ジェフと日本代表の違いを考えながら

 先週の金曜日にグアテマラと対戦した日本代表。
 今回の試合も、ジェフがどこか学べるところがあれば…なんて思いながら見ていました。


 日本代表はスタメン1トップに大迫を起用。
 左サイドには清武を起用して、トップ下に香川を持ってきました。
 何人かのメンバー変更がありましたが、2試合連続で試合がありますし、テスト的な意味合いやコンディションも考えたのでしょうか。


 CBは今野のところに森重を置きました。
 やはり森重は今野の代わりというか、吉田とではなく今野とポジションを争う感じなんですね。
 どちらかといえば高さのある吉田の代わりを探したいところなのではないかなぁとも思うのですけど、なかなか高いCBが育っていないということなのか…。
 森重と今野のCBもまた見たい気もしますけどね(笑)
 J2の時はあの2人と高橋秀人だけで、堅守を築き上げていた印象でしたし…。



 日本代表はジェフ同様、現在のトレンドである相手の間を突く攻撃を狙っていると思います。
 その中でもジェフと多少異なるのは、サイドの使い方かなと。
 ジェフはビルドアップ時からSBがワイドに開いて広いパスワークを狙っていますが、日本代表は左サイドでボールを持っているときに右SB酒井高徳が中央に絞っていることが多い。
 そこから左サイドでは細かくつないでいき、右サイドでは酒井高徳が持ち上がっていくことが多いですね。
 このあたりは選手のタイプとして長友や香川が細かいエリアでプレーできる選手であり、内田や岡崎がワイドにプレーする選手であるというのもあるのかもしれませんけれど、ジェフとの大きな違いが感じられて面白かったです。


 また、SBが持ち上がっていくと、サイドハーフがワイドに開いてサポートするパターンが多いのも特徴ではないかと。
 時にはサイドハーフがタッチ際にポジショニングして、相手選手を広げておいてパスの受け手になって、広げたところにSBが飛び出していくという動きもありますね。
 特に左サイドで多いと思いますが、ジェフはサイドハーフバイタルエリアのわきあたりを狙っていることが多いですから、ここも1つの違いだと思います。
 SBがワイドに開いてサイドハーフがサイドを駆け上がるようなシーンは少ないですから、その分ジェフはSBに負担が大きくなっているのかなとも思わなくもありません。



 しかし、この試合での日本代表はグアテマラが引いて守ってきたこともあって、ジェフ同様相手を崩す部分においてかなり苦労していました。
 3バックの横を狙う形やサイドを突破する攻撃はありましたけど、比較的強引なものであまり参考にはしづらかったかなと。


 それでも後半から良い攻撃が作れてきたのは、単純に先に失点してしまったこともあって相手の動きが落ちてきたこと。
 それとやはり本田というフィジカル的に強さを持った選手が2列目に入ったことによって、相手のプレスの厳しいバイタルエリアで競り勝てるようになったことと、1トップ以外のターゲットが増えたことの2点が大きかった気がしますね。
 ジェフも前節田中がターゲットのなってチャンスが増えましたけど、この辺りは参考になる気がします。


 また日本代表ではボランチが、どんどんバイタルエリアにはいっていくという点も大事なポイントになっていますね。
 ジェフもテクニカルなボランチ2人を並べているわけですから、もう少し前に出ていく回数も増やしてほしいところではないかと。
 ボランチの前進とFWが前線で我慢して高い位置でポストプレーを受けることによって、同じパスワークでも代表の方が相手のゴールに近いエリアでプレーできる(まぁ、根本的な相手との実力差も違うとは思いますが)。
 それに加えて基本的な技術やスピード、守備時のアプローチの速さやスタミナなどもあって後半チャンスを作れるようになったと思うのですけど、そこは選手個々の能力が大きいでしょうからジェフが簡単に解決できる問題ではないですね…。



 日本代表に関しては、またも本田不在時の戦い方の課題が結果的に出てしまった気がします。
 1トップで本田不在だと前線にパワーやターゲットが足りていない(これはジェフも似たところがありますが)ことを考えると、いっそ本田がいないときは2トップもアリなのではないかと思うのですけど、今回も3バックを試していたようにザッケローニ監督は無駄に頑固なところがあって、1トップに拘っている印象がありますしね…。
 指導者によっては"良い意味での頑固さ"というのもあるとは思うのですけど、ザッケローニ監督の場合はどうにも意図が見えない頑固さがあるような気がして…。


 これを見ていると、森本が加入してすぐに2トップを実施した鈴木監督の方がまだ柔軟に思えます。
 ザッケローニ監督も悪い監督ではないと思うのですけど、良くも悪くも無難に見えるというか。
 チームが良い状況の時はそれでいいのかもしれませんけど、そうでないとき(=主に本田がいないとき)の打開策作りに関しては不安がある気がしますね。


 相手が弱ければ個人能力で勝てる本田投入である程度の問題が解決してしまいそうですけど、コンフェデなどを思い返してもそうでない時はそう簡単にはいかないでしょう。
 W杯は本田だけで無双できるレベルではないと思いますし、ここから更なる一歩が踏み出せるかどうか。
 グアテマラ戦を見ても思ったより変化は感じられなかったですし、ちょっと本格的に心配になってきました。