オシム氏、ボスニアサッカー協会会長立候補は辞退か

 先週、ナビスコ杯特集をしていたフジテレビの『すぽると』では、イビチャ・オシム氏は現在ボスニアで静かな暮らしを送っていることにされていましたが、実際にはボスニアサッカー協会のため今でも忙しく働いていらっしゃいます。
 昨年、各民族から代表者を選出しているボスニアサッカー協会に対し、代表者は1名でなければならないとFIFAが通達。
 これに応じられなかったとして、FIFAは昨年4月ボスニアサッカー協会の資格停止処分を発表しました。


 そこで白羽の矢が立ったのが各民族の人々にも認められておりユーゴスラビア代表最後の監督でもあるオシム氏で、ボスニアサッカー協会正常化委員会の委員長として就任し、約2か月後の資格停止処分解除を勝ち取るまでに努力されていました。
 しかし、その後もボスニアサッカー協会は簡単には再建とはいかず、オシム氏が実質的なサッカー協会会長を務めていました。



 来月には当初のほぼ予定通り、新たなボスニアサッカー協会の初代会長選が行われるそうなのですが、『オシムの伝言』の千田氏によるとオシム残留の声が増える中、自身は選挙に立候補しないことを話しているそうです。
 まぁ、オシムさんらしい判断ですよね。
 ご自身は求められれば答えるでしょうけれども、本来そういった目立つポジションは好きではなく政治的な仕事にも以前から反発されていましたから、この1年半でサッカー協会の諸問題は解決しベースは作ったのだから、後は若い人たちで…ということでしょうか。
 もちろん年齢や体調の問題もあるのでしょうし。


 こちらの海外紙によると、オシム氏は大きな問題となっていた財政状態も安定したと話していそうです。
 また、UEFAプラティニ会長もサラエボを訪問した際、オシム氏のおかげで協会の崩壊から救われたと話しているようです。


 一方でオシム氏は以前からボスニアセルビアクロアチアなどのユーゴスラビアの統一リーグ展開案を掲げていましたが、これにプラティニ会長が乗った形でギリシャ、トルコ、ブルガリアなども含めた共同リーグ案を考えているということが、上記ブログに書かれています。
 これに関しては、多くの海外メディアも取り上げており、こちらでは2015年春スタートと具体的な時期も書かれてます。
 春開催というところも気になるところで、FIFA春秋制に興味を持っているという報道も以前ありましたから、こちらの共同リーグでテストを考えていたりするのでしょうか。



 このような動きがあることからも、オシム氏はまだまだサッカーへの強い意欲を感じるところで。
 ボスニアサッカー協会の名誉職的な話もあるそうですから、そこに就任する可能性もあるのでしょうけど、今後の動向が気になるところです。
 体調が許すのであれば、日本などに限らずまたどこかで監督としてのオシム氏を見たい気持ちがファンとしてはあるのですが。