マレーシアGP 可夢偉は4強に次ぐ7位でゴール
予想以上に気温の低かった開幕戦オーストラリアを終え、高温のマレーシアGPでは展開が変わるのか。
また、中高速のコーナーが多いレイアウトでよりマシンの性能差が明確に出るのではないか。
…何てことを言われていたのですが、思った以上に意外な展開になった気がします。
まず予選ではベッテルが順当にポールポジション。
しかし、2位はマクラーレンのハミルトンで、タイム差はわずかに0.1秒差。
続くウェバー、バトンとの差も0.4秒差以内で、レッドブルとマクラーレンの差は予想以上の僅差となりました。
5位アロンソは4位バトンから0.6秒差で、予選では2チームが抜きに出ていた印象です。
小林可夢偉はQ2で1.36.691と好タイムをマークし、Q3に進出。
10番グリッドを獲得しました。
フリー走行3回を見ていないと、単純に可夢偉が好タイムを出した…ということだけで終わってしまうかもしれませんが、P3までチームメイトと共にかなりの苦戦を強いられており、その中での36秒台タイムでしたから立派としか言いようがありません。
それまではチームメイトと同等のタイムを続けていたわけですが、Q2では0.8秒以上の差を付けることになりました。
決勝ではマクラーレン対レッドブルの戦いが期待されたわけですが、ルノーの2台が見事なスタートを決めてレースをかき回します。
特に開幕戦でいいところがなかったハイドフェルドは、予選でも6番手でチームメイトのペトロフの8番手を上回り、決勝でもスタートで2位まで浮上すると最終的に3位でゴール。
ルノーはこれで2戦連続表彰台となりました。
ペトロフはレース終盤に大きくコースアウトし、コースに戻ろうとした際にマシンが大きく跳ねてリタイア。
今回はペトロフの方があまりいい印象ではなかったと思いますし、今後の2人の戦いも気になるところです。
そのハイドフェルドに蓋をされた形なのが、ハミルトン。
レースペースは決して悪くなくタイヤのたれもレッドブルよりも遅かったわけですが、序盤にペースを上げられなかったことが痛かったかなと。
アロンソとの絡みもあって、7番手でフィニッシュ。
そのアロンソは6番手だったわけですが、2人が絡んだことにより、両者に20秒ペナルティが。
結果アロンソの6位は変わらず、ハミルトンは8位に。
ベッテル対ハミルトンも次戦以降にお預けとなってしまいました。
そのおかげで、7位に順位を上げたのが、8番手フィニッシュの可夢偉でした。
レース序盤はスタートで順位を下げたウェバーと、それ以降はミハエル・シューマッハーと激しいバトルを繰り広げ、可夢偉らしい相手の隙をつく鋭いオーバーテイクを見せてくれました。
ペトロフなどに簡単に抜かれてしまうシーンも目立ちましたが、このあたりはタイヤを持たせるという戦略もあったんじゃないでしょうか。
下位ドライバー以外では可夢偉だけが2ピットストップを敢行したことからも、タイヤを労りつつも抜けるところでは抜いて行く冷静なパフォーマンスが実ったレースだったのではないでしょうか。
可夢偉はレッドブル、マクラーレン、フェラーリ、ルノーの4強に次ぐ結果となりました。
最終的に優勝はベッテル、2位にはバトン、3位にハイドフェルド。
4位以下はウェバー、マッサ、アロンソ、可夢偉、ハミルトン、シューマッハー、ディ・レスタ。
新人ではここまで開幕戦で1ストップを成功させたペレス(フリー走行ではぴレスばかり映ってました)やウィリアムズのマルドナドが注目を浴びていましたが、ディ・レスタも良いドライバーですね。
開幕戦でもスーティル相手に予選では上に行きましたし(決勝ではスーティル11位、ディ・レスタ12位)、今回もスーティルは接触などあったようですけど、それでもしっかりと結果を出しており今後が楽しみな1人なのかなと思います。