このまま気持ちを切らせてしまうのか

 2004年の5月5日。
 味の素スタジアムで、森本がジェフ相手にJリーグ最年少ゴールを決めた日です。
 その頃のJリーグは2ステージ制で、ジェフはオシム監督が指揮を執っていました。
 ファーストステージでのジェフは3敗しかしていなかったのですが、そのうちの1敗が東京V戦で後半終了間際に森本に得点を奪われて1-2で敗戦でした。
 近年も粘り弱いというか詰めの甘い失点などが多いジェフですけど、それは当時から言われていたことで、歴史的にジェフが課題とする部分だと思います。


 この時のジェフのスタメンには、巻が名を連ねていました。
 現在は巻が東京Vに所属し、森本がジェフに加入。
 当時は考えもしないようなことで、何が起こるかわからないものですね。


 今季の巻は高原の加入もあってまとまった出場時間が巡ってくることがあまりなかったですが、9月1日の岐阜戦で高原不在の中いきなりスタメンに選ばれると、1ゴールをあげチームの勝利に貢献。
 続く天皇杯長崎戦でも、2ゴールを決める活躍を見せました。
 前節熊本戦でもスタメン出場しており、月曜の試合でもジェフと戦うことになるかもしれません。



 もう1つ、当時は考えもしなかったことが起こっています。
 あの頃のジェフの下手でも、若く、走れる選手たちが主体となって、格上の相手に立ち向かうという構図でした。
 しかし、現在のジェフはカテゴリは違うものの、うまいけれども走れないベテラン選手が主体となっています。


 もちろん、チームの変化というのはあってもおかしくはないというか、変化がある方が自然だといえると思います。
 けれども、当時のオシム監督が「走るサッカー」に関して聞かれると、良く「走るのサッカーの基本だ」と答えていました。
 その基本が今できていないことで苦しんでいる…というのは、何とも残念な話だと思います。
 チームに変化があったとしても、過去の成功や失敗から学ぶものはしっかりと学ばなければ、クラブとしての衰退も当然と言えるのかもしれません。



 ただ、「走れない選手」を急に走らせる術などはどこにもないわけで、走れないなりに戦っていくしくないはずで。
 京都戦ではある程度気温が落ち着いた環境でもスタミナ切れを起こしてしまい、より一層走れないチームであることが明確になったわけで。
 むしろこうなっては走れないことは前提として、プレーオフなども含めた準備をしていく必要があるように感じます。


 いっそ今季の結果が出なければ、走れない選手は一気にメンバーを入れ替えてもいいのではないかとも思います。
 それだけ京都戦の後半は走れていなかったですし、あれだけ選手が走れない状況では、どんな監督が指揮をとってもやりたいサッカーの実現は難しいのではないかと感じてしまいました。


 そもそもで言えば、降格してから毎年J1昇格を目指し、即戦力のベテラン選手ばかりを補強したことが一番の原因だとは思います。
 その上で今季開幕前は昨年までのような積極的な補強が出来ておらず、昨年のベテラン選手が残る形でチームを形成してしまった。
 昨年はこれでもかというほど追加補強も含めて昇格を目指した動きをしていたにもかかわらず失敗したことによって、そのしわ寄せが今季にきているのではないかとも思わなくもありません。



 けれども、それにしても京都戦では選手たちが動けなかったし、イージーなミスも多かった。
 あれだけミスが多い状況で勝てるほど、J2も甘くないでしょう。
 動けないのなら動けないなりの賢いプレーというのも期待したいところなのですけど、今期これまでを見てもベテラン選手を中心に情けないプレー内容が多い印象です。


 今シーズンも残り試合はあとわずか。
 J1への自動昇格は難しい状況になってしまいましたが、まだプレーオフからの昇格の可能性は十分にあります。
 ここで気持ちを落とすのではなく、プレーオフに向けてモチベーションを高めていってほしいと思いますし、プライドを見せてほしいなと思います。



 ちょっと厳しい論調になってしまいましたが、京都戦を見ているとメンタル的にブツッと切れてしまうのか、最後まで頑張れるのかの境目にいるのかなとも感じなくもなく、まだプレーオフまではもう少し試合数も日数もあるとはいえ、昇格に向けて大事な時期なのかなと思っております。
 ホームフクアリで、プレーオフのライバルともなりえる京都相手に、あの試合を見せてしまったというのは、それほどまでに残念なことだったと思いますし。


 ここでこのまま気持ちが切れてしまうのか。
 それでいいのか。
 自動昇格は厳しくとも、もう一度気持ちを入れなおして、昇格に向けて気合を入れてほしいところだと思います。




 次の更新は火曜日の予定です。
 たぶん。