明日F1開幕 ルール変更、現時点でのチーム状況など

 さて、明日25日から待ちに待ったF1開幕戦オーストラリアGPがスタートします。
 本来は3月10日からのバーレーンGPが開幕戦だったわけですが、政情不安のため延期(中止濃厚との噂)となり、第2戦を予定されていたオーストラリアGPが今期の開幕戦となりました。



 今期からのルール変更を確認すると、まず「KERS(運動エネルギー回収システム)」の使用が可能に。
 09年から導入され昨年は自粛という形で使用されていなかったKESRですが、今年は解禁となります。
 ブレーキ時のエネルギーをバッテリーに貯め加速時に放出する方式が一般的で、KERS復活に合わせてマシンの最低重要が640kgに増加しています。
 09年のレースを思い出すと追い抜きのシーンでの使用と、追い抜かれる側がディフェンスで使用することが多かったと思います
 また、決勝でのスタートでの使用も効果的で、スタートはKERSを使うチームと使わないチームとで大きな差が出てくるポイントの1つなのかもしれません。
 ただ、バッテリー充電時にはブレーキングの安定性が要求されピレリタイヤではその点で不安もあるため、うまく充電できるのか疑問視する声もあるようですが。


 また、今年はFダクトが不可となった代わりに、可変リアウイングの採用が決まりました。
 ストレートなどでリアウイングを開き空気抵抗をなくして、加速させるというシステムです。
 予選ではコースのどこでも使用が可能。
 決勝では前方マシンの1秒以内にいる状況でストレートエンドの600メートルにて、使用できるルールとなります(使用可能区間からは目印が付く予定だとか)。
 決勝スタートから2周目までは使用不可となります。
 しかし、細かなルールに関しては今後の変更も示唆されていますので、今後細かな部分が変わる可能性もあります。
 意外と予選でどれだけ使用できるのか、というのも見どころかもしれませんね。
 昨年のクビサがFダクトを見事に使いこなしていたように、ドライバーの腕が試される部分かもしれません。


 予選ではQ1の最速タイムに対して、107%を超えるタイムを出したドライバーは決勝進出が出来ない107%ルールの復活も決まりました。
 ただし、雨天など例外的な問題が起こった場合には、スチュワード判断で決勝への参加が認められる場合もあります。
 また、ギアボックスの使用期限を4戦から5戦に増加。
 使用期間中にギアボックスを交換した場合は、5グリット降格となります。
 しかし、1度目の交換はペナルティなしでOKとのこと。


 その他も細かく変更はあるわけですが、全部取り上げていくときりがないので、こちらなどでご確認を。


 
 そして、一番気になる変化は、ピレリタイヤではないでしょうか。
 基本的なタイヤの本数などはここなどでご確認を(ちなみに開幕戦では金曜日テスト用に1セット追加となっています)。
 それよりも、心配なのは摩耗によるタイムの落ち込み。
 昨年までのブリヂストンはタイヤの摩耗によるタイムの落ち込みよりも燃料減少や路面状況の向上などによるタイムの上昇が上回っていることが多かったわけですが、今オフのテストではタイヤによるタイムの落ち込みがかなり大きく上回っていたという話が…(笑)
 よって、一気にタイムが下降していくなんて見方もあるそうで、予選は一発勝負。
 決勝も場所によっては、4回ピットストップもあり得るのではないかといわれています。
 その扱いにくいピレリタイヤをどうチームが運用していき、ドライバーがどれだけいたわって使用できるかというところに、まずは大きな注目が集まりそうです。



 オフのテストの出来から判断すると、やはりレッドブルが優勝候補
 開幕戦では昨年チャンピオンのベッテルと、地元出身のウェバーの対決が見ものになるのかもしれません。
 続いてフェラーリが安定したテストを実施。
 まずはレッドブルのライバル最有力となりそうです。


 一方、マクラーレンは苦戦。
 ルノーが発端となった新エキゾーストの形状に関して様々なものを試してきましたが、結局開幕戦ではオーソドックスな物を使用する模様であるなど、バタバタした印象です。
 メルセデスGPも当初は苦しんでいましたが、最後のバルセロナテストで挽回したようです。

 
 中段チームでは意外と良い状況と評判なのがトロ・ロッソ
 そして、ザウバーもなかなかの評価。 
 セルジオ・ペレスが新人ですから、小林可夢偉がどれだけチームをリードしていけるかどうかに、チームの命運がかかっているのではないでしょうか。
 今年はまさに勝負の年となります。
 下位チームではHRTがまず出走できるのかどうか、出来たとして107%ルールを突破できるのかが注目されています。



 このあたりの勢力図は蓋を空けてみなければわからないところもありますし、実際のところは開幕してからのお楽しみですね。
 タイヤの使い方によっては中段チーム以降にも大きなチャンスが巡ってくるかもしれませんし、ピレリタイヤに素早く順応して賢いレースが出来るかどうかも大きなポイントになるはずです。
 開幕戦から、ぜひ良いレースを期待したいと思います。