トム・ウォーキンショー氏、亡くなる
元レーシングドライバーでチームオーナーのトム・ウォーキンショーが癌のため亡くなったとのこと。
64歳だったそうです。
トム・ウォーキンショーは自身のレーサーとしてのチーム、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)を設立し、欧州のツーリングカー選手権やル・マン24時間耐久レースに参戦。
その後チームオーナーとしての職に集中すると、88年にはジャガーと共に参戦したル・マンでは優勝を成し遂げます。
90年代からベネトン、リジェ、アロウズなどF1チームにも参加。
2002年アロウズは資金難でF1からは撤退。
その直後倒産したプロストGPの参戦権を買い取りフェニックスGPを設立に関与するも、実態はなく他チームの反発もあり立ち消えになりました(参戦金だけの取得を目指しているのではないか…という意見も)。
その後も下部カテゴリーのチームに参加し、今年のF1イギリスGPにも顔を出していたようです。
りジェ時代の鈴木亜久里との関係(契約したもののフル参戦とはいかずマーティン・ブランドルとシートを共有する形に)などもあり、ダーティなイメージがある人物ではありましたが、ベネトンではTWRに在籍したロス・ブラウンを拾い上げたり、シューマッハーのチャンピオン獲得に貢献するなど、F1界に大きな影響を与えた方でもありました。
また、アロウズではブリヂストンのF1初参戦にも協力。
そして、奇しくも鈴木亜久里がチーム代表としてF1に参戦したスーパーアグリは、アロウズのファクトリー、アロウズのメンバーが多く参加したチームで、マシンもアロウズの使っていたモノコックを使用したものでもありました。
アロウズ自体はトム・ウォーキンショーが買収したチームであり、その原型はより前にあったとも言えるのかもしれませんが…。
ともかく、日本ともゆかりのある人物であり、決して日本でも好まれていたわけではなかったと思います。
ただ、必要悪といっては失礼かもしれませんが、こういった人物がいてスポーツが成り立つ…という面もあるのも事実。
その後F1は自動車企業がこぞって参加するワークス時代に突入し、ドライバーだけでなくチーム代表も賢いのだろうけど個性のない人が増えた気もしますが、不景気となり多くの企業も撤退している状況ですから、またこういった人達が表に出てくる時代になるのかもしれませんね。
そう考えると、ちょっと逝かれるのが早かったのかな…とも思ってしまいますが。
ご冥福をお祈りします。