょうけど、層の厚いチームだと思いますし。


 ただ、良いのか悪いのか前節神戸戦でもはっきりしたように、ジェフはやはり格上のチームに強い。
 格上チーム相手だといつも以上に動けて、集中できるチームだと思いますし、フクアリの雰囲気も違う気がします。
 そう考えると選手だけの問題ではない気もするのですが、ともかくFC東京戦でもそういった部分が期待できるかもしれない。



 ジェフとしては前節神戸戦で連敗を脱し逆転勝利をあげたところで、この勢いを止めずにシーズン終盤、そしてプレーオフへと続けていきたいはずです。
 そういう意味で天皇杯と言えども極めて大事な試合だと思いますし、結果だけでなく試合内容の部分も含めて次につながる試合をしたいところではないかと思います。
 ホーム・フクアリでの開催となりましたし、良い雰囲気でFC東京を迎えたいですね。



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