アムカル、ロシアプレミアリーグから自主撤退 来季以降は不透明

 巻の所属するアムカル・ペルミが、クラブの公式サイトにて経営難によりロシアプレミアリーグからの自主撤退と会長の辞任を発表しましました。
 1億6700万ルーブル(約4億5000万円)の負債を抱え、新規投資家との交渉獲得にも失敗し、すでにリーグ側に正式な申し出を送ったとのことです。
 公式リリースはこちらで。


 ロシア国内でも驚きのニュースだったようで発表後に多くの報道がされており、正直どれを取り上げればいいのか…といった感じです。
 すでに「アムカルのかわりにどのチームが来季プレミアリーグを戦うのか」という話題に移っており、ロシア1部リーグ(実質2部)で今期3位だったニジニノヴゴロドが有力と言われているようです。
 こちらのサイトなどによると、一度クラブの公式サイトには今とは異なった内容のリリースがアップされてましたが数分後に削除され、その後現在の声明がアップされたようで、このあたりからもクラブ内の混乱が窺えます。



 先日、巻がアムカルから放出されるというニュースを取り上げましたが、その時も巻と共に6人もの選手が放出候補であることが公式に発表されていました。
 アムカルの中でも知名度が高く実績もあるブルガリア代表ピエフに移籍の可能性が出ていたのも、巻など6人が一気に放出されようとしていたのも、今思えば経営難の問題が大きかったのかなと。
 夏の緊急補強に関しても「特別ボーナス」というような書かれ方がされていましたが、その当時から予算の目途は立っていなかったということなのかもしれません。



 日本のニュースサイトでは「アムカルは2部降格を表明した」と書かれていますが、公式サイトを訳すと「プレミアリーグからの自主撤退」とは書かれているものの「2部に降格する」とは書かれていないはずですし、ロシアのサイトにもそのようなことを書かれているところは今のところ見つかっていません。
(どうも日本でのニュースの大元は英国ロイターのようで、ロイターは「クラブの公式サイトに書いてある」って書いてあるのですけど、どこにもそんな記述見つからないのですよね。クラブの英語ページも探してきたけど、こちらは更新が止まってるし。)
 上手く訳せているか自信はないですけどこちらのニュースサイトによると、「クラブはそのまま下位ディビジョンに行くことはできない。プレミアリーグから撤退すればプロクラブとしては分割されてしまう。選手を売って経営の穴を埋めなければいけない…」というようなことが書かれているようです。
 こちらのニュースでは、FCモスクワのケースと準えています。
 WikipediaによるとFCモスクワは今年初旬に経営難のためプレミアリーグから除外され(自主撤退ではありません)、現在はロシア4部のアマチュアリーグ所属となっているようです。
 また、松井の所属するトム・トムスクやクリリア・ソベトフも破産の危機にあったものの、プーチン首相の介入によりスポンサーが見つかって助けられた(またこの人か!)が、アムカルは状況が良くないため国の指導者からの手助けは求めないとも書かれています。


 単純に考えても、1部リーグで経営難となったクラブが2部リーグに降格したところで、根本的な問題解決に至る可能性は低いのかなと思います。
 そうなると来季はFCモスクワのように4部リーグへの降格や、完全なるアマチュアチームへの移行なども十分にありえるのかもしれません(なお、今後新たな投資家を見つけ現状を維持する可能性も一部ではあると言われている模様です)。
 会長はこのタイミングでリーグ撤退を表明したことで、「アムカルの選手が移籍先を見つける時間が十分にある」とコメントしているようですし、多くの選手は退団になるのではないかと思われます。
 今回辞任した会長はJリーグでいうところの社長というよりも自らもスポンサーを連れてきたオーナー的な存在のようで、クラブのリーグ撤退と会長の辞任が同時に発表されたのも無関係ではないと思いますし、会長が辞任した影響はクラブにとって非常に大きいものなのかもしれません(1度目の発表では撤退も辞任も書かれていなかったようだし)。



 ともかく、ロシアでも突然の発表だったようで、現時点でようやく発表翌日の朝を迎えたということになりますから、アムカルの将来についてはこれから決まっていく模様です(金曜には詳細が決まるとの情報も?)。
 どのように転ぶかはわかりませんし、巻のチーム残留はますます厳しい状況になったのではないかとは思いますが(逆に考えれば移籍金は安く済む可能性もあるのかもしれませんけど)、これも何かの縁ですしペルミのファンのためにも出来る限り良い方向に進むことを祈りたいですね。