FC東京の皆さんへ J2・1年目の注意点

 Jリーグも全日程が終了し、来季のJ2はJ1から湘南、京都、FC東京が降格、JFLから鳥取が新たに入会し、20チームで順位を争うことになりました。
 最終節に降格が決まったFC東京とは個人的にお世話になっている方も多いので、来年ぜひとも対戦したいと思っていました。
 …もちろんJ1で、ですけど(笑)
 まさかJ2で戦うことになるとは思いませんでしたが、昨年のジェフと現状のFC東京、状況が似ているという見方もあるようなので、僭越ながら注意点を考えてみたいと思います。


 サブタイトルは『〜なぜジェフはJ2・1年目で苦しんだのか〜』
 いつもならこっちがメインタイトルになる感じですね。
 ジェフにとっては今期の反省と、来季に向けての課題とも考えられるのかもしれません。


・すでにマークされている!
 何度かこのブログでも話していますが、J2のレベルはあまり高いとは思いません。
 新規チームが増え、戦力とクラブ規模のピラミッドがよりはっきりとしている上に、底辺が広い形になっている印象です。
 しかし、だからといって、J1を勝ち進み、簡単に「1年でJ1昇格」を果たせるかというと、それはまた別問題。
 むしろピラミッドがはっきりしているJ2だからこそ、上位数チームは下位チームどころか中位チームからも徹底したマークにあいます。
 「上位チーム相手には守ってカウンター」というサッカーを明確にしてくるチームが多く、「ジャイアントキリング」を狙おうとモチベーションも高く挑んできます。
 スタジアムはのんびりした雰囲気だったりしますが、いざ試合が始まるとがむしゃらに戦ってくるなんて試合も多いので、その場の雰囲気に騙されないように気をつけましょう(笑)


・得点パターンの確立!
 上記のように戦力差がはっきりしているため、多くの対戦相手は守備を固め、まずは失点をしないサッカーをしてきます。
 相手は「引き分けでもいい」といった意気込みで戦ってきますが、「J1昇格」のためには勝ち星を重ね続けていかなければいけないわけですから、まずは攻撃における質とセットプレーなども含めた複数の得点パターンを構築していくことが重要だと思います。
 もちろん相手は数は少なくともこちらの隙をついてカウンターを狙ってきますから、そこへの対応能力も必要ではありますが、それ以上にカギを握るのが攻撃かなと。
 今季の総得点を見ると首位柏と2位甲府が「71」で3位福岡が「63」。
 4位のジェフは「58」止まりでしたし、明白な得点パターンを作れたか否かが、J1昇格争いの結果を決めたとすら感じます。
 なお、ジェフは総シュート数ではJ2トップだったそうで。
 「もっとシュートを打て」という声も良く聞かれましたが、やはりむやみに打つだけでは意味がない。
 相手が守備を重視してくるからこそ、しっかりと総合的な攻撃の質を高め確実なゴールチャンスを作り出さなければいけなかったのだと思います。
 これは来期のジェフにとっても極めて大切な課題だと思います。


・勝ち慣れること!
 J1昇格争いをするためには、当然のように試合に勝っていかなければいけません。
 連勝していてもその間に他のチームは弱点を探る研究をしてきますし、勝てる状況に油断することなくチームを成長させていかなければいけません。
 ご存じの通り、ジェフは08年、09年とJ1で降格争いに加わってしまっていたため、今期とのギャップが大きく結果が出ることに満足してしまっていたところがあった気がします。
 また、これはジェフだけの問題かもしれませんが、シーズン序盤3戦で1勝1敗1分けとなってしまったところで、「こんなはずはない!」と焦って軸がぶれてしまった印象もあります。
 その結果、中盤のパスサッカー(理想)と個人技で得点奪おうとするサッカー(現実)の両面が共存した、中途半端なサッカーになってしまったのかなと。
 それでも戦力差で勝点は奪えていましたが、それも途中まで。
 シーズンも残り数戦、崖っぷちに立たされた状況になって、勇人を中心として気持ちを見せてくれましたが、状況は変わらず…。
 終盤になって焦って頑張る…という展開にはしたくないですね。


・チーム体制が大切!
 どれだけ選手を慰留できるか次第ではありますが、大枠での戦力を考えると来季のFC東京も今期のジェフもJ2では相対的に優位に立てるのではないかと思います。
 …となるとすれば、重要なのは戦力で勝ることではなくその戦力を活かすことのできる監督と、その監督をサポートできるクラブ体制を作れるかどうかに掛かってくるのではないでしょうか。
 クラブが監督の要望にあわせた選手構成や万全なコーチングスタッフなどの準備を万全に実施し、コーチングスタッフがコンディショニングや対戦相手のスカウティングなどをしっかりと行い、監督に関しては戦術はもちろん選手交代やモチベーションコントロールなども含めた“勝ち方を知っている指揮官”を置くということ。
 結局のところ、これが何よりも重要なのかなと思います。
 「J2に降格してチームを立て直す」にしても、このあたりが必須条件ではないでしょうか。
 どんな状況でも自分の信念を持ってチームを指導することが出来る監督と、有望な多数の若手選手達(ここに関してはFC東京は期待できるのかもしれませんが)が在籍する上で、チームが結果を出し続けられる状況が作れなければ簡単ではないと思います。
 例えばジェフの倉田もシーズン前半はブレイクしかけましたが、簡単に結果が出てしまったことが逆に仇となったのか、その後は伸び悩んでしまいました。
 逆にペトロヴィッチ監督率いる広島やネルシーニョ監督の柏は経験豊富な監督の手腕と下部組織の充実もあって、伸び伸びと戦えるJ2で一回りチームを成長させることが出来たのではないかと思います。
 そのあたりの条件を整えることが出来ない限りは「J2での立て直し」はもちろん、「1年でのJ1復帰」に関しての目標設定も正しいとはいえない場合があるように私は思います。


  
 …と、まぁ、あくまでも自分の感想をまとめたつもりではありますけど、わりと普通な内容になってしまった気がします(笑)
 ただ、これがすべてFC東京に当てはまるかどうかはわかりませんから、そのあたりはご了承ください。
 もし実際の状況とは違って、昇格に失敗した際には「計ったな!」と思ってください。
 来季は直接のライバルになるわけですから、これらもすべて嘘かもしれませんしね…(笑)