藤田俊哉、ジェフ加入正式発表

藤田俊哉選手の加入について
 現時点で39歳。
 中西永輔が現在37歳、斎藤大輔立石智紀が36歳、マリオ・ハースでも36歳なのだから、かなり年齢が上ですよね。
 ジェフでは歴代最年長選手となるんでしょうか。


 30歳の巻がアムカルに放出された際、「チームを若返らせたい」と説明を受けたわけですが、10歳近く年上の選手がジェフに加入したことを巻はいったいどのように感じたのでしょうね…。
 それがフロントの本音だったかどうかは別として、個人的にはすごく寂しく感じてしまいますが。



 工藤の京都移籍で、藤田獲得の意図もなんとなくはわかってきました。
 しかし、工藤の穴を埋めるのだとして、何のために穴を埋めるのかな…そもそも穴を埋める必要性はあるのかなと、思ってしまうのですが(笑)
 もちろん工藤移籍は戦力的にダメージの大きいものだと思いますし、藤田は同タイプと言える選手であり、若手に比べれば“確実に計算できる選手”と言えるのかもしれません。
 しかし、まったく工藤の代わりがいないのであればともかく、パサーとしては伊藤もいて、ボランチとしては米倉が使えそうですから、決して選手が全くいないというわけでもないはずですし、むしろ穴を空けたままの方がそこから若い芽も出てくるかもしれない。
 このあたりは祖母井さんもおっしゃっていた通り、何かが足らない方が新たな物が生み出せるんじゃないかなとも思うのですけどね。
 もっと言えば、今期の体制とこれまでの戦力から判断して、本当に今年J1昇格を狙えるのかどうか。
 もしかしたら藤田なら試合巧者という意味でのプラスアルファも期待できるのかもしれませんが、もし今年を土台作りの年として位置付けるのであれば、そういった部分を期待する補強よりも、我慢して若手で構成した方が将来のジェフにとってはいいのではないかと思うのですが。


 これはJ1昇格を本気で目指す場合にも同様のことが言え、例え藤田が今期の戦力として計算できて、首尾よくチームがJ1昇格に成功したとしても、来年J1で戦う際の戦力として考えられるのかどうか。
 「J1に復帰したとしてもまた残留争いに加わってしまっては意味がない」というのは多くの関係者の思うところでしょうし、チームの伸び白も十分に考えていかなければいけないように思うのですが。



 将来のコーチとして考えるだとか、若手のお手本として…というのは、あくまでも付加価値的なものなはずで。
 藤田のような知名度の高い人物が数年後に引退してジェフのコーチに就任してくれるのかどうかもわからないですし、サッカーのコーチというのは野球などとは違って指導歴を重ねてホンモノになって行く印象があります(もちろんどちらのスポーツが良い悪いというわけではないですが)。
 コーチとしてホンモノになった頃にジェフに残ってくれるかどうかもわからないですし(名波がコメンテーターとして安定してきてしまいましたし、良いところで磐田あたりに引き抜かれるのでは…)、どちらにしてもコーチとして期待するのは不確定要素が強すぎるかなと。
 それならば現段階でよりジェフに愛着を持ってくれているであろう立石や斎藤(いろいろと良からぬ噂も出ているようですが…?)、将来的には坂本あたりをコーチとして育てた方が賢明なんじゃないでしょうか。


 また、若手のお手本に関しても、ベテラン選手を取るよりもポジションを空けることの方が若手選手育成にとっては良いんじゃないでしょうか。
 サテライトリーグもなくなって、練習試合でもJ2に降格してからなかなか良い練習相手も見つけらなくなり、若手選手がレベルの高い試合を経験する機会も減っているように感じますし。
 確かに巻がチェ・ヨンスやハースに、水本が阿部などを手本として成長して行ったケースはあると思います。
 ただ、その頃のチェ・ヨンスやハース、阿部などといった選手はJ1でもトップ選手として活躍していたわけで。
 全盛期の藤田ならばともかく、今の藤田と当時の例を比べるのは少し違うんじゃないでしょうか。



 個人的には今回の例は「一選手の獲得」というよりも、クラブ全体の運営能力、方向性などが問われる部分なのではないかと思います。
 昨年は「1年でJ1復帰」を高らかに掲げ・多くの選手を補強したものの・戦力バランスがばらばらで・軸になれる選手は補強できず・監督も新米の江尻氏(若手育成を期待して?)だった…と、中途半端な運営をしてしまった印象があります(このあたりは以前にも話した通り)。
 しかし、今年もまた「1年でJ1復帰」を目標とし・ベテラン選手(オーロイ、藤田など)を補強するも・全体的な戦力は(今のところ)マイナスとしか思えず・ドワイト氏も実績は少なくチームの方向性も代わるため時間がかかる可能性がある…と。
 他の外国人監督の例を取っても、1年目でいきなり結果を出すというのは簡単ではないと思いますし(外国人監督となっても方向性が維持される場合は別だと思いますけど)。


 すでに決まったことですから、この話は今回限りで。
 実際にプレーする姿を見たら情が移ってしまうでしょうから、今のうちにまとめておきました。
 私も藤田自身は大好きな選手で、日韓W杯の前のウイイレでも良くお世話になった記憶があります(笑)
 今年は黄色いユニフォームで頑張ってほしいと思います。