斉藤和夫氏がTDに、唐井氏が強化担当部長が就任

テクニカルダイレクターの就任、強化部門新体制について


 先週の土曜日にジェフが斉藤和夫テクニカルダイレクターと、唐井強化担当部長の就任を発表いたしました。
 唐井さんは町田からの加入ということで、見方によっては強奪というか、あちらに申し訳ない気持ちもなくはありません。
 ただ、唐井さんは町田で先月ゼネラルマネージャーから営業統括本部長兼ファイナンシャルプランナーに役職が変更になっていて。
 タイミングからすると町田のJFL降格の影響もあって、責任を取る形になったのかなぁとも考えられなくもありません。
 その結果、現場からは離れることになり、やりたい仕事からは遠のいて、今回のジェフ移籍につながった可能性もあるのかなとも思います。


 まぁ、基本的には良い人材や選手、スタッフなどは、上のクラブに引き抜かれても仕方がないのがスポーツの世界だと思っています。
 ジェフに関しても有力な選手がJ1のチームに移籍するようなことがあっても、それが選手にとって良い条件ならば前向きに送り出そうという覚悟はできています。
 だいぶ前の話にはなりますが、村井や茶野が磐田に、阿部が浦和に移籍した時に、何が残念だったかって移籍先が当時のジェフのライバルだと思われていたところだったから、というのがありますし…
 ただ、今回の場合、問題なのは今のジェフがゴタゴタ続きで、唐井さんの加入先として望ましいとは思えないところでしょうが…(笑)
 いや、笑えないことですけど。



 さて、今回の発表ですけど、テクニカルダイレクターと強化担当部長と、どちらが組織上において上の立場に立つのか、2人の関係性はどうなっているのか非常にわかりにくいですね。
 これまでにもジェフはチーム統括本部長(実質のGM職)だとか、強化シニアマネジャーだとか、テクニカルディレクターだとか、多くの役職が強化部のトップとして使われていた印象ですが…。
 以前はチーム統括本部というのがあって、その下にトップチーム、強化部、育成部などがあって、強化部はスカウトやリザーブズを担当していたはずです。
 その組織図にそのまま当てはまる形で、祖母井さんがチーム統括本部長で、現東京Vの昼田さんが強化部長という役職についていた時期もあります。
 その頃の組織というのは、役職名からしても非常にわかりやすいですね。


 これまでの実績や状況を考えると、スカウトなどをやられていた斎藤氏がより現場に近い仕事をして、ジェフに招かれる形の唐井さんが監督などの招聘をするなどして全体をまとめる立場なのかと思っていたのですけど、もしかしたら逆の可能性もあるのかなと。
 だから、今回の発表でも斎藤テクニカルダイレクターが先に来て、次に唐井さんが文面に記載されているのでしょうか。
 …というか、リリースのタイトルが「テクニカルダイレクターの就任、強化部門新体制について」なのに、まったく強化部門新体制の説明になってないですよね。
 これを読むと、逆に混乱してしまうような気もします。
(文章を書いた後に読んだのですが、BLOGOLAの斎藤TDへの取材によると、唐井さんではなく斉藤さん主導でチームを作っていくようですね。唐井さんは補佐役的な立場になるんでしょうか?あるいは唐井さんに対して「実務ができる」と話されていますし、祖母井さんと昼田さんのような関係になる?)


 役職の名前などはなんとでもなるとはいえ、組織を形成するにおいて、組織全体でどういった仕事分担が必要で、その上でどういった役割を任せるのかという流れが重要になってくるはずです。
 そこのベースができてこその"適材適所"という言葉があると思いますし、クラブにおいてそのあたりの管理ができていなければ、いつまでたっても責任も権限も明確にはなりませんよね。
 少なくとも今回の発表では、そのあたりが不明瞭で。
 前にも話しましたが、結局ジェフのフロントはGM的なポジションを現場の誰にも与えず(あえてここではフロントと強化部などを分けるために現場という言葉を使いますが)、責任だけ押し付けて権限は与えないつもりなのかな…とも考えてしまいます。



 そのあたりの組織面においてはすごく不安ではありますが、新たな強化部には頑張っていただきたいと思います。
 これまでのインタビューなどを読んでいても、斉藤TDは「オシム監督の頃のサッカー」を1つの目標として考えているような印象がありますし、どのようなチーム作りになるのか注目して見ていきたいですね。