最終戦終了、チャンピオンの座はベッテルに
先週末、今期F1の最終戦、ブラジルGPが行われました。
予選、決勝と雨のぱらつく難しいレース展開で、面白い内容になりました。
チャンピオンシップリーダーのレッドブル、セバスチャン・ベッテルを追うフェラーリのフェルナンド・アロンソが最終戦で逆転チャンピオンになるためには、アロンソが表彰台に登りかつベッテルが下位に沈まなければなりませんでした。
そこで意外にも注目を浴びたのが、ザウバーの小林可夢偉。
ベッテルが決勝スタート直後に衝突されて大きく順位を落とすと、小林可夢偉はその混乱をさけて順位を上げていきます。
その後も好調なペースで走行する可夢偉。
セーフティーカー導入後にはアロンソをパス。
すぐに抜き返されますが、続いて後方から追い上げてきたベッテルをブロックし、結果的にアロンソとベッテルの差を広げる役割を担いました。
可夢偉はベッテルが同時にタイヤ交換した直後にベッテルに抜かれ、最後は7位でこのレース限りでの引退となるミハエル・シューマッハーをパスしようとし、レコードライン外のウェットなエリアを走行してスピン(これはわかった上でのアタックだったようですが)。
最終的に9位に終わってしまうなど、完璧なレースではなかったかもしれませんけれども、十分過ぎるほど見せ場は作ったと思います。
来季シートの決まらない可夢偉ですけど、最後に可夢偉らしい目立つパフォーマンスを見せられたのではないでしょうか。
ブラジルGP優勝はマクラーレンのジェンソン・バトン。
レース序盤はオフにメルセデスへの移籍が決まっているマクラーレンのルイス・ハミルトンがリードしていましたが、フォース・インディアのヒュルケンベルグとの接触もあってリタイア。
そのヒュルケンベルグは表彰台に登るチャンスもありましたが、ペナルティのために5位に降格。
2位にはフェラーリのアロンソ、3位にはチームメイトのフェリペ・マッサが続きました。
マッサはここにきて調子を上げてきましたね。
もしもシーズンを通して調子がよかったら、チャンピオンシップの行方も変わっていたんでしょうか…。
そして、序盤の接触から追い上げていたベッテルは6位でフィニッシュ。
これによって3連連続のチャンピオンに輝きました。
これだけ結果を出し続けモチベーションの下がらないベッテルもすごいですけれど、結果を出せずに早々に撤退したあのジャガー・レーシングを買収して、ここまでの強豪に育て上げたレッドブルというのも当時を知っている者としては驚くものがあります。
まぁ、それだけの予算をつぎ込んでいるというのもありますが、マシン作りに関しては空力の天才であるエイドリアン・ニューウェイを招聘し、チーム運営にはGP2チームの代表であったクリスチャン・ホーナーを抜擢して、マシン作りと運営のすべてを任せて現場に自由にやらせている印象で、そこがうまくいっている秘訣なのかなとも思います。
このあたりはF1にかかわらず、興味深い部分ではないでしょうか。
ともかくベッテルとレッドブル、おめでとうございました。
レースを2位でフィニッシュしチャンピオンを逃したアロンソがチャンピオンを決めて喜ぶベッテルを見て、ピクリとも動かず睨み続けていたのがすごく印象的でした。
レース前から厳しい状況なのはわかっていたと思うのですが、それでも本人は諦めていなかったんでしょうね。
怖いぐらいの表情であれぞプロフェッショナルというか、そういった気持ちこそが現役NO.1ドライバーと呼ばれるアロンソを支えるものとしてあるのかなとも感じました。
あの表情を見ると、来季のF1も面白いことになりそうです。
明日、明後日の更新はお休み。