2010年反省会 その7 FW編

 今回で選手編は終了。
 これを含めて反省会はあと3回で終了予定でいます。
■フォワード編
深井正樹
 今期はリーグ戦19試合出場で1ゴール。
 深井も使い方がはっきりせず、頑張っていても空回りしてしまう印象でしたね。
 ウイングでの起用が多く、守備をサボるつもりはなかったかもしれませんが、結果的にそこが穴になっていたことが多かったと思います。
 これは深井に限らずですけど、ウイングが中央に絞るという約束事になっていたのはわかるのですが、SBも相手SHにマンマークで付いていけという指示になっていたため、相手SBへのケアをどう考えているのかチームとして見えてきませんでした。
 一応同サイドにボールが来たらウイングが中央から出ていけ…ということではあったとは思うのですけど、それでは後手後手に回ってしまいますしね。
 シーズン中盤あたりからプレスが効かなくなってきたのも、そのあたりを考えれば当然なのかなと。
 守備組織が出来ていなかったため、ボランチやCBにとって非常に大変なシーズンになってしまったと感じていたので、その中でも広範囲を守った山口がMVP候補の1人になるのかなぁと思ったわけですが。
 そういえば今期唯一のゴールが、あの大分戦でのゴールだったということになるのですね…。 
 もう少し仕事をはっきりさせれば、深井も生きる道はあるように思うのですが。


林丈統
 ジェフに復帰という形になった林ですが、怪我に悩まされたシーズンでした。
 今期は1トップということもあって、中盤に近い位置でプレーすることが多かった印象ですが、なんだか前よりも上手くなりましたね(笑) 
 スパッと縦パスを出したりだとか、動き回ってボールを触ったりだとか、もともと技術はある選手ですけど、より中盤的なプレーもできるようになったのかなぁと。
 ただ、その分グイグイと縦へスピードで突破するような動きは試合中は見られませんでしたし、本人にとっては良い変化なのかもしれませんが、見ている方としてはちょっと寂しい想いもしたりして。
 どちらにしても今期は活躍できませんでしたから、来季残るのであればしっかりと体調を整えて1シーズンを乗り越えてほしいと思います。
 年齢的にも来季結果を出せなければ…ということもありえるのかもしれませんしね。


巻誠一郎
 散々話したような気もしますが、一応自分の思いをまとめる意味でも。
 今回の反省会でも書いているように、今期のジェフは途中から個人での突破力に任せるサッカーになっていってしまいました。
 もちろん巻にはそういった能力はないですから、その中で出場機会も減っていっていってしまった印象です。
 けれども、個人能力ばかりに頼るチームに大きな伸び白はありえない。
 実際、相手の研究にあって、徐々に成績が悪くなってしまいました。
 個人的にはいつかは組織的に動けて周りを活かすことが出来る巻が必要になるだろうと思っていましたし、その思いは今でも変わっていません。
 だから、そもそも「戦力外だったから…」という点に関して、その判断が正しかったのか?と思っています。
 江尻監督が個人能力に任せたチームを作ってしまったことも残念ですし、そのあたりを把握できなかったフロントもどうなのかなぁと私は思います。
 そして、チームの顔としても、フロントに意見を言える選手としても貴重だった選手としても(勇人や坂本もちょっと違う気がしますし)、巻がいなくなってしまったことはチームにとって大きな損失なのではないでしょうか。


ネット
 このブログでは厳しい意見ばかり先行してしまいましたが、しっかりとした特徴を持った選手でもあったと思います。
 確かに相手との競り合いで強く行けない、周りを活かすような動きができないという問題はありましたが、前を向いてボールを持てた時のゴールまでの持ち込みに関しては、期待できる選手でもあったと思います。
 ただ、相手が引いた状況ではそう簡単にそんな状況は作れませんから、ネットを活かすのであればカウンターサッカーに徹するべきだったんじゃないでしょうか。
 加えて、1トップでは相手CB二人がマークに来てしまうことが多いですから、2トップで相方のFWにはオトリになる動きや周りを活かせる選手が良かったのかもしれない。
 そう考えると、ここでも巻じゃないの?とも思ってしまうのですが…(笑)
 厳しいマークを削ぐことが出来ず(これは本人の問題でもあります)大きな結果は出せませんでしたが、武器もあった選手だと思うので今期のまとめとして「ストライカー不足」というのはちょっと違う安易な気もします。
 ストライカーを活かせなかったことの方が問題ではないでしょうか。
 …ただ、ネットがボールを追う時に全力疾走をするプレーが好きだという意見もあるそうなのですが、個人的には簡単に倒れて審判に文句をいう姿勢の方が気になっていました。
 それを周りが煽るのも、コーチ陣が修正できなかったことも残念。
 谷澤が審判に文句をいうときは、意外とみんな無反応なんですけどね(笑)


青木孝太
 シーズン前半はなかなかチームにもフィットしていない感があり苦しみましたが、シーズン後半は良くなって行きましたね。
 もともとは彼もまた1トップで活きる選手とは少し違うと思うので、初めはそのあたりに苦労したのかなとも思うのですが、後半に入ってからはしっかりと腰を入れてボールをキープできるようになっていったと思います。
 ただ、終盤はプレーに思い切りがなくなってしまっていましたね。
 チーム状況が悪かった影響もあったのかもしれませんが、野洲高時代や入団当初はその思い切りのよさこそがウリだっただけに残念な思いもありました。
 いいものは持っているのですから、自分を信じて頑張ってほしいですね。


久保裕一
 大卒の長身FWということで巻っぽさも感じたりしますが、個人的にはプレースタイルは平山っぽいのかなぁとも思います。
 足元のテクニックもあって、体をガツガツぶつけるよりは相手を外すのがうまい感じで、純粋なスピードだとか動き回るタイプというよりはタイミングで外すタイプかなぁと。
 短い時間しか見てはいませんけれども、色んなことをオールラウンドにできるという意味で、スケールの大きさを感じました。
 巻はダイナミックさこそ感じますけど、そういった部分はなかったかなぁと(笑)
 どちらかと言えば、等身大で頑張るヒーローだったと思いますし。
 ジェフとしてはこういった選手を育てられるかどうかが重要ですね。
 これまでにも、可能性を感じる選手はいたわけですから、それを本物にまで磨きあげられるかどうか。
 本人の努力も不可欠ではありますが、周りのサポートもしっかりとしてほしいところだと思います。