スケール感は維持しながら

 ジェフは今期からJリーグに入会した町田ゼルビアとのアウェイゲームを今週末に控えています。
 町田は現在のところ、3勝8敗2分で18位。
 下位に低迷はしていますが、ゴールデンウィーク連戦では松本山雅に0-1で敗戦、横浜FCに4-2で勝利、北九州に0-1で敗戦、富山に1-1で引き分けと、1勝2敗1分でまずまずの成績を残しています。


 町田は現在、元ジェフの唐井ゼネラルマネージャーがチームを牽引しています。
 2010年に町田のゼネラルマネージャーに就任した唐井氏は、2011年にランコ・ポポヴィッチを招聘し、クラブをJリーグに昇格させます。
 しかし、ポポヴィッチ監督がオフにFC東京に移籍となると、今度はアルディレス監督を招聘。
 アマル監督の話もありましたけれど、どちらにしてもクラブの状況を考えると、素晴らしい監督選定だと思います。



 ジェフの方はゴールデンウィークを3勝1分で乗り切り、現在は6位にまで順位を上げてきました。
 これでもようやくJ1プレーオフ圏内に入ったといったところではありますが、チーム状況の底は超えたのかな?とは感じられるところですね。


 ゴールデンウィークの連戦中は主に中盤から前の選手たちをターンオーバーすることで、フレッシュな選手を起用することができていたと思います。
 J2に降格してからの2年間、選手層は厚い(あるいは戦力は豊富)と言われていましたが、それを活かすことができていなかったところがあったので、うまくターンオーバーして戦っていく姿はなかなか新鮮な印象を受けました。
 一方で最終ライン…特にCBの2人に関しては不動で戦ってきた分、年齢的な問題もあって疲れも感じるところがあるのかな?とも思ったりもしましたが…(笑)
 それでも要所はしっかりと押さえてくれていますけどね。


 コンディション調整に加えて、ターンオーバーによって、ゴールデンウィーク前に感じられた、チームの停滞感も脱ぎ払ってくれたのかな?と感じるところもあります。
 ゴールデンウィーク前は選手も固定化され、特に攻撃において行き詰まりが見られていた部分があったのではないかと思っています。
 しかし、メンバーを変えたことによって新たな動きや可能性が感じられ、結果的にチーム作りにおいても試合においても動きが見られてきたのではないかなと。
 もともとそういった狙いでのターンオーバーだったのかどうかはわかりませんけど、結果的に良い効果を与えたのではないでしょうか。
 レギュラー選手にとっても、控え選手にとっても良い刺激になったのではないかな?と思いますし。



 とはいえ、まだまだ確固たる攻撃、得点パターンができたとは言い難いと思いますし、まだ「チームの可能性が広がった」という段階ではないかと思います。
 その可能性を生かし、引き延ばすことができるのか。
 また、これから個々の連携を深めていくためには、考え方によってはまた選手を固定化する必要が出てくるのかな?とも思いますが、その時にまた停滞感が生まれてしまわないか…。
 小さくまとまらずに、スケール感は維持しながらチームを強化していくことができるのかが、重要ではないかと思います。


 町田は新規参戦のチームで現在は18位ではありますが、ジェフは下位の富山や松本山雅に苦しんだ経験もありますし、油断ならない相手だと思います。
 引いて守ってくる相手には苦戦しがちですし、相手が引いて守ってくるのであれば、そこを打ち破れるかどうかが注目ですね。