W杯最終予選、オマーン代表に2-1で勝利

 ブラジルW杯アジア最終予選が行われ、日本代表は2-1でオマーン代表に勝利となりました。
 裏では最下位イラク代表が4位ヨルダン代表に勝利したため、日本代表は大きくW杯出場に近づいたことになります。


 しかし、30度を超すオマーンでの開催だったことは差し引かなければいけませんが、ここ最近の日本代表はやはり守備に課題を感じますね。
 この試合では単純に中盤での相手への寄せが甘く、戻りも遅く、そこからゴール前に決定的なパスを出されるシーンも目立っていました。


 ウイングがどんどん中央に入って行き、それによって空いたスペースにSBがオーバーラップをしていく形で攻撃を作っていく日本代表。
 しかし、その分ボールを奪われた直後のサイドのスペースなどに、穴ができてしまう印象があります。
 そこをどうカバーし、リスクマネジメントしていくのか…。
 ボランチの遠藤、長谷部も攻守に頑張れるタイプで守備専というわけでもないこともあり、本田も守備でサボることが多いこともあって、全体的に中盤から前の守備が薄い印象を感じます。


 ザッケローニ監督はイタリア人監督らしく守備的なサッカーを作ろうとしていたというか、守備からチームを作っていたはずですけど、その原型が消えかけているというか。
 たぶん4×4でスペースを消す守備をベースに作っていったところで、対日本ということで守備を重視していくアジアのチームに対しては、攻撃でリスクを負わなければならない。
 そのため、バランスを崩してでも攻撃の形を作っていた結果、今度は守備に課題を抱えるようになってしまったのかなぁと。
 ありがちですけど、攻守両面でよいサッカーというのが作れていない印象で。
 それでもアジアレベルでは結果を出したのだからいいですけれども、世界相手にはどういった強みを持ったチームにしていくか。
 ブラジルに0-4で負けた後だけに気になるところです。



 オマーンは前からのプレスにはあまり来なかったですけど、その分しっかりと後ろのスペースは消そうとしていたと思います。
 twitterでもちらっと言いましたが、J2にありがちな前からのプレスにも行けず、後ろのスペースも見るからに空いているような守備ではなくて、前に行けない分サイドのスペースも消し、DFラインをコントロールして、裏のカバーも考えて守ろうという意図を感じました。


 そのためさらに大外のスぺースで仕掛けて、攻撃を作っていった日本代表。
 非常に狭いエリアでの勝負になったわけですが、それでも精度の高いパスの出せる遠藤や長谷部や今野、スピードに乗った状況でも1タッチでボールを止められる長友や岡崎などの攻撃で序盤はチャンスを作り、先制ゴールもあげました。
 このあたりは現在の日本代表の個の強さを感じる部分でもあります。
 ただ、得点を決めたあたりから日本代表の動きも落ち着いてしまい、中央の本田がいまいち動けていなかったという部分もあったのでしょうけど、サイド一辺倒の攻撃が続いて相手も日本の攻撃に慣れてきた印象がありました。


 それでもサイドでしか攻撃チャンスが作れない状況だったため、選手交代によって長友を1つ前にあげて攻撃に専念させようという意図だったのではないでしょうか。
 けれども、なかなかその長友も生かせない状況で試合は続きましたが、試合終盤に酒井高徳のしかけによってゴールが生まれました。
 このシーンは酒井高の維持も感じたプレーしたね。
 非常に良い仕掛けからのクロスだったと思います。



 これでに今年の日本代表の試合は終了だと思います。
 清武、2人の酒井、高橋など若い選手も少しずつ増えている日本代表ではありますが、チーム全体においては攻守のバランスなどで不安が見えてきた1年だったのかなぁとも感じます。
 ブラジル相手に大敗したことによって、どのように世界と戦うべきなのかという問題も改めて考え直すというか、整理しなおさなければいけない事項であることを感じさせてもらえました。
 アジアなどのチームと戦いながら、その先のレベルのチーム作りを見据えることができるかどうか。
 来年6月にはコンフェデレーションズカップもありますし、そこで1つのまとめが見られるといいですね。