ブリヂストンの浜島裕英氏、フェラーリと契約!

 日本のF1ファンにとってはビックニュースです。
 長年モータースポーツ開発本部長として、ブリヂストンのF1プロジェクトのリーダーとして活躍してきた浜島裕英氏がフェラーリと契約したと、フェラーリ代表ステファノ・ドメニカリによって明らかにされました。
 現在、ブリヂストンはF1から撤退しており、昨年はMotoGPなどの現場に。


 浜島さんはテクニカル・ディレクターであるパット・フライの直属のエンジニアとなり、タイヤだけなくマシン開発の面でも期待されるとのこと。
 ようするにチームにおいて主要ポストでの契約になることが、示唆されたということになりますね。
 浜島さんにとっては非常に良い契約なのではないでしょうか。



 ここ数年のフェラーリは低迷気が続いており、ミハエル・シューマッハーが引退以降は(現在は復帰していますけど)、テクニカル・ディレクターのロス・ブラウン、チーフデザイナーのロリー・バーン、チームマネージャーのジャン・トッドなどもチームを離れ、主要スタッフの人材面でも厳しい状況に陥っています。
 黄金期を過ぎたフェラーリは、イタリア人スタッフを集めイタリア主導でチーム運営を目指したわけですが、結果的に失敗に終わったということになります。
 そこで期待されて加入したのがライバルチームのスタッフでイギリス人のパット・フライであり、それにあわせたリストラクチャーが現在行われている段階と言うことになります。


 昨シーズンのフェラーリの反省を振り返ると、新しく採用されたピレリタイヤへの対応に苦しみ、特にタイヤへの熱の入れ方の面で苦戦した傾向があります。
 一方で、夏場以降調子を上げていったマクラーレンは、元ブリヂストンの今井弘氏を獲得し、今井氏がピレリタイヤへの対応において大きく貢献したと報じられていました。
 フェラーリとしてはそういった状況も見て、浜島さん獲得に至ったのではないでしょうか。
 浜島さん対今井さんの対決というのも、非常に楽しみですね(笑)


 元々フェラーリブリヂストンというのは非常に密接な関係があって、現在のようなテスト規制がなかった頃は他チームとは比べ物にならないほどタイヤの本数の契約を結び、積極的にテストを行っていました。
 その力の入れようは、フェラーリが強すぎる時代だったこともあって、1メイクながらも「フェラーリ贔屓」と揶揄されるほどでした。
 そのような”歴史”もありますから、浜島さんのフェラーリ入りというのは、すごく納得できるものでもありました。



 浜島さんならフェラーリを立て直すスタッフの1人として活躍できるのではないかと思いますし、F1を追う上での楽しみがまた1つ増えた印象です。
 フェラーリの主要スタッフに日本人が採用されるのは、元ホンダの後藤治さん以来ということになるのでしょうか。
 行く行くはチームの首脳としても昇格できる可能性もあるかもしれませんし、プレッシャーは少なくないかもしれませんけど、頑張ってほしいですね。