南米選手権参加決定と諸々の雑感

 話が二転三転していたので、ある程度落ち着いてから取り上げようと思っていたら、なんとなく出遅れた感がしないでもない…(笑)
 そんな状況ですが、JFAが理事会を開き南米選手権の日本代表参加が正式に決まったようなので、取り上げてみたいと思います。


 いろいろな意見が出ていますが、個人的には参加を期待していました。
 もちろん日本代表の南米選手権への参加と、その間のJリーグクラブへの影響を考えなければいけないのだから、簡単な話ではないとは思いますが。



 確かに現在の日本サッカー界の基盤はJリーグであって、それをないがしろにしてはならない…という考えもあるかもしれません。
 しかし、今のサッカー界は日本中に夢や希望を与えなければならないわけで。
 日本におけるサッカーというスポーツがそういった立場にあるからこそ(あるいは当事者たちがそうあって欲しいと考えているからこそ)、未だに困難な状況であってもJリーグをなんとか再開する運びとなった…と考えるべきではないかと私は思います。


 そして、多くの日本国民に夢や希望を与えるのであれば、日本代表が真剣舞台に挑むというシチュエーションが一番なのではないかと私は思います。
 もちろんJリーグにそれが出来ないというわけではありませんが、昨年のW杯・今年のアジア杯などの盛り上がりを見ると、やはり日本代表という存在は多くの日本国民に大きな夢・希望を与えうる可能性がある存在にあるのではないかと感じます。
 実際、W杯・アジア杯の際にはサッカーファン以外の多くの方にも、興味を持たれていたと感じましたし、残念ながらあそこまでの盛り上がりというのは、現実的に見て現段階のJリーグには難しいとも感じるわけで(もちろん今後の発展は期待していますが)。
 南米選手権に出場することによって、W杯やアジアカップの時のような熱気を国内にもたらす可能性があるのであれば、例えそれによってJリーグに多少なりの悪影響を与えたとしても(その悪影響を最低限に抑える努力は当然しなければいけないと思いますが)、今は頑張って我慢しなければいけない時なのではないか…私は思います。



 それを前提として考えるとして、次に重要になるのはどういった形で参戦するのがベストなのか。
 具体的に言えば、どんな選手構成で臨むのか。
 特にJリーグとの兼ね合いが注目され、お互いどこかである程度の妥協も必要だと思いますし、その線引きが非常に難しいところだと思います。
 Jクラブの主軸となっている選手を選抜するとなればどうしても不公平感は出るでしょうけど、誰かはどこかで我慢しなければいけない状況なはずで…。
(ならば辞退すべきという意見もあるかもしれないけれど、辞退するにしたって違う意味での我慢を求められるわけで。この大震災での影響を考えれば、どう転んでも通常通りとはいかないことが前提の上での話になるはずです。)


 それが優勝争いや昇降格に関わると辛いところですけど、そこは頑張って凌いでもらうしかないのではないか…と私は思います。
 こんな時にジェフが代表とは関係のない立場にいることが、逆に辛さを感じたりもしますけどね。
 もし代表選手をジェフが抱えている状況だったら、代表に協力することで多くの人の手助けになるのであれば、シーズン中であっても協力してほしいと個人的には思っていたと思うのですけど…。
(昇降格の件に関して不満が出るのであれば、いっそ男らしく入れ替え戦で決すればいいんじゃないか…なんてことも思ったりもしますが。)


 ただ、難しい状況なので、やはりある程度の選出条件は必要ではないかなと思います。
 ただし、「大会に出場し日本中に夢や希望を与える」と言うことを考えれば、当然実力のある選手が必要なはずで。
 『Jリーグからの選出は1クラブから1人に限定する』が現実的な妥協案なのかなと思っていたのですが、Jリーグからは「各クラブ1人、若手が原則になる」という話もあるようで
 そうなのであれば個人的には非常に残念ですが、なにせジェフは直接関係ないだけに強くは言えないところですね…。
 最終的にどうなるかは今後の成り行きを見守るしかないと思いますが、出場は決まったわけですし良い方向に進んでほしいと願っています。




 …以下は、今回の件で気になったことをいくつか。
 まず、欧州組の招集に関して。
 国際Aマッチデーなどではないため、日本代表には拘束力がなく南米側と協力して、特例での招集を目指すという話がでていますね。
 しかし、そうなのであれば、そもそも地震がなくても欧州組は招集できなかったということ?
 ベストメンバーに強く拘っている人もいるけど、地震が起こらず特例を認められない状況だったら、どういったメンバーで参加するつもりだったんでしょう?
 それに関連して、W杯・アジア杯と大会が続けて行われていることになるので、選手の体調も心配です。
 そもそも、今回の南米選手権出場は日程的に無理があった?


 小倉会長がアルゼンチンまで言って説得されたことが話題になっていますが、その前にJリーグ側の要望を飲んで辞退しようとしたJFAですが、今までの姿勢を考えるとこれも驚きですね。
 「Jリーグの要望で辞退しようとしたものの、アルゼンチンの説得があって結局参加に」と…聞くと綺麗な話にも聞こえますが、JFAの意思はどういったものだったんでしょう。
 まさか初めからこのシナリオを考えて、アルゼンチン入りしたわけではないですよね?(笑)
 JFAが仲介役になったような形で、悪く言えばJFAの意思が見えてこない状況ではありますが、良く言えば周囲の話をしっかりと聞いて対応しようとしている…とも捉えられるのかも知れません。
 まぁ、でもどちらにしても今回の件は、JFA以上に選手を抱えているJリーグ側がどう判断するのかが重要な部分だったのではないかと思います。


 最後に、気になるのは選手の意思。
 過密日程によるコンディションやクラブと代表間での選手のやり取りの問題がポイントになっているわけですから、当然選手側の意向というのも重要になってくるはずです。
 しかし、選手側の意見はあまり聞こえてこない(チラホラトは出てきていますが)のが、個人的には残念です。
 お金の面ではかなり突っ込んだ行動をとっていた選手会ですけど、こういった時には意見すらも出さないのですね…。
 そもそもどれだけ選手会側が現役の代表選手の意向を汲み上げられていたのかに関しては、微妙なところだと思っていたのですが。
 しかし、選手がこういったことに関しても意見を言えるような環境作りというのも、重要な部分なのではないかと思うのですけど…。