リーグ最終節 プレーオフに向け強者を求ム

 今週末はJ2リーグ最終節が行われ、ジェフはアウェイで徳島と対戦します。
 過去2試合、山形戦、松本山雅戦と比較的楽に勝ててしまった印象もあるジェフ。
 その結果もあってか、関係者のコメントも明るいものが多い印象です。


 前向きな気持ちもいいとは思うのですが、ジェフははいまいち試合内容の良くなかった2チームに勝っただけとも思えなくもありません。
 オシム監督も何度も言っていたように「相手があるのがサッカー」ですから、相手次第で自分たちの試合内容も良くも悪くも見えてしまうのがサッカーだと思います。


 実際、相手の内容の悪く、昇格も厳しくなってメンタル的にも上げにくかったであろう山形、松本山雅には勝てましたが、その前に行われたプレーオフのライバル大分、湘南には負け、引き分けとなっている事を忘れてはいけないと思います。
 その2試合で、J1への自動昇格の可能性も失ったといってもいいわけですから、自分たちは「すでに昇格争いで1度負けている」とも言えるのかもしれません。
 また、大分戦の前節、状態の悪かった草津にも勝てていますが、その前の4試合も負け、負け、引き分け、引き分けとなっています。
 そのあたりを振り返ってもわかるように、現在のジェフは試合内容の悪い相手にこそ勝ててはいますが、それ以外のチームには勝ち越せていない印象で。
 プレーオフで勝たなければいけないないのは、強く、メンタルもしっかりとした相手になる可能性が高いわけですから、決して楽観視できるような状況にはないと思います。



 J2に参戦してから、本来はあまりブログでは口にしたくない相手チームの出来、不出来をより追及するようになったのも、相手の出来によって自分たちの見え方が変わってしまうところがあると感じているからです。
 特にJ1に昇格するためには、弱いチームに勝つだけでは足らず、強いチームとの試合を制してこそ、J1昇格が見えてくるはずで。
 J2は比較的チームにおける出来、不出来(好不調)が激しく、チーム力のピラミッドもある程度はっきりとしている印象がありますから、相手の出来をしっかりと見極めた上で、自分たちのサッカーを見ていかなければならないと思います。
 ようするに、弱いチームに勝って、勘違いをしてはいけないということですね。


 結局のところ「甘さ」というのは、そのあたりなんじゃないかなと。
 ジェフが「脱甘」をスローガンに掲げて、選手や関係者や自分も含めて便利に「甘さ」ということを使ってしまいがちですけど、ではその「甘さ」とはいったいなんなのか。
 「甘さ」という曖昧で便利な言葉に、「甘え」てしまっているんじゃないかとも思うわけで。
 その「甘さ」の正体もわからずそこを脱するなんて言うのは無理な話で、具体的にどこが問題なのかを追及すること、どこが「甘さ」なのかを探し出すことが、まず第一歩なんじゃないかと思います。
 そこを飛び越えて「甘かった」とか「甘さを脱した」では、いつまでたっても前には進めないんじゃないでしょうか。



 その中で1つ思うのは、ここ数年毎回のようにちょっと結果が出ただけで、クラブ全体に油断する傾向があるんじゃないかということ。
 その背景には、「自分たちはJ2の中ではかなりの戦力がある」だとか、「クラブ規模や歴史、箱物の充実している自分たちが実力を出せれば優位にいるはず」だとか、「前評判はいいのだから軌道にさえ乗れればいけるはず」だといった過信、迷信のようなものが、どこかにあるのではないかと。
 しかし、客観的に見れば、すでにジェフはJ2でも3年目。
 どっぷりJ2生活に染まってしまった"J2のクラブ"なわけで、クラブの総合力で言えば決して優位にあるとは言えないはずです。


 少しくらい結果が出たからといってそれで満足していいようなクラブの状況ではなく、さらなる上を追及していかなければならない。
 ましてや、プレーオフは1発勝負。
 100%とは言えないにしても、それに近い確率で勝てるチームを作らなければ昇格はなく、昇格できなければ今期の目標は達しないわけですから、この1年は無駄になってしまうとも言えなくもないはずで。
 その確率を例えコンマ数パーセントでも少しずつあげていくための努力を、あと1週間といった短い期間でやっていかなければならない。
 当然のことですが、過信だとか油断だとかは許されないはずです。



 そのためには、対戦相手の徳島にもできれば今期の最終節にいい状態で来てほしいところ。
 ジェフがここ2試合、楽に勝ってしまった状況で、変に気持ちの緩んだまま、プレーオフには臨みたくはないですからね。
 そういう意味で、相手にも強者を求めたいところではあります。


 …しかし、それもまた「甘え」であって、他力本願な話だとも思います。
 本来は相手がどうあれ自分たちがしっかりとした強さを持って、相手も含んだ試合の分析をして、自分たちが今どうあるのか、どこがうまくいっていて、どこに問題があるのかを評価し修正して、次に進んでいかなければいけないはずです。
 無論、厳しさだけではいけないのでしょうけど、サッカーには完璧などないはずなのですから、勝った試合でもどこかに足りないところはあるはずで。
 逆説的に言えば、まだどこかに伸ばせる可能性も秘めているはずです。



 まだリーグ戦1試合が残されていますが、言い方を変えれば、もう1試合しかプレーオフまでに公式戦の機会は残されていません。
 公式戦はチームを育て、選手を育てるチャンスでもあるわけで、しっかりとこの機会を活かしてほしいと思います。
 プレーオフへの挑戦は、すでに始まっているものだと思います。
 笑顔でシーズンオフを迎えるためにも、悔いを残さぬように頑張ってほしいですね。




 明日、明後日の更新はお休み。