年末年始のジェフ移籍関連まとめ

 年末年始に取り上げられず、溜まってしまったジェフ関連の移籍ニュースをまとめてご紹介。


佐藤慎之介選手 移籍クラブ決定のお知らせ(ジェフ公式サイト)
 契約満了が発表されていた佐藤慎之介は、熊本への入団が決定。
 これと同時に熊本は岩丸のV・ファーレン長崎移籍を発表しています。
 長崎は来年度からJリーグ入りが決まっているため、経験のあるGKを探していたということでしょうか。
 こういった球付き移籍は、JリーグでもGKではよく見ることがありますね。
 海外では他のポジションでも耳にしますけど、日本では替えの効かないポジションであるGKで多いケースということになります。
 ともかく、移籍先が決まって一安心です。


碓井健平選手の加入について(ジェフ公式サイト)
 碓井に関しては、以前も取り上げておりますので、詳しくはそちらを。
 こちらもGKの移籍であり、結果的には球付き移籍ではあります。
 しかし、これでジェフは岡本、櫛野、大久保と実績のあるGKを保持することになり、それぞれトータルでの出場時間が一定数ある選手たちでありますから、GKだけでA契約枠を4人も使ってしまうことになります。
 各クラブ、A契約選手の保持数は決まっていますから、やはりこの3人のうちの誰かが移籍・退団する可能性もあるのかなぁと思わなくもありませんね。
 岡本が残留してくれるのであれば、碓井はまず第2GKのポジションを争うことになるのではないでしょうか。
 よろしくお願いします。


藤本修司選手の期限付移籍終了について(ジェフ公式サイト)
 昨年途中に鳥取にレンタル移籍していた藤本は、ジェフに復帰となります。
 移籍当初はスタメン出場も含めて試合に出ていましたが、徐々に出場機会が減ってきたところで、8月末に右膝前十字靱帯断裂という大きな怪我をしてしまいます。
 その結果、鳥取での試合数は5試合にとどまってしまいました。
 ただ、ジェフにとって左SBは手薄なポジションですし、貴重な戦力ということになります。
 これで横浜FMからレンタルで加入していた武田は、退団ということになるんでしょうか。


 しかし、藤本に関してはもちろん期待しているのですけれども、練習などでプレーを見る限り長い距離を思い切って走り込むというプレーよりも、細かく狭いエリアを動き回るプレーのほうが好きな気がして、もしかしたらMFの方があっているのかな?なんて思ったりもしています。
 まぁ、もう少し長い時間プレーを見ればまた印象も変わるかもしれませんし、そういったプレースタイルで新たなSB像を作るという道も楽しみな要素ではあるのかもしれませんが、もしそうであれば簡単な道ではないだろうな…とも。
 怪我の影響も気になりますが、まずは試合に出られるように頑張ってほしいと思います。


久保裕一選手の期限付移籍について(ジェフ公式サイト)
 藤本と同時に鳥取にレンタルしたFW久保は、1年間のレンタル期間延長が決まりました。
 久保は鳥取で公式戦18試合に出場し2ゴールをあげています。
 個人的には少し残念なニュースかなと思います。
 一昨年もジェフで公式戦30試合に出場している選手で経験がないわけでもないですし、武者修業期間は終了してジェフに帰ってくるという意味では久保のほうが可能性は高いのかなと思っていたのですが。
 鳥取側の意向も強かったのでしょうか。


 確かに前線で頑張れるターゲットマンとしては藤田もいるわけですけど、単純なフィジカルやスピードなどでは久保の方が上ではないかなと思います。
 もちろん技術だとか動きの質などを含めた選手としての全体の完成度においては藤田の方がまだまだ上ですけど、久保も足元のテクニックなどもありますし、最終的には藤田を超えられる逸材だと思うのですが。
 むしろその藤田がいる間に、久保にはボールの受け方や落とし方を"盗んで"欲しかった気もするのですけどね。
 ジェフが育成をあきらめたのか…。
 それとももう1年修行して来いという意味なのか。
 長いレンタル期間ということになると契約の問題も含めて、そのまま完全移籍になってしまいそうでちょっと心配ですね。


横浜、千葉のFW藤田獲り!得点力アップが急務スポニチ
 上のニュースと関連して、横浜FMがジェフの藤田獲得に動いているというニュースです。
 関係者の話ということではありますが、「正式オファーを出した」と書かれていますので、それなりに動いている可能性はあるのでしょうね。
 ただし、得点力アップという話ではありますが、そこまで藤田自身に得点力があるわけではないと思います。
 あくまでも動けるポストプレーヤーであって、プレーオフ横浜FC戦のようなミラクルなシュートは年に1回あるかないかというタイプでしょう。
 そのあたり横浜FMはわかっているとは思いますけど、この記事の書き方には多少の違和感もあるかなと。
 厳しい言い方をすれば、J2だからこそ活躍できている印象もなくはないというか、J1レベルになるとより強い武器が必要になってくるのではないかなとも思わなくもありません。
 これは藤田に限らず、荒田などもそうなのでしょうけどね。


 こういった移籍の動きが出たのは、もしかしたら横浜FM側だけの事情ではないのかもしれませんね。
 藤田は大宮時代に来期ジェフの指揮を執る鈴木監督の下でプレーしていましたが、出場機会は少なかったですし、それを理由に移籍を考える可能性はなくもないのかなと。
 それがJ1への再チャレンジということになるとなおさら魅力的だと思いますし、そのあたりの気持ちはわからなくもありません。
 また、久保のレンタル期間が延長した時点で感じてはいたのですが、センターフォワードは人数不足になる可能性があるでしょうし、外国人選手などの補強もありえるのでしょう。
 そうなってくると、ますます来期の藤田は難しい立場になるのかなと。


 どちらにせよ、ジェフはJ1のクラブから所属選手にオファーが来たら引き止めにくい立場にあると思っていますし、様子を見るしかないのかなと思います。
 ただ、J1のクラブであっても、出場機会が見込めるなどその選手によって本当に良いオファーでなければ、快く送り出すことは難しいですが…。
 横浜FMには小野、齋藤学マルキーニョスなどがいますから、そういった選手たちに前を向かせる役回りなら、理論的には悪くもないのかもしれません。
 しかし、現実的に考えるとそういった選手たちの中で逆に埋もれてしまう可能性も十分あると思いますから、移籍となっても簡単ではない状況が待ち受けているだろうなと思います。
 そういった意味では残ってほしい思いもなくはないのですけど、まだ今期のジェフの全体像がわからない上に監督の意向もあるでしょうから、何とも言いづらいところですね。


大塚 翔平選手の完全移籍について(ジェフ公式サイト)
 最後に嬉しいニュースですね。
 昨年途中、G大阪からジェフにレンタル移籍していた大塚の完全移籍でのジェフ加入が決まりました。
 大塚は昨年ジェフで17試合2ゴールをあげています。


 大塚の強みは何と言っても高い位置で前を向けることでしょう。
 小さな"隙間"でも反転して前を向けるだけでなく、体幹もしっかりしている印象で、相手のプレッシャーを受けても、ボールを持つことができる。
 技術だけがある選手ならたくさんいるでしょうけど、相手の守備がきついエリアで前を向けるというのは非常に貴重な存在だと思います。
 また、スルーパスなどを出す際に、蹴る前から頭の中で明確なコースが描けている印象で、アバウトに蹴るのではなくピタリと相手に合わせたボールを出せる選手だと思います。
 総じて攻撃のセンスはジェフの中でもトップクラスで、さすがG大阪ユース出身といった印象です。
 来年はそのG大阪とライバルということになりますね。


 ただ、ジェフというかジェフサポは、どうも技術だけあって派手さはない選手は好きではない印象で、しっかりと育てることができるのかという部分は正直心配でもあります。
 これが完成された選手ならまだいいですけど、22歳と若い選手でまだまだ自分だけでピッチ上をコントロールするなどは難しいですし、メンタル的にも心配な部分があるのかなと。
 そのあたりはクラブ単位での課題だと思いますし、大塚のような選手を育てきれるのかどうかというのは、超えていかなければいけないポイントなのかなとも思います。
 大塚のような選手が独り立ちできるようなレベルになれれば、ジェフにとっても大きな武器になると思いますし、選手自身も周りも含めて頑張っていきたいところですね。