木山監督「選手たちは90分戦いきった」

木山隆之監督
「激しい試合でした。ただ、なんかこうちょっと不思議な感じというか、前節はあんまりプレーした記憶がない試合だったので、そういう意味では勝てなかったことは非常に悔しいんですけど、なんかちょっと清々しいというか、勝つチャンスも十分あったし、逆にやられる危険もあったし、いろんな意味でこうお互いにいい部分が出たり、ミスもあったりはしたんですけど、しっかり選手たちは90分戦いきった中での結果なので。」(J's GOAL

 う〜ん…。
 前節の東京V戦が「プレーした記憶がない試合」だったという印象は、なんとなくわからなくもありません。
 わりとがつがつとぶつかり合った試合で、あれはあれでありなのだと思うのですけどけど、サッカー的に内容の濃い試合ではなく、気持ちと気持ちのぶつかり合いといった感じだったのかなぁとも思います。



 それに比べれば、湘南戦はサッカーができたということなんでしょうか。
 ただ、そこまでいい試合だったか、ジェフペースだったかというとすごく疑問で。
 確かに序盤から積極的にゴールを狙う展開ができていたとは思うのですけど、それも昨日言った通り湘南が前に前に来たからこそ、後ろが開いたというか、素早く前に出さざるをえなかった印象があります。
 ようするに積極的に攻めていたというよりは、積極的に攻めさせられていたというか。
 では、それ以外の前に行かなくて良いような時間帯…ようするに湘南の選手たちの運動量が落ちて前からはいけない状況で、ジェフのペースに出来るはずだった時間帯はどうだったのかというと、その時間に関してはさしてよいサッカーではなかったように思います。


 そう考えると、ジェフのほうが勝つチャンスはあったのではないかとは思いますが、一方で全体的な試合の流れに関しては実は湘南ペースだったのではないかなぁと。
 湘南ペースというか、湘南のやりたい試合展開になったといったほうが正確なのかもしれませんが。
 負けた試合、引き分けた試合でも「悪くない試合だった」と感じることは、あってもおかしくないとは思います。
 ただ、そこまで自分たちのやりたいサッカーができていたとは思えず、「戦いきった」のは確かかもしれませんが、逆に「戦いきった」にもかかわらず、あのサッカーしかできなかったことに現段階での限界というか、足りない部分というのを強く感じてしまった試合かなぁと思います。



 今期J2もシーズンの折り返し地点に立って、木山監督も真価が問われる段階に来たのかもしれません。
 日本人監督というのは皆、勤勉な印象があるし、勉強の場も数多くあるのでしょうから、良い経験さえ積めばある程度の監督にはなることができるのかもしれません。
 もちろんそうでない日本人監督もいるとは思いますが。
 しかし、実際、日本人監督のサッカーというのは、近いサッカーになる印象があります。
 もちろん、それはそれで一概に悪いこととはいえませんし、木山監督もそのベースはしっかりと持っている監督ということなのかなと思います。
 今期のジェフも、ある程度のレベルのチームにまではまとめ上げてきてくれた印象があります。 


 しかし、そういった中で、そこから木山監督が、どういった特徴のある監督になれるのか。
 具体的にはどういった形でもって、チームに強さを植え付けることができるのか。
 そのあたりを見せられるかどうかが、今後は求められてくるところなのかもしれません。
 監督に関してもやるからにはトップを目指してほしいと思いますし、ジェフとともに頑張ってほしいと思います。