現在J2リーグ最少失点継続中

「ここまでのチームを今回は数字で振り返ってみたい。失点7はJ2リーグ最少失点で、完封も8試合。6日の愛媛戦のスコアも1―0。決勝ゴールを後半31分に上げたMF田中佑昌選手は「なかなか点が入らず、焦りはなかったか?」という質問に対して、「焦りはないですよ。ディフェンス陣が点を取られないから、焦らず試合ができる」と話した。」(朝日

 朝日新聞にジェフ広報が書いているコラムがあるわけですが、町田戦前に「堅守試合運びに安定感」という記事がアップされていました。
 その後、2試合を経過し、町田戦が6-1の勝利、熊本戦も4-0で完封勝利だったため、現在は総失点8。
 J2リーグ最少失点を維持しており、総失点一ケタのチームはジェフだけとなっています。


 その結果、2試合が大勝だったこともあって、得失点差は+18でこちらもリーグ最多ということになります。
 最終的に得失点差が順位に影響する可能性もなくはありませんし、このあたりの数字は良い傾向ですね。



 ただ、試合内容を見ていくと、決してチームとして”堅守”といった印象はあまりなく…。
 町田戦も4-4-2で4×4が狭く守っていた分、相手DFラインとボランチの付近には守備が行けずそこでボールを回されたり、相手SBへのチェックが遅れてそこから後手を踏んでしまったり。
 熊本戦でも簡単に危険なゾーンで前を向かせてしまって、シュートを放たれたり。
 CKで相手を完全にフリーにしてしまって、岡本がセーブしたり…。
 岡本のファインセーブが4,5本あった試合だと思いますけど、それがなければ2,3点取られていてもおかしくなかったかなと思います。


 決して守備に穴がないチームではなく、組織的に良い守りをしているかどうかというと、疑問も残る部分があります。
 その中で、成長著しい岡本や安定感のある竹内、今季加入の山口智や大岩、健太郎などが局面でしっかり守れている、あるいは強引にラインを上げるなど守備において無理はしていないことが、現在の結果につながっているのではないかと。
 ようするに、個人能力で守っているところが今のところは大きいのではないでしょうか。
 最終ラインに関しては大きな穴を作っていないですけど(左サイドはあやしいこともありますが…)、そこから前はスペースもあったりして、盤石な守備という感じではない印象です。
 よっぽど昨年の菅澤代行監督時代のほうが、穴はなかったかなぁと思います。



 とはいえ、あの時は監督交代後で時間がなかったことを差し引いても、守備的に行き過ぎていて攻撃に転じる余裕は感じなかったですし、昇格のためには勝ちにいかなければいけないことを考えれば、ある程度守備には目を瞑ってでも攻撃面に行くことが重要だと思います。
 昨年のFC東京も今野、森重、高橋などを中心に守備を作りつつ、攻撃を作っていった印象がありますから、最終ラインに関しては今年のジェフもそんなイメージなのかなと。
 もっともFC東京はプレスにも穴がなく、全体を通じてバランスの良い守備を形成していましたが。
 ただ、それがなくとも相手の決定力の問題もあって、後方さえ大きな穴を作らなければ「外してくれる」ことも多いですから、まずはそれでいいのかもしれません。
 J1レベルでそれが通用するかどうかとなると、また大きく話は変わってくるんじゃないかと私は思っているのですが。


 しかし、山口あたりはやはり相手のスピードに遅れるシーンも目立ってきていますので(シーズン序盤からそういったシーンもなくはありませんでしたが)、守備面も油断することなく改善しつつ、攻撃パターンの向上を図っていきたいところではないかと思います。
 特にJ1でも戦えるチームを作っていくのであれば、攻守において成長していかなければいけないと思いますし。
 今期の結果が第一だとは思いますが、その後も見据えながらのチーム強化を期待したいですね。