田中佑昌「前半からああいうサッカーをやっていかなければ」

田中佑昌「前半は相手のラインが低くて、高い位置で張っていたけど、ディフェンスラインが5枚ぐらいたので、なかなかスペースが無かった。そのなかで、1本前半に(大塚)翔平から決定的なパスが1本あったので、あそこは最低、シュートまで持っていかないといけなかった。(J's GOAL

 誰がどうの…というわけではないのですけど、今期のジェフの攻撃は基本的に下手な鉄砲を数撃つのではなく、確実性の高い攻撃、崩しをしていこうというのですから、その分チャンスは確実に決めて欲しいところだとは思いますね。
 マシンガン派というよりは、スナイパーになろうというのですから。
 パスで細かくつないで行って、ダメならサイドチェンジをして作り直していって、相手の隙を狙う…と。


 強引なドリブルでの攻略はあまりなく、相手の隙をつくことでフリーな選手を作るわけですから、狙い通り出来れば決定機になりやすい…という理論。
 しかし、その分攻撃の回数は少なくなるかもしれないですから、そのチャンスを確実にものにしなければならない。
 そこが難しいところではあるのかもしれませんけど、スタミナはないけれども技術や実績はある選手たちが多いのですから、そこは頑張ってもらわないと…というところですね。


 というのも、0-1で敗れはしましたが相手の北九州も決定的なチャンスの数というのは、ジェフとそこまで変わらなかったと思うんですよね。
 前半押し込まれる時間は長かったですけど、外からのミドルシュートアーリークロスが多く、中でやられるシーンはあまりなかったわけですし。
 一昨日の試合は決定機を決めたチームと決められなかったチームの差だったとも言えるのかもしれないですから、やはりゴール前での正確性というのが求められるのかなと思います。
 もちろん、試合全体を振り返ると課題はたくさんありましたけどね。



 同じく田中のコメントですが…。

「後半の方がボールを持てたし、サイドを何回も変えて高い位置までえぐることも出来た。前半から、ああいうサッカーをやっていかなければいけない。出来ない時は最悪、こういう試合を0−0で終えられるようにして戦いたい」

 ジェフ公式サイトの方を読んでも皆同じような話をしていますけど、やはり前半の戦い方が悪すぎだと言えるのでしょうね。
 水戸戦も思い返すと後半は持たなかったですし、この暑さもあって90分間戦うのは難しいのでしょうが。
 まぁ、田中はしっかり走れる選手だとは思いますけどね(笑)


 しかし、省エネサッカーで戦うにしてもあんな状況では負担が大きいでしょうし、せめて守りを固めた状態でもカウンターの際は切り替えを素早くして、前に人数をかけられるような攻撃を作れるようにしないと、防戦一方になってしまう…。
 水戸戦のように先に点を取って後半は守りを固めるような状況であればまだ攻め込めなくてもいいのかもしれませんけど、前半から守るということになると後半の45分だけで勝負しなければいけないですし…。
 もちろんだからといって、前半飛ばして先にゴールを奪えなかったらそこからどうしようもなくなってしまいますし、"前半飛ばしで後半省エネ"で戦うゲームプランの方が良いとは一概には言えないと思いますけど。



 まぁ、強いて何が悪いかを考えると、やはり走れないことで(笑)
 走れているときはまずまずいいサッカーが出来ているのですから、後半の戦い方をもっと長い時間やって行こうというのであれば、まずは走れなければいけない。
 要するに戦術的な問題よりも、コンディションだとかスタミナの問題が今のジェフの大きな課題ということになるのだと思います。
 しかし、ベテランが多い状況もあってか、問題解決はそう簡単ではないのだろうなぁと思います。


 かといって一気にメンバーを変えて若手にシフトできるかというと、そこまでの若手選手もいるわけでもなく。
 もともとベテランが多い選手構成で若手は少ないのだから、現状だけではどうしようもないところがあるんかなと。
 やるとしたら段階的にやるしかないでしょうし、それに関しては今期一定の成果は出ているとは思います。



 ベテランが多くスタミナがない状況が仕方がないのなら、その分賢く、正確に戦っていくしかないんだろうなぁと思います。
 省エネの時間もやむなしですけど、その時間での上手い戦い方を考えるとか。
 そして、良くない状況でも、しっかりと勝点を稼ぐとか。


 それを考えると、やはり最低でもあの試合は引き分けたかったところです。
 非常に気温が高く過酷な状況でもあったわけだし、アウェイゲームでもあったわけだし。
 それだけに最後の失点にベテランの山口智が絡んでしまって、経験豊富な勇人が「勝点3を最後まで取りにいった」という話をしているのは、ちょっとうーん…と悩んでしまうところもなくはなかったかなぁと。
 結果は結果として、この辺りしっかりとチームとして反省をして、今後に生かしてほしいところではないかと思います。