ディフューザー規制はイギリスGPから
ドライバーによる操作によって、マシンに空力的な影響を与えてはならないというレギュレーションから、ブロウン・ディフューザーを禁止すると発表していたFIA。
ブロウン・ディフューザーとはエンジンからの排気をマシンに吹き付けて気流を速めるもので、安定的に使用するためにはエンジンをマッピングし、排気量をコントロールしなければならないということになります。
その部分が大きな問題となり、イギリスGPからブラウンディフューザーは禁止となる模様です。
今回の報道では新たに、ホットブローイングとコールドブローイングの2パターンがあることが明らかになっています。
ホットブローイングはスロットルをオフにした状態でも排気を送れるようにしたもので、これまでにも報じられていた仕組みであり、上位チームが使用しているといわれています。
一方、コールドブローイングはスロットルが開いている状況で排気から冷たい空気を送るもので、ザウバー、ウィリアムズ、トロ・ロッソなど中位から下位チームが採用しているようです。
これだけではちょっとコールドブローイングの構造が分かりませんけど、スロットルをオフにしても開いているような状況にして、冷たい空気だけ排出するということなんでしょうか。
今回の規制の背景には、燃費の問題もあるようです。
特にホットブローイングの場合、オフスロットル時も燃料を焼却するわけですから、当然燃費は悪くなる。
全世界的に”エコ”が叫ばれる中、”エコ”とは逆方向にあるようにも思えるF1も、どうにか頑張らなければいけないということで、KERSの使用や4気筒エンジンの検討などがなされています。
そんな中で、なんとルノーが今期初旬に「燃料を10%多く使用した分ブロウンディフューザーの効果が上がった」と空気の読めない発表をしてしまったわけです(笑)
今回の規制でレッドブル、ルノーは共にダメージが大きいといわれていますが、元をたどると身から出た錆だったとも言えるのかもしれません。
また、もう1つの理由としては、開幕から好調だったレッドブルを止めようという理由もあるのかもしれません。
ブロウンディフューザーの規制で一番被害を受けるのはルノーエンジンか、フェラーリエンジン使用チームではないかと言われており、さらに今回ホットブローイングの方が効果的であるということが分かりましたから、レッドブル、ルノー、フェラーリの3チームへの大きな影響が考えられます。
こちらの記事も「ディフューザー規則、レッドブルに最も打撃か」と言われており、フェラーリ代表もこれによって勢力図が変わる可能性をコメントしています(希望も込めて?)。
ディフューザー規制が正式に決まったのはカナダGP前ですし、このまま行くとレッドブルのベッテルが断トツでチャンピオンシップを決めてしまう可能性がありますから、ルール変更によって状況を変えられれば…という意図があったのかもしれません。
まぁ、普通ではありえないことと言えるのかもしれませんけど、F1では良くあること(笑)
というのも、ブロウンのエンジンシステム自体は、昨年から報道では出ていたものですしね。
タイミングを考えると…ということになります。
ともかく、小林可夢偉のザウバーはこういった革新的なシステムの開発で後れをとっていることもあり、あまり影響は受けずに済むのかもしれません。
トップ5との差を縮めるチャンスとなるのかもしれませんし、どういった変化が起こるのか気になるところです。
とはいえ、本当に強いチームはこんな規制もはねのけてしまうかもしれませんが…。
明日・明後日は更新お休み。
次はたぶん月曜日に。
五輪予選と日本代表対クウェート戦とJ2の試合、時間がかぶるんですね…。