深セン、北京国安に大敗も…
昨日、月曜日に行われた中国スーパーリーグ第9節深セン対北京国安。
試合前の段階で2位付けていた北京のホームで行われた試合だったわけですが、4-0で北京の勝利。
深センにとっては、大敗ということになってしまいました。
1失点目は相手のセットプレーを跳ね返した直後に、深センがラインを上げて対応したところ、相手のミドルシュートが見方選手に当たって、結果的にそのボールが跳ねて裏をとられる形で失点。
2失点目はゴール前左からのFKから、意表を突くパスで壁の裏に出され(そういえば、CL決勝でも似たようなシーンがあったような。あれを参考にした?)、逆サイドからヘディングで失点。
GKがはじき出したようにも見えたのですが、ゴールラインを割っていたという判定で得点となってしまいました。
前半終了間際には中盤でボールを奪われて、ショートカウンターからクロス、ヘディングで3失点目。
4点目は後半20分、一度攻められたあとに、ラインを押し上げた後、裏をとられた展開。
この時スルーパスを出した相手には守備が付いておらず、そういった時にラインを上げてしまうとやられてしまうという典型的なパターンだったように思います。
個人的には前半しか見られなかったのですけど、思ったよりは悪くなかったです。
ここ数試合しっかり試合を見ていないというのもありますが、数試合前よりはかなり内容が良くなっており、前節の初勝利もまぐれではなかったのだなと思います。
守備に関しても前線からのプレスが効くようになっており、サイドへの守備もSHとボランチとトップ下の選手が連携してチェックに行けていて、逆サイドのSHは絞ってボランチなどの穴埋めをする形が出来るようになっていました。
これによって5バック気味で中盤が薄くなっていた問題も、少しずつ解消されています。
また、攻撃に関してもパススピードが上がっており、縦パスやロングパスも交えて、繋ぐだけで精いっぱいだった少し前までは大きく改善されている印象です。
まずはFWにあてて、中盤の選手と細かくパスを繋いでいる間にSHが飛び出していってサイドに展開する、あるいは逆サイドにロングパスを狙うなど、トルシエ監督のやりたいサッカーが少しずつでも確実に出ているのかなと。
また、FWが下がってくさびのパスを受けている間に、中盤の選手が前に飛び出していくなど、上下のギャップを意図的に作る流れも印象的でした。
これもあって、攻撃に幅が出来てきたように思います。
その中で巻は頑張っていたと思います。
ロングボールに対するへディグでも競り負けていませんでしたし、ポストプレーを受けに下がってサイドに展開し、ニアに思い切って飛び込んでいくシーンなどを見ていると、本人のプレーとチームのサッカーがマッチしている印象を受けます。
またプレッシングでも貢献しており、相手のミスを誘うようなシーンも。
開幕直後は1人で広いスペースを守らざるを得ない状況でしたが、この試合では巻がDFラインにチェックに行くと(この時のパスコースを消しながらチャックに行く動きが相変わらず素晴らしい)、後方の選手もそれに続いて中盤の選手のチェックに行くなど(巻がパスコースを限定しているからチェックに行く対象が明確になる)、チーム全体の意思疎通が向上している印象でした。
楽山も「一仕事」はできませんでしたけど、中盤のパスワークの中で貢献していたんじゃないかと思います。
ただ、前半のうちに3-0になってしまったこともあってか、後半12分に巻は交代。
前節、怪我からの復帰戦でいきなりスタメンフル出場となり、トルシエ監督からの信頼を強く受けているのかな?と思っていただけに、ちょっと残念ですね。
トルシエ監督は昔からスコア的に劣勢になると早い段階で前をいじりたがるところがあるので、仕方ないのかな…とも思いますが。
チームに関してはもともと北京相手にアウェイで勝てるとは思っていなかったので、勝敗に関してはこんなものかなとは思います。
ただ、悪くない内容だったのに、大差が付いてしまったのは逆に心配でもあります。
プレスもビルドアップも良くはなってきている。
けれども、攻守において最後の部分での質はまだまだで、そこを改善するのが難しいのかなと。
守備に関しては単純にねばり不足を感じますし(特にプレスの効いていない時のカウンターの守備に穴が…)、攻撃も高い位置までボールを持ち込めるけれど、そこからのアクセントは作れず、なかなかラストパスやクロスも出せていない状況です。
この試合はニュージーランド代表に選出されたキレンが不在(ということは、ミリガンのオーストラリア代表との対戦ということになる)だった影響もあるのかもしれませんけど(試合が月曜開催でなければキレンを使えたのでは…?)、キレンもどちらかと言えばポストプレーヤーだと思いますし、やはりもう少しどこか前線以外のところで攻撃の工夫を作れるようにならないと、得点力不足の改善は難しいのかなぁと思います。
まぁ、とはいえ、徐々に良くなっているのは確かだと思いますし、このチームは基本「これから」なんでしょうから、今後の発展に期待したいと思います。