上海にも敗れ、深セン開幕3連敗
昨日15日、深セン紅テンはアウェイで上海申花と対戦しましたが、0-2で敗れ開幕から3連敗となりました。
しかも、この3試合無得点という状況になっています。
前節の陝西宝栄戦が酷かった上、巻も怪我で出場を見送ったことがわかっていたので、いまいち試合を見る乗る気力が高まりませんでしたが、それでも気になった点をいくつか。
まず、対戦相手の上海ですが思ったよりも良くなかった…というか、ラインがかなり低い印象でした。
そのため格下かと思われていた深センですが、前半から思ったよりもボールが前に持ち込める状況に。
上海はACL疲れもあったのかもしれませんが、個人で持ち込めるアルゼンチンのFWとコロンビアのFWがいるようなので、他の選手は引いて彼らに点を取らせるサッカーなのかもしれません。
深センは相変わらずボールを持ててもそこからのテンポアップがもう少し…といった印象でしたが、それでも前節に比べればスムーズにボールを回せていた印象です。
しかし、前半30分過ぎにカウンターから失点。
相手から見て右サイドを突破され、左サイドを狙ったクロスを上げられたところ、深センの右DFがオウンゴール…という3バックで良くある失点パターンでした。
カウンターを受ける場面では中央に3人が固まることが多いので、逆サイドへの対応が難しくなる…といったところでしょうか。
この日は巻の代わりに、若い13番の周文を起用。
スピードがあるタイプのFWのようで、彼が縦に受けてキレンが引いてポストを受けるという関係がはっきりと作れていて、キレンとしてはやりやすかったんじゃないでしょうか。
また、開幕戦で巻に変わって途中出場したラコビッチが、中盤でスタメン起用されていました。
周文もラコビッチも巻のライバルとなりうる選手で、前半はまずまず可能性も感じていたのでちょっと複雑な気持ちもあったのですが、なんと後半スタート時に2人とも交代に。
まぁ、0-1で折り返す試合展開でしたから分からなくもないのですが、これまでの試合でも後半開始時に選手を交代してきたトルシエ監督。
そういえば日本代表時代もこういった交代が多かったですね。
当時はテスト的な意味合いも強いのかなと思っていたのですが、前節の試合後も「本当はHTで5人変えたかった」なんて話をしていたらしいですし、そういった性格なのかなと。
やはりじっくりクラブでチームを作りよりも代表の方が合っている印象が…なんてことは、今さら言う話でもないのかな(笑)
その交代で何かが変わればよかったのでしょうが、状況は大差なく…。
後半開始早々に2失点目を喫してしまいます。
相手から見て右サイドからのクロスを上げる前に、上海の左ウイングが中央に入ってきました。
それに対応して中に絞ったのが、この日もスタメンだった深センの右サイド楽山。
しかし、その間に1トップを張っていたアルゼンチンのルイス・サルメロンが、左サイド後方に下がってボールを受ける予備動作をします。
ようするに左ウイングと1トップが回転して相手のマークをはがすような動きをし、楽山はそれにつられて左ウイングの選手について行ってしまい、ルイスをフリーにしてしまいました。
そのルイスのところにクロスボールが入って、ヘディングでゴール。
この時のルイスの跳躍力を見ると仮に楽山が付いていても止められなかったかなぁ…とは思うのですが、ラインで守っている以上あの場面では左ウイングのマークはCBに任せて、ルイスを見るべきだったんじゃないかと思います。
2点ビハインドで相手を追う深センは、後半途中からDFを削ってMFを投入。
楽山を右SBに起用して、4バックで戦いました。
今までは3バックで中央の厚みからの展開しか作れていませんでしたが、4バックにすることで広くサイドを使え中央からの攻撃も活きてくる状況になっていたと思います。
カウンターから深センの選手が抜け出してGKと一対一になるシーンもありましたし(残念ながら得点はならず)、4バックで良い形が作れていたのはこの日の収穫…というか、現段階ではこのチームの救いといったレベルではないでしょうか(笑)
相手が引いて守る傾向が強く、1トップで戦っていたために4バックという選択肢が生まれたのかもしれませんが、3バックで打開策が見えない状況なのであれば大きな変更も必要かもしれません。
主に攻撃面が課題だったわけで、上海戦途中から見せた4バック移行による攻撃面の活性化は、チームにとって1つのヒントになる可能性もあるのかもしれません。