HRTの来期不参加とペイドライバー

 今季途中からチーム売却交渉に出ていたというHRTですが、先日発表になった来期F1エントリーリストにHRTの名前はなく、来期参戦はなくなりそうです。
 これに関しては HRTのテクニカルディレクターであるトニ・クケレラも事実を認めているそうで、このままチームは解散の方向へと進むそうです。
 ソースはこちらなどで。


 HRTは2010年からF1に参戦。
 当時F1はリーマンショックの影響で、ホンダ、トヨタBMWなどが撤退。
 ルノーも段階的なF1撤退を決めブリヂストンもF1から離れるなどの混乱状態で、このままでは参戦台数がそろわないという問題が危惧され、新規でF1チームを募集することとなりました。
 HRTはその中の1台だったわけですが、毎年予算不足に悩まされ戦闘力は厳しいものに。
 これはHRTに限らず新規参戦組のヴァージン(後のマルシャ)も状況は厳しく、USF1に至っては参戦権を得たものの予算が集められず結局F1には参加できずに終わってしまいました。



 やはりF1はお金のかかるスポーツで予算がある程度の順位を決めているところがありますから、世界的な不景気などに陥るとF1全体が厳しい状況になってしまいます。
 最近では小林可夢偉が来期F1シート獲得のため募金を行い、スポンサーなど持参金を持ってF1シートを獲得するペイドライバーが増えていることが話題になっています。
 しかし、ペイドライバーも決して珍しいことではありません。


 リーマンショックが発生するまでのF1は、こぞって自動車メーカーが参戦し「ワークス時代」なんて呼ばれていました。
 けれども、予算に関しては潤沢なチームが多かったですが、ホンダやトヨタはお金をかけるものの運営は拙く毎年批判を受けていましたし(今のジェフにも似たところがあったり…?)、ドライバーにとっても良い時期だったかというと疑問です。
 というのも、確かにペイドライバーは少なかったですが、各チーム自分で育てたドライバーや自社が狙う市場出身のドライバーしか使わない傾向にあり、それ以外の若いドライバーにとってはチャンスのない状況になっていたわけで。


 例えば近年では各チームの若手ドライバー育成が進んでおり、レッドブルの姉妹チームであるトロ・ロッソレッドブルの育成ドライバーしか起用しない傾向にあります。
 それによってスポンサー若い頃に目をつけられたドライバー以外は、なかなかF1のシートを獲得できない傾向にあるということですね。
 また、マッサがフェラーリに残れるのはフェラーリがブラジル市場を大事にしているからだという話もありますし、ワークスチームだからといって実力だけで判断されているわけではないのでしょう。
 可夢偉も日本人初の持参金なし(ホンダなどのサポートも含めて)のドライバーといわれていたりはしますが、ザウバー加入時は可夢偉を育ててF1を撤退したトヨタがサポートしていたのではないかといわれていますしね。


 こういった傾向というのは決してF1だけではなく、サッカーや野球などでも日本のスポンサーや放映権、グッズ販売なども期待されていることはあるわけですし、日本人だけでもないでしょうからそこを酷く恥じることはないのかなと。
 もちろんあまりそういったお金に影響せず、実力で評価してほしいと思うところは事実ですけど、言ってしまえばスポンサー獲得などもその選手に実力や魅力などがあってこそだと思いますしね。
 その点で佐藤琢磨はクリーンで爽やかなイメージもあって、今でもスポンサーが多いのかなと思ってしまいますが。


 スポーツ選手というのは見られる職業ですし、応援を受けることで稼ぐことになるわけですから、総合的な魅力というのは大事な部分だと思います。
 これはスポーツ選手に限らず、F1チームやサッカークラブにも言えるはずで。
 ジェフもそこのところ、もっと頑張ってほしいなぁと思うわけですけど…。
 もちろん可夢偉もですけどね。



 明日、明後日は更新お休みします。