復帰間近な渡邊圭二と、SBのカバーリング

 こちらの内容は3月11日の直後に書いたものになります。
 なかなか本震から数週間はサッカーの内容に関するものをアップする気にならず、ずるずるとここまで来てしまいました。
 でも、せっかく書いたので、Jリーグ再開前に使っておきたいと思います。



 こちらの記事(3月17日付け)によると、怪我で長期離脱中だった渡邊が復帰間近と書かれています。
 ドワイト監督はちばぎんカップ後の会見でも渡邊の名前を上げていますし、期待されている選手の1人なのではないでしょうか。


 昨年もシーズン開幕直後は、スタメン出場の多かった渡邊。
 タイミングの良いオーバラップ、オーバーラップ時のコース取りやクロスまでの持ち込み方も含めて、近年のジェフでも”もっともSBらしいSB”ではないかと思います。
 渡邊が積極的にオーバーラップをしかけるから、前方にいた倉田のマークも外れやすくなり、2人の関係で相手右サイドを混乱させることが出来ていたと思います。
 シーズン中に渡邊が負傷したことと、倉田へのマークが厳しくなってチーム全体が失速していったことも、決して偶然ではないのではないでしょうか。
 その渡邊が上手く現チームに組み込めれば、面白い存在になるかもしれませんね。



 ただ、一方でちばぎんカップや開幕戦の北九州戦を見る限りでは、現チームに求められているSBの能力は攻撃よりも守備におけるバランス感覚で、その中でもカバーリング能力が強く要求されるのではないかと感じます。
 ドワイト監督のサッカーでは、4バックが連携して互いにポジションを微調整しながら、横のラインで守る意識が強い印象を受けました。
 そのため、SBはCBとの関係を重視して中央に絞る仕事が非常に重要となり、サイドへの守備は中から外に出て行くイメージではないかと思います。
 その分、SBにはカバーリングが求められるということになるのではないかと。


 また、深井・マットといった守備に課題も見られる選手達をウイングに起用するとなると、よりSBの守備力が重要になってくるのではないかと思われます。
 逆に言えばSBが守備において重要な役割を任されており攻撃参加の回数が少なくなる分、ウイングには自力でボールを持っていける選手が優先して起用されているとも言えるのかもしえませんが。


 だから、SBのファーストチョイスはボランチからコンバートしたカバーリングスペシャリストである山口と、守備力があり経験も豊富な坂本となっているのでしょう。
 そういった意味も込めて、坂本と山口は替えの効かない選手になっているのではないかと以前話したわけですが。
 守備能力という意味では良太や竹内、福元なども候補にあがると思いますが(先日の水戸戦もSBで試されたとか…)、カバーリング能力だけでなくアジリティ(外に素早く出ていけなければ相手に先手を取られてしまう)やポジショニングのセンス(中に入り過ぎてもダメだし、かと言って外への守備も意識しておかなければならない)の部分を考えると、2人の方がマッチしているのではないかと思います。



 そう考えて行くと、渡邊も守備面では苦労する部分が多いかもしれません。
 しかし、一方でサイドからの攻撃に関してはまだまだ改善点もあるのではないかと思いますし、サイドを活性化するという点においては十分に期待できる選手だと思います。
 SBのカバーリングに関しては現状の守り方だと必要不可欠なタスクになっていくでしょうし、渡邊の適応能力に期待したいところですね。