リーグ戦最終戦、本当の強者は?

 大雨と強風の中のアウェイ最終節徳島戦。
 徳島まで行かれた方々、お疲れ様でした。
 アウェイにはなかなか行けていないので、アウェイ組の方達には頭の下がる思いです。


 さて、今回の試合。
 前回のブログの流れだと、本当の強者はいたのかどうか?といった流れでしょうか。
■藤田のポストから2得点
 ジェフのスタメンは前節と同じ。
 やはり木山監督は勝っているとスタメンをあまりいじらないようですね。
 そうなってくるとプレーオフ準決勝でも同様のメンバーということでしょうか。


 練習試合で怪我から復帰した田中はベンチに入らなかったですね。
 右ウイングに入っている米倉が好調だからか。
 それとも、まだベストコンディションではないのか。
 あるいは、プレーオフに向けての秘密兵器として隠しておくのか。
 "本番"直前の試合なだけに、いろんなことが考えられます。


 対する徳島は3バックのフォーメーション。
 太田、アレックス、途中出場した福本と、ジェフにとっては懐かしいメンバーがそろっていました。



 試合はジェフがボールをポゼッションする展開。
 徳島はあまり前へのプレスにも来ずに、かといってスペースも消しきれず、試合を通して中途半端な守備でした。
 特に右サイドの守備はスカスカな印象で。


 それでもなかなかジェフのほうも、ボールは持てても攻撃の連携がうまくいかない時間帯が続きます。
 試合が動いたのは前半25分。
 藤田が落として兵働がパスを出したところから、米倉がドリブルで仕掛けてそのままシュートに持ち込み先制。
 前節の松本山雅戦も米倉が右サイド内側からの突破を図ってゴールが生まれたのですが、今回は直接持ち込んで決めましたね。
 米倉のキレのある仕掛けだったと思います。
 逆に言えばここからドリブル突破を狙うパターンは徳島も警戒しなければいけないはずだと思うのですが、このシーン以外も含めてちょっとやられすぎていたように思いますが…。



 続いて前半29分。
 前線で藤田が粘ったところから、勇人がボールを受けてミドルシュート
 これが決まって2-0とします。
 ともに藤田のポストプレーの流れから生まれたゴールでしたね。
■スルーパスから追加点を決め3-0の勝利
 ハーフタイムを挟んで、徳島が守備を修正してくるのかな?と思ったのですが、あまり状況は変わらず。
 守備でボールサイドによる意識は強まったのかもしれませんが、逆にそれが中途半端で潰しきれず前を向かせない守備も出来ず、その裏を与えてしまうことも多かった印象です。


 後半12分。
 ジェフが左サイドでボールを奪われた後、相手のミスでボールを失い健太郎が奪って、そのまま前線の藤田に綺麗なスルーパス
 これを藤田がしっかりと決めて、3点目が入ります。
 

 ジェフは後半からは左サイドを中心に攻めていった印象があります。
 前半から徳島は右サイドのスペースが悪印象があったのですが、あえて左から攻めてパスを出す狙いだったのでしょうか。
 しかし、あまりサイドチェンジなど大きな展開はあまり見られず。
 短くパスをつなぐ部分がベースにあるとはいえ、やはりシーズンを通してサイドチェンジの意識というのは身に付かなかったですね。



 それ以降は、徳島も前に出ていくシーンが増えていきます。
 ジエゴを中心に攻め込んでいき、岡本が2度もファインセーブを見せますが、ジエゴ以外からのチャンスというのはあまり多くなかった印象です。
 逆にジェフにカウンターの機会を与えることが多くなっていきます。


 ジェフとしてはそのカウンターで、追加点が欲しかったような流れだと思うのですが。
 徳島の守備陣はバックステップで一歩遅れるシーンが目につきましたし、雨によってぬかるんだコンディションに足を取られることも多かったですしね。
 アウェイゲームでしたが、ジェフのほうが状況にうまく対応できていた印象でした。


 徳島は後半途中から、ようやく4バックにしてサイドの守備の立て直しを図ります。
 これも前節松本山雅が行った流れと一緒ですが、3点を奪われてからでは遅すぎた印象で。
 そのまま3-0で試合終了となりました。
■楔から落としたボールを縦へ 
 個人的にも開幕前にJ2上位の予想をしていた徳島だったのですが、最終順位も15位ということで、それに応じた試合内容でしたね。
 3バックで4-5-1に臨んだ試合だったわけですが、サイドの守備が曖昧だった印象でした。
 湘南のようにボールサイドのウイングにはストッパーが付くとか、オシムさんの頃のように3トップにしてウイングがSBを見るとかあるいは2-5-3のような極端なシステムを取るだとか。
 ボランチなどを下げて4バックにするとか、ボランチがサイドに流れるとか、いろいろなパターンはあると思うのですが、少なくともこの試合ではそのあたりの対応が見られなかったかなぁと。
 まぁ、1トップ2シャドーなのでシャドーが見る予定だったのかもしれませんが、どちらにせようまくいっていなかったですね。


 そのあたりの戦術的なものもそうですけど、単純に全体的な動きが悪く、一歩ずつジェフの選手たちの動きに後れを取っていた印象でした。
 ジェフの攻撃は基本的にまず後方からFWに楔のパスを出して、FWが中盤に落として、走りこんでいくサイドの選手などにパスを出すという流れで。
 それが前半の途中までは飛び出しのタイミングもあわず、飛び出していく人数も少なかったために、なかなか合わない時間帯が続きました。
 しかし、徳島の守備がずるずると下がっていったために、ウイングなどが高い位置で受けられるようになっていきます。


 その下がってしまった背景には、楔を出す中盤の選手をハーフウェイラインを超える高い位置でも、フリーにさせてしまうこと。
 藤田が潰しきれず、しかし、中途半端にマークに行ってしまうことで、他にスペースを与えてしまうこと。
 そのスペースのできたところにサイドの選手などが入って行って、そこへのマークが遅れてしまうこ戸があると思います。
 ようするに、楔のパスの出所、ポストプレー、前へのパスのターゲット、どこも潰しきれず、潰すポイントもチームとして明確に決めきれず、後手を踏んでしまうと。
 そうなってくると、当然守備は苦しくなりますよね。


 相手が下がってしまうまではジェフの攻撃ももう少しで、ポストからの流ればかりで変化のない印象を受けていました。
 ポストからの流れを作るために藤田1トップを選択しているのでしょうが、1トップにしている分ゴール前に飛び込む選手という選手が不在で、流れが停滞してしまっていたと思います。
 徳島がその後下がっていってくれたから良かったですけど、相手がしっかりとした守備だったらどうだったのかなと考えてしまいました。



 また守備に関しても、簡単にサイドの深い位置までボールを運ばれることが多く。
 もともと中央を固める守備だからという点もあるのでしょうけど、特に攻めた後の戻りが遅く、うまく相手を遅らせることができていなかった印象です。
 そこからジエゴの裏を取る動きをCBが捕まえきれないシーンもありましたし、この辺りは課題ではないかと思います。


 基本的にはパスもつながっていたし、米倉あたりが好調なのも含めて(その分谷澤が静かなのも気にはなりますが…)、良い試合だったとは思います。
 ただ、だからといって完璧な試合だったかというとそうでもないでしょう。
 岡本に2度も大きな仕事をさせてしまったわけですし、攻撃も相手の出来を考えれば4点目、5点目も十分あり得た試合だったと思います。



 まぁ、日本代表で言えば強化試合であまり良くない相手と対戦したけれども、それで良い状態かどうかというのはまだ言えないような状況かなと。
 ですから、しっかりと気を引き締めて、本番のプレーオフに臨みたいところではないでしょうか。