久保、藤本が鳥取にレンタル移籍

久保裕一選手の期限付移籍について(ジェフ公式サイト)
藤本修司選手の期限付移籍について(ジェフ公式サイト)


 遅くなりましたが、先週、久保と藤本の鳥取へのレンタル移籍が発表になりました。
 久保あたりは昨年ある程度試合にも出場していましたし、今夏のレンタル移籍もあるえるのだろうなぁとは思っていました。
 現状の2人のことを考えると、悪くない移籍なのかなとは思います。


 ただ、これまでの流れを見ると、少々残念な思いもありますね。
 久保は昨シーズン、公式戦30試合に出場し1ゴール。
 それなりの結果を見せてくれたと思いますし、プレー内容も可能性を感じるものでした。
 それだけに今期は一層の飛躍を期待していたのですが、シーズン開幕からの数戦にベンチ入りし2試合に途中出場したのみとなっています。
 また、藤本も昨シーズン天皇杯に1試合のみ出場でしたが、その試合で1ゴールをあげています。
 左SBは層の薄いポジションなだけに、久保とは立場は違うものの、今期のリーグ戦初出場などには期待される部分も多かったのではないかと思います。



 しかし、すでに様々なところで言われているのでここで取り上げてもいいと思うのですが、久保はシーズン途中から練習ではSBで起用され、藤本もCBでプレーしていたとのこと…。
 いろいろな意見があるとは思いますし練習の一環としてということではあるのでしょうけど、個人的な意見を言わせていただければ、久保のSB起用なんて夢にも思いませんでしたし、藤本も層の薄いポジションからのコンバートというのはどうなのか?と疑問を感じる部分がありました。
 それでも練習見学に行かれた方のお話を聞くと、最近は2人ともよいプレーも見せていたということで(久保はポジションを戻して)、ほっとしていたところではあったのですが…。


 補強の動向などを見ても、そもそも今期は初めからこの2人など、若い選手を育てていくつもりはあまりなかったのかもしれませんね。
 もちろん実力社会の中に生きる者ですから、当然若い選手でもダメならチャンスは得られないというのは当然のこと。


 しかし、自チームでダメだったから、レンタル移籍で他のクラブに育ててもらおう…というのは、そう簡単なことではないと思っています。
 Jリーグでのレンタル移籍での武者修行も少しずつは成功例が出てきてはいますけど、その多くがJ1からJ2へ移籍したケース。
 J1のレベルの高いポジション争いの中で出場機会が得られず、溢れてしまった選手が下位カテゴリーで大きな結果を残して自信をつけて帰っていく…といった流ればかりだと思います。
 今期のジェフはこれでレンタル選手が4人(青木孝太、益山、久保、藤本)となりますが、厳しい言い方をするとそれだけ自前での育成を放棄してしまったのかなぁとも感じなくもありません。



 大事なのはクラブの将来。
 現在は主軸選手の年齢層が高めですが、このままのレベルのサッカーではJ1に昇格できても相当頑張らなければ苦戦するだろうと思っています。
 その中で、スタメンは固定化しつつあり戦術のベースも決まりつつあり、逆に言えばそのあたりでの伸び代は難しいかもしれません。
 もともと攻撃の最後の部分などを見ても、個人能力に比重のかかっているサッカーだと思うし、そうなってくると選手の補強や成長が重要になってくると思うのですが…。


 若手選手のコンバートを見ても、育成センスはどうなのかな?と感じる部分があります。
 選手育成においては公式戦での思い切りの良い起用法というのも重要だと思うのですが、大岩は即戦力だったと思いますし、我慢して使っているのは武田くらいといった感じでしょうか。
 例えば大塚などはシーズン途中での補強だったことも考えれば、監督の意向なども強かったと推測いたしますが、活かせていないのが現状ですしね…。
 まぁ、大塚に関しては、それこそ以前言ったようなシーズン途中にパスで崩すサッカーからカウンターサッカーに代わった影響というのも大きかった気もしますが、それにしてもわざわざあの時期に補強したわけで。



 個人的な意見としては、気軽に「向こうで活躍して成長して帰ってこいよ」とは言いたくなくて。
 鳥取にも失礼だし、選手にもどうなのかと思うし、それこそそう"甘い"ものではないと思っていますから。
 むしろまずは出場機会の与えてもらえなかったジェフに対して、見返すくらいの強い反骨精神で戦ってきて欲しいと思います。
 それで結果的に選手も成長し、ジェフにもメリットがもたらせれれば嬉しいですけどね。